毒親の影響でアダルトチルドレンに…克服するための4つのステップ

更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい

「毎日が生きづらい、もしかして自分はアダルトチルドレンなのかも」
「もしかして、うちの親って毒親なのかも…」

毎日こんな悩みを抱えていませんか? 毒親(毒になる親)の居る家庭環境の影響を受けて、大人になってから生きづらさを感じる「アダルトチルドレン」の数は年々増えていると言われています。

「アダルトチルドレンを治したい!」そう思ったら、どうしたら良いのでしょうか? ここではアダルトチルドレンからの克服・回復のヒントとなる4つのステップについて解説していきます。

1. 「今の自分」を受け止めてみよう

アダルトチルドレン(AC)から脱却する上で重要なのが、「自分自身がアダルトチルドレンである」と認める(自覚する)ことです。 「他の人達も自分と同じように感じているに決っている」「これが常識だ」「家族というのは所詮こういうものだ」といった主観的な目線を手放し、客観的に自分を把握できることが最初のポイントとなります。

また同時に、その原因に家庭環境がある可能性(毒親の影響)にたどり着ければ、自分の人生の客観視が進んでいる状態であると言えるでしょう。

ただしこの時点で「自分はACなのだから仕方がない」と開きなおってしまうのはNGです。 また「親のここが悪かった、あれも悪かった」といった「過去にあった親との問題」を現時点で突き詰めていっても、過去を振り返るばかりで自分自身の将来を拓くことには繋がりませんね。 もちろん「振り返り」は将来的には行えるものですが、現時点では「親との関係性の変化」より「自分の変化」を考えていきましょう。

まずは「自分はACで、他の人と物事の受け止め方が違うかもしれない。それには家庭環境の影響が大きいようだ」という点を認めておくこと、これが出発地点となります。

2. 一日に一度は自分を褒めよう

物事の受け止め方に対する対応を変化させるという意味で、一日に一度、必ず自分を褒める習慣を作ってみましょう。 1行~3行程度で良いので、日記を書く習慣を付けてみるのも良い手です。 褒める内容はどんな小さなものでも構いません。

「夕食の料理が上手に作れた」
「今日は挨拶が大きな声でできた」
「予定どおりに仕事を片付けられた」

こんなシンプルなものでも良いのです。

「たかがそんなこと、当然じゃないか」と思いますか?

毒親の元で育ったアダルトチルドレンは、「褒められる」「自分を褒める」ということがうまくできません。 「よし、今日はよくできた」と自分で自分を認めて自信を付けるという、心理的に重要なこのステップがうまく踏めていないせいで、ほんのちょっとしたことでも自分を否定したり、完璧主義になって評価が厳しくなってしまいがちなのです。

この問題を解決するためにも、毎日の「自らを褒める習慣」を付けることが手がかりとなります。

3. 肯定的な発言をする流れを作ろう

人間関係に不安が多く、自分に対しても自信が持てない…。 このような状況下で、他者に対する評価が厳しくなってしまう人も少なくありません。 同僚や芸能人を見て「あの程度はたいしたことない」と思ったり、「間違っている」と思う事象に対して激しく否定をしてしまうことはないでしょうか?

自分自身を褒めるためには、周囲を受け入れて肯定し、褒めることも大切です。 ただし「相手に気に入られるために」と、「無理な肯定(妥協や媚び)」をする必要はありません。 まずは周囲の中で、批判的な人ではなく「肯定的な発言」をする人を探してみましょう。

周囲の良い点を探して褒めるのが上手な人。
相手を自然に肯定して、認めている人。
自分は違う意見を持っていても、一度は「そうか」と相手を受け入れてから話を始める人。

そんな人と一緒に居ると、「お互いを大切にする関係性」「人との繋がり方の良い部分」が多く見えてきます。 肯定的な発言もしやすくなりますし、お互いを受け入れることで「自分の意見」も発言しやすくなるのです。

反対に悪口を言い合ったり、誰かを蔑むような発言しかしない人とは距離を置くようにしましょう。 一時的には「共通の敵がいる味方」に感じられるかもしれませんが、長期的な信頼関係は築けず、結果として孤独感が強まるばかりになってしまいます。

4. 認知の歪みに気づいていこう

アダルトチルドレンに共通する傾向としては「認知の歪み」が挙げられます。 認知とは「物事の受け止め方」のことです。 同じ事象であっても、人によってその受け止め方は様々。 例えばコップに半分の水が入っている時、「もう半分しか無い!」と感じる人もいれば「まだ半分もある」と感じる人も居ますよね。

毒親に育てられたアダルトチルドレンの場合、このような受け止め方に「自信の無さ」「否定感」「完璧主義」「理想主義」といった偏向の傾向が見られます。

もうひとつの例を見てみましょう。

「Aさんは手芸が趣味で、仕事から帰ると小物作りをよくします。10年くらい続けていますが、いつもどこかがグチャグチャになってしまいます。でも気に入ったものは使っています」

これを聞いてどう思いますか? お金のムダ、時間のムダ、不器用なんだから止めればいいのに...、と思いますか?

Aさんにしてみれば、趣味に打ち込む時間は「幸福な時間」です。 技術の向上や効率性よりも「作る楽しさ」「自分なりの達成感」「自分で作れたものを使う喜び」このような感情を重視しているわけですね。

誰に迷惑をかけることもなく、自分の時間を楽しんでいる、趣味に打ち込んでいる…このような幸福な人生に対して否定的な感覚を持つのは、「ムダなことは良くない」「うまくできないなら意味が無い」「成績や結果を出さなければならない」といったバイアス(偏り)がかかっているためです。

このようなバイアス(偏り)に気づき、その歪みを正していくために、現在では認知行動療法等、様々な療法が考え出されています。 カウンセラー等の専門家の元で自身の「考え方のクセ」に気づき、「別の考え方がある」と気づくことが、アダルトチルドレン克服への大きな一歩となるのです。

おわりに

アダルトチルドレンはうつ病や双極性障害といった「病気」ではなく、考え方の傾向、性質といったものを指す言葉です。 そのため薬物治療といった薬の処方、外科手術等で寛解・完治をするものではありません。

しかし、現在では多くの人が認知療法・認知行動療法・カウンセリングといった手段によってアダルトチルドレンからの克服・回復をしています。 「アダルトチルドレンかもしれないけど、どうしたらいいかわからない」「今の自分をうまく受け止められない」そんな時にはカウンセラー等の専門家を頼ってみましょう。

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