子どもが不登校や引きこもりになってしまったとき、親として出来ることは?

更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

学校に行けなくなる「不登校」、家に閉じこもる「引きこもり」… 今やこのような子ども達の数は100万人を突破しており、社会的な問題ともなっています。 しかし多くの大人達は、自分の子供が不登校や引きこもりになるまで、それを「他人事」と感じやすいもの。 トラブルが起こってはじめて、「子供との向き合い方」に不安を憶えるケースが少なくありません。

子どもが不登校や引きこもりとなった時、親はどのように対応をしていけば良いのでしょうか? ここではそのヒントとなる5つのポイントについて解説をしていきます。

1.子どもの話を「聴く」ことをしっかりと

子どもや不登校や引きこもりになった時、多くの親御さんは「とにかく早くこの状況を改善しなくては!」と焦ってしまいがちです。 学校に早く行かせよう、早く外に出させよう… 問題の解決に気がはやるあまり、根本にある「子供の苦しみ」に対して無関心となってしまうケースが少なくありません。

見落とされがちなことなのですが、そもそも子ども達は「不登校」や「引きこもり」になりたくてなっているわけではないのです。 そこには例えば「いじめ」「学校でのトラブル」「人間関係でのトラブル」といった様々な問題があり、子ども達はそれらによる「心の傷(精神的外傷・トラウマ)」を抱えています。 傷が癒えていない子どもを無理矢理に動かそうとして、強い反抗や暴力が起こるのは当然とすら言えるのです。

まずは子どもの今の苦しみや悩みを、しっかりと「聴く」という姿勢を取りましょう。 苦しみや悩みが強いほど、子どもはそれらをなかなか言葉にできず、体や心の中で抱え込んでしまいます。 「一日で全てを聞き出そう」とは考えず、「ゆっくりと聴いていくこと」を意識してください。

2.判断をせずに「味方」で有り続ける

子どもの苦しみや怒り・悲しみをきちんと聞き出す上で大切なのは「その場で判断をしない」ことです。 親からしてみれば、子どもの意見には「間違っている」と思ったり、「そんなことではダメだ」と思うこともあるかもしれません。 しかしせっかく親に心を開こうとした子どもにとってみれば、意見を跳ね返されたり諭されるのは自分を否定されるも同然です。

まずは子どもの苦しみや悩みに寄り添い、「肯定をする」という態度を貫きましょう。 叱咤激励すれば元気が出る、怒れば治る…このような「子どもを変えようとする」行為は、すべて引きこもりや不登校を長引かせるものであると考えることが大切です。

3.「味方」と「甘やかす」を履き違えない

引きこもりや不登校となった子どもに対して、「傷ついたのだから」と過剰な甘やかしを行うケースも多く見られます。 マンガやゲームを多量に買い与えたり、毎日好物を出したり… このような過保護すぎる態度は、「味方」と言えるものではありません。

不登校や引きこもりの初期段階をすぎると、子どもは強いストレスから徐々に解放され、心のエネルギーが少しずつ上ってきます。 「退屈だな」「何かしようかな」と感じられること、これも子どもが行動力を取り戻すための大切なポイントなのです。

ここで親がアレもコレもと高待遇を行えば、「家に居ることが快適で、このままでちょうど良い」ということになってしまいます。 「早く学校へ行け」「家に居るのが困る」という否定感をもって接するのがNGなのは当然ですが、「お客様対応」をする必要も無いのです。

4.子供の「無価値感」を拭う

不登校・引きこもりの初期段階が過ぎ「家の中であれば比較的穏やかに過ごしていられる」という状態になった頃、子どもには無気力さや不安感が強く見られるようになります。

「学校に行けない自分はダメだ」「このまま落ちこぼれになる」…このような自己評価の強い低下が起こるため、「今後の自分」に対する夢や希望が見えなくなってしまうのです。

この時に親がしてあげられるのは、家の中で「子どもができること」を探すことです。 子どもが得意なこと、上手にできること、好きなこと… 様々な子どもの「良い点」を見つけ出して、「褒める習慣」を付けていきましょう。

5.子供の「自分なりの復活方法」のサポートを

子どもの心の傷がほとんど癒え、心のエネルギーが蘇ってくると、「何かをやってみよう」「やってみたい」というチャレンジの気持ちや行動力が強くなっていきます。 ただしこの時点で必ずしも「学校へ行く」「外に出る」という選択肢が生まれるわけではありません。 勉強を始める、絵を描く、運動をする等、自分なりの「行動」をスタートすることで、子どもは「今の自分を変えたい」という意欲を得ていくのです。

子どもが自分なりの方法で状況を変えようとしている時、親からしてみれば「そんなことより学校へ行って欲しい」という気持ちになることでしょう。 しかしこれも、子どもが「社会復帰」をするための大切なプロセスです。 自分なりの形で前に進み、自分を変えていこうとする子どもを認め、それを応援しサポートしてあげましょう。

おわりに

子どもが不登校や引きこもりになった時とは、親との子の接し方、今までの家族関係等の見直しが問われる時でもあります。 「不登校は子どもの問題」ではなく「家族全体の問題」なのです。 しかし「自分達のどこがいけなかったのか?」と自分自身を責めるのではなく、「これからどのような家族関係を築くことが大切なのか」を考えてみましょう。 現在では不登校・引きこもりのご家庭を対象にした親子カウンセリングを受け付ける専門機関の数も増えています。 自分達だけで家族関係を改善していくのが難しい--そう感じたら、専門家によるサポートを受けてみるのも手です。

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