認知行動療法とは?効果やメリット、デメリットを解説!

更新日 2024年05月13日 | カテゴリ: カウンセリング

自分自身の思考や行動に、癖があるなと感じたことはありませんか?

いつも同じようなことで悩んでいる、悩みに対して同じ行動を起こしているような気がする……。

もし、そんな自分に苦しさやストレスを感じている場合は、認知行動療法が苦しさから抜け出すヒントを与えてくれるかもしれません。

今回は、さまざまな悩みを解決するための心理療法のひとつ、認知行動療法についてご紹介します。

認知行動療法とは?

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認知行動療法とは、認知(意識)に働きかけて心のストレスを軽くしていく心理療法で、「認知療法」と「行動療法」が組み合わされたものです。

「認知療法」とは、「ある状況を見る視点はいくつも存在することを認識させるための療法」と言われています。

たとえば、コップに水が半分入っている状態を見たときに、「もう半分しかない」と思うか「まだ半分もある」と思うかで、コップの水に対する受け取り方は大きく変わります。「もう半分しかない」と考えると焦りやストレスを感じますが、「まだ半分もある」と考えると喜びや安心の感情になります。

物事を否定的に受け止めがちな人に対して、自分の考え以外にもいろいろな見方があることを自覚できるように援助するのが「認知療法」です。

「行動療法」は、乗り物などの恐怖症や爪をかむといった癖など、自分自身はもちろん周囲に指摘されるような後天的な原因による行動上の問題がある人に対して、その行動自体を変えるために行う療法を指します。

認知行動療法は、現在生じている問題に対して、認知や行動といった動かしやすい部分から少しずつ変えていくことで、問題の解決を目指していく心理療法です。気持ちが大きく動揺したり、辛くなったりしたときなどに頭に浮かぶ考えを「自動思考」と呼びますが、認知行動療法ではその「自動思考」がどの程度現実と食い違っているかを検証し、思考のバランスを取っていきます。

現在、認知行動療法は医師やカウンセラーのもとで受けられ、精神科や診療内科などで受ける場合は、一部の精神疾患では保険適用となっています。また、最近では働く人のメンタルヘルスにも利用され、企業でもさまざまな取り組みがなされるようになってきているようです。

認知行動療法の目的

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認知行動療法の目的は、ある出来事を認知(意識)したときに現れる思考や行動のパターンを自覚し、自分の気持ちをコントロールできるようにすることです。

認知とは、自分の外側で起こっている出来事に対する読み取り能力と言えます。

ある出来事に対して「嫌な気持ち」になったとき、起こった出来事と自分の考えを混同してしまうと、「嫌な気持ち」は起こった出来事のせいだと考えてしまいがちです。

しかし、実際は起こった出来事に対する自分の考えや、起こった出来事に対しての行動が「嫌な気持ち」という気分を決めているのです。

認知行動療法では、ひとつの出来事に対する考え方の癖を自覚することで、その考え方が妥当であるか、また有効であるかを検討します。ただ、決して今までの考え方を否定することはありません。

私たちは日々の生活の中で常にストレスやストレスに伴う悩みにさらされています。仕事や家庭でのストレスなどは、感じていても離れることのできない環境にあります。

自分の中にさまざまな感情や不安、絶望感などが襲い掛かってきても、通常であれば気持ちを整理する能力が備わっています。

しかし、ストレスを抱えているときや精神的に何らかの障害を持っているときは、心の変化が生じやすく、気持ちの整理を困難にしてしまいます。

認知行動療法は、うつ病やパニック障害、強迫性障害、不眠症、薬物依存症、摂食障害、統合失調症などの治療にも使われており、訓練されたカウンセラーのもとでしっかり取り組めば、十分な治療効果があると言われています。また、薬と作用の仕方が異なるため、投薬治療と組み合わせることで治療効果を高めることも可能です。

認知行動療法の効果やメリット・デメリット

認知行動療法を受けることによってどのような効果が期待できるでしょうか。メリットやデメリットもしっかりと理解しておきましょう。

認知行動療法により期待できる効果

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まず、自分にどのような感情の変化があるのかを考えられるようになります。

ストレスや悩みがあるときは、どうしても悲観的な思考になりがちです。認知行動療法では、私たちに本来備わっている主観的な判断ができるように働きかけていきます。

自分の思考や行動の癖を把握し、自分の認知・行動のパターンを整えていければ、生活や仕事上のストレスを減らしていくことにもつながります。

メリット・デメリット

まずメリットとしては、副作用がなく薬物治療と同じような効果を得られる可能性が挙げられます。

なかでも、うつ病やパニック障害、強迫性障害、統合失調症に対する治療効果に対しては、繰り返しその効果が確認されているようです。また、効果の持続時間の長さからみて、再発防止にも有効であると言われています。

デメリットとしては、効果が出るまで長期間かかることが挙げられます。認知や行動に働きかけるためには長期的な取り組みが必要となるので、即効性は期待できません。

認知行動療法でストレスを和らげる

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認知行動療法にはストレスを和らげる効果があるとされています。

ひとつの出来事があったとき、私たちは瞬間的にその出来事に対する考えやイメージを思い浮かべますが、通常はこの考えやイメージによってさらに気持ちが動いたり、行動を起こします。

悲観的でマイナスなイメージで物事を考えてしまう癖があると、その考えが自分を苦しめ、ストレスとなる場合があります。

コップに半分入った水について「もう半分しかない」と考えてしまうと、水がなくてのどがかわく自分をイメージして苦しくなります。認知行動療法を用いれば、つらいときに思い浮かぶ考えやイメージを、柔軟でバランスの良いものに変化させていけます。自分の悲観的でマイナスなイメージを客観的に捉えることができれば、ストレスを和らげるきっかけになるでしょう。

考え方ひとつでストレスを和らげ、つらい気持ちをラクにすることができる認知行動療法。

自分の考えを少し変えてみたいと思っている方は、選択肢のひとつとして覚えておいてはいかがでしょうか。

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