更新日 2024年05月13日 | カテゴリ: 自分を変えたい
「自己顕示欲とは何か?」「自己顕示欲をコントロールする方法を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
自己顕示欲は誰もがもっている人間の性質の一つですが、あまりに自己顕示欲が強すぎると、人間関係に悪影響が出る場合もありますよね。
今回の記事では、
自己顕示欲とは何か 自己顕示欲と自己愛性パーソナリティ障害について 自己顕示欲が強くなる原因 自己顕示欲の強い人の特徴 自己顕示欲を抑える方法 自己顕示欲が強い人との付き合い方
を解説します。
この記事を参考に、自己顕示欲が強くなる原因や自己顕示欲を抑える方法を理解すれば、より円滑な人間関係を築けるようになるかもしれません。
自己顕示欲とは、どのような意味の言葉なのでしょうか。また、自己顕示欲が強い人はどのような心理状態になっているのでしょうか。
自己顕示欲は、承認欲求の一種です。周囲の人々から注目されたい、認められたいという欲求のことを言います。それでは、具体的に見ていきましょう。
自己顕示欲は、承認欲求の一種であり人間の性質の一つなので、誰にでもあるものです。しかし、自己顕示欲が強い人は必要以上に自分の存在価値をアピールしてしまいます。
数人で話していても、人の話を聞かずに自分の主張を通したがったり、人の話を横取りしてしまったりするなど、会話の中心にいることを好みます。
認められたい、褒められたいという欲求が強いので、「私がやってあげました」「他の人に比べて、私はこんなに成果を出しました」など、場合によってはしつこいと思われるほどに、過剰なアピールをしてしまうこともあります。
自己顕示欲が強い人は「自分の存在を肯定されたい」「自分の価値を認められたい」という強い欲求をもっています。
他人が自分をどう思っているのか、とにかく人からの評価が気になり必要以上に自分をよく見せたくなります。その結果、自慢話ばかりしてしまい周りからは嫌がられてしまうことも。
自己顕示欲が強い人の中には、自己肯定感が低く自分に自信がない人もいます。自分で自分をアピールしないと、周囲の人々に認められないという考えから、過剰な自己アピールをしてしまうことがあります。
そのため、しばしば自己中心的な行動をとってしまうこともあり、集団の中で浮いてしまうことも少なくありません。
自己顕示欲と似た精神疾患に、自己愛性パーソナリティ障害があります。
強すぎる自己顕示欲を放置し続けると他にもさまざまな症状が現れ、精神疾患に発展してしまう恐れがあります。また、強すぎる自己顕示欲が、実は精神疾患だったという場合もあります。
自己顕示欲の強さに苦痛を感じたり悩んだりしている場合は、一度専門家に診てもらうことをおすすめします。
自己愛性パーソナリティ障害の患者は、自分の能力を過大評価する傾向にあります。自己愛が未熟な状態にあり、ありのままの自分を受け入れることができません。自分を特別な存在だと思い込み、それを裏付けるような行動をします。
周囲の人々からの評価に非常に重きを置いているので、賞賛や肯定を得るために、自慢などの誇大な言動を繰り返します。
一方、批判や敗北、屈辱的な対応をされることにも非常に敏感です。そのため、自分を批判されたりバカにされたと感じたりした場合には、怒りや軽蔑の感情が高まり、自分にダメージを与えた相手を攻撃することがあります。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴として、高すぎる自己評価の他に、他者への共感性の薄さが見られます。
自己愛性パーソナリティ障害の患者は、価値のある自分であり続けるために、自己中心的な行動をすることがあります。自分の目標を達成するために友人など身近な人を利用したり、自分の評価を上げるために相手をおとしめたりすることも。
また、周囲の人々と対等な関係を築くことが難しく、人の話を聞かず、傲慢で自分勝手な言動をしてしまいがちです。地位や名誉のある人に対しては付き合いを望み、自分も同じように価値のある人物だと思い込んだり、自尊心を高めるために利用したりすることもあります。
自己顕示欲が強くなる原因には、自分に自信がないことや、愛情が不足していることが挙げられます。
もともとの性格以外にも、ある出来事がきっかけで自己顕示欲が強くなってしまう場合もあるため、原因を知って自己顕示欲をうまくコントロールできるようにしましょう。
自己顕示欲が強くなる原因として、自分に自信がないということがあります。自分に自信がなく、認めることができないために、周囲の人々に評価されることで、自尊心や自己肯定感を満たしています。
自分が理想とする自己像と、現実の自分とのギャップに苦しみ、「影響力のある人だと思われたい」「特別な人だと思われたい」という自分の理想を叶えるために、自己アピールを繰り返すようです。
つまり、自信がないからこそ、自分でアピールしないと他者からの評価を得られない...と考えてしまいます。そして、褒められたり注目されたり、周囲の人々から肯定的な評価を得ることで、自分に自信をつけようとしているのです。
自己顕示欲が強くなる原因として、愛情が不足しているということもあります。
幼少期に愛情が不足したままで育つと、承認欲求が強くなる傾向があると言われています。努力したこと自体は褒められずに、一定の成果を獲得できた時のみ褒められるなど、条件付きの褒められ方をしてきた人は、ありのままの自分に自信を持てないことがあります。
「何か成果を出さなくては、周囲の人々から自分の存在価値を見出してもらえないのではないか」と、周囲の人々から評価されることでしか愛情を感じられなくなってしまうようです。
そういった考え方になると、何とかして周囲の人々に褒められたい認められたいと感じ、自己顕示欲が強くなることがあります。
自己顕示欲の強い人の特徴には、先述したように自慢話をすることや、常に話題の中心でいたがること、マウンティングをすることが挙げられます。こうした特徴を把握して、自分の行動を見直したり、自己顕示欲が強い人を見分けたりすることの参考にしましょう。
自己顕示欲の強い人は、自慢話が多くなりがちです。自分が周囲の人々から認められたいあまり、謙虚になれず自慢話を多くしてしまいます。
人の話を聞くよりも、自慢話や身の上話をすることを好み、ときには人の話を奪って自分の話に持っていってしまうこともあります。
また、過去の自慢話を何度も繰り返したり、より評価を得るために事実よりも話を盛ってしまったりと、自己顕示欲の強い人は自分の話をしたがるという特徴があります。
自己顕示欲の強い人は、常に話題の中心にいたがります。
自己顕示欲が強い人は、共感性や協調性が薄い傾向にあります。そのため、人の話に興味が持てず、聞いていてもつまらなく感じてしまいます。また、自分よりも目立つ人や賞賛されている人がいると、不服を申し立てることがあります。
また、「人が評価されるということは、自分はその人より劣っている」と感じ、相手の評価を下げるようなことを言ってしまうこともあるので、注意が必要です。
人の注目を集めることで自己顕示欲を満たしているので、自分が常に話題の中心にいないと気が済まず、人の注意を引くための自己中心的な言動をしてしまうのです。
自己顕示欲の強い人は、マウンティングをすることがよくあります。マウンティングとは、対人関係において、自分の方が相手よりも優位であることを示そうとする行為のことです。
マウンティングの内容は、自分の恋人や配偶者の年収、持っているバッグのブランド、自分の勤めている企業の規模など、さまざまです。そして、人がどんな話をしていても、途中で話に介入しては「自分の方が優れている」という話に持っていこうとする傾向にあります。
また、マウンティングをする人のなかでも特に注意が必要なのは、人をおとしめて自分を高く見せようとするタイプです。自慢話をするだけならまだ良いのですが、人をおとしめる行為は人間関係の悪化にもつながります。
それでは自己顕示欲は、どのようにして抑えればよいのでしょうか。自己顕示欲を抑える方法には、自己肯定感を高めることや、人と比べるのをやめることが効果的です。
自己顕示欲が強すぎると、過剰な自己アピールによって、周囲の人々の気分を害してしまうことがあります。そのため、強すぎる自己顕示欲を抑えられるようになると、より円滑な人間関係を築くことができるかもしれません。
自己顕示欲を抑えるには、自己肯定感を高めることが必要です。
自己顕示欲が強い人は自慢話をよくするので、常に自信に満ち溢れているようにも見えますよね。しかし実際は、自己肯定感が低く自信がないので、周囲の評価で自信を得るために自慢話をしてしまう場合もあります。
自己肯定感を高めるには、まずはありのままの現状を認めましょう。そして、他者評価ではなく自己評価を、そして自分の評価基準にすることが大切です。周囲の人々にアピールしなくても、自分で自分を褒めることを習慣にしましょう。
自己顕示欲を抑えるには、人と比べることをやめましょう。
自己顕示欲が強い人は、自分が話題の中心でいることや自分が人より優位に立つことを好みます。そのため、常に人と自分を比べてしまうのです。
特にSNSでは、良い場面だけを切り取って投稿している人がほとんどなので、キラキラした投稿をしている人をみて、自分が劣っているように感じてしまうことがありますよね。
「認められたい」「注目されたい」というのは、誰もが持っている感情です。しかし、SNSの世界にのめり込んで、現実を見られなくなってしまうと過剰に人と自分を比べてしまうことになります。
できるだけSNSを見る時間を減らすなどして、自分と向き合う時間を増やすことが、自己顕示欲を抑えるのに効果的です。
自己顕示欲が強い人が職場や仲間内にいると、対人関係がうまくいかないことがあります。もし、周りにそういった人がいた場合、どのように付き合っていけばよいのでしょうか。
付き合い方のポイントとして、否定しないこと、頼りにすることが挙げられます。相手を刺激することなく接し方を工夫することで、うまく付き合えるようになるでしょう。それでは詳しく見ていきましょう。
自己顕示欲が強い人の話は、否定せずに聞き流しましょう。
自己顕示欲が強い人は、自分が批判されたり屈辱を感じさせられたりすることに敏感です。そのため、反論したことで、相手が逆上してトラブルに発展してしまうことがあります。それを避けるためにも、自己顕示欲が強い人を否定するような言動や行動はやめたほうが賢明でしょう。
自慢話やマウンティングをされたとしても、それに対して反論するのではなく、聞き流すことを意識しましょう。相手の話を真に受けず「こういう人なのだな」と冷静に接することで、相手も自分もストレスなくコミュニケーションを取ることができるかもしれません。
自己顕示欲が強い人は、頼りにされることで自分は評価されているように感じます。
プライドが高いので、何かを頼むときは指示をするというよりは「頼りにしているから」とお願いをするようなかたちで依頼をするとよいでしょう。このように、頼み方を工夫することで、職場でもお互い気持ちよく仕事をすることができます。
また自己顕示欲が強い人から何かをしてもらった場合は、感謝や賞賛の言葉を送ってみるのも良いでしょう。感謝の気持ちをしっかり表し、どんどん頼りにすることで、喜んで協力してくれるはずです。悪い意味ではなく「うまく利用する」というつもりで付き合うと、振り回されず気持ちも楽になるかもしれませんね。
自己顕示欲が強い人にはよくないイメージを抱くこともあるかと思いますが、上手に接することで円滑な人間関係を築くことができるかもしれません。
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