【導入前に知っておこう】50人以上の事業所で義務化されるストレスチェック

更新日 2024年08月21日 | カテゴリ: ストレスに対処したい

50人以上の事業所で義務化されるストレスチェックとは

厚労省は、メンタルヘルスに取り組む事業所の割合を、2017年度までに80%とすることを目標としていますが、(2012年度では47.2%)その取り組みの一環として、昨年6月に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律によ り、ストレスチェック制度が導入されます。

従業員50名以上の企業に義務化されました。(50人未満の事業所については当面の間「努力義務」)実施は2015年12月からです。

どのようにストレスチェックするかというと、厚労省が推奨しているのは従来か らある「57項目の質問から成る職業性ストレス簡易調査票」によって、疲労、不安、抑うつ状態、食欲・睡眠状態、仕事環境などに関する質問に回答する方式によるものです。

一定以上の数値が出ると「高ストレス状態」にあるという判定が行われますが、全体の10%程度にあたる高ストレス状態の人たちを発掘するという設計になっています。

高ストレス状態に該当するという人たちは医師の面接指導を受けるように勧められます。

この点は、現在の安衛法66条の8で定められている、長時間労働者への医師による面接指導の実施と同じような取り扱いです。

ストレスチェックに対する賛否両論

従業員にはストレスチェックを受ける義務はなく、受けなくても不利益はありません。また結果については本人に直接伝えられ、本人の同意なしには会社側に知らされることはないよう情報管理には十分な配慮が行われます。

このストレスチェック制度の導入にあたっては色々な議論があったようです。ポジティブな意見としては

①個人の気づきを通じて職場ストレスの啓発に役立てる
②職場単位の環境改善に結 びつける
③自社のメンタルヘルス対策全体を考える機会とする

などの意見があった半面、ネガティブな意見としては

①スクリーニングの精度や効果の不明確さ
②十分な対策(資源)が未整備
③対応する産業医や専門医のリソースの不足
④判定への不合理なレッテル
⑤不調への差別 や偏見の助長
⑥多くの事業場で事後措置が不十分である可能性
⑦費用対効果の根拠が不明確なのに負担を強いられる

などという意見があったようです。

大事なのはチェックではなくフォローアップ

いずれにしても大事なのは、ストレスチェックの実施後のフォローアップ、従業員が相談しやすい環境づくりです。ストレスチェックの結果通知を受けた従業員が相談しやすい環境、体制が整備さ れていないと、面接希望を出す従業員は少ないことも予想され、従業員が気軽に 相談できる社外相談窓口があることが望ましいと考えられます。

海外では以前から広く知られていますが、メンタル面から社員を支援するプログラムとして「EAP (Employee Assistance Program)」というものが普及してい ます。職場の複雑な人間関係などによってかかるうつ病などを回避させるために 企業が外部団体と契約して社員の心の健康をサポートするシステムです。

ストレスって何?

「ストレス」という言葉は、元々は、材料力学上の言葉だそうですが、メンタルヘルスの世界では、ハンス・セリエというカナダの生理学者が唱え出した「ストレス理論」が広く定着して誰もが使いだしたものなので、北米発の言葉です。

セリエは、ストレスの生理的現象を、ストレッサーに対する防御反応として、警告反応期→抵抗期→疲弊期という経過を経ていくものとして説明しましたが、確かに、ストレスという言葉は北米でも普通に使われている言葉だと思います。

ずっと昔アメリカで駐在していたときのことですが、現地の会社が元従業員から訴えられ、人事の責任者として私がアメリカのコネチカット州の裁判所に召喚さ れたことがあります。そのとき、元従業員から最初に出てきた言葉が「仕事のストレスによって具合が悪くなった。」というものだったし、その時の裁判官は、 「ストレスなんか、誰にでもいくらでもあるんだ。」と言って取り上げませんで した。

確かにストレスは誰にでもあるもの。だからこそ、どう扱うかが大事なのです。

終わりに

誰もが使っている「ストレス」を取り上げて、最近の話題としてのストレス チェック制度と、ストレスという用語についてお話ししました。

「ストレス状態が高いとか良くない」とか言いますが、ストレス状態は、「ストレッサー」+「その人の受け取り方(抵抗力、人生観、価値観など)」が決めて いくものなので、ストレス状態を良くするためには単純に考えて、「ストレッサーを減らす。」か「自分の受け取り方を良くする。」ことがポイントだという ことになります。

人生を振り返って考えてみればストレッサーは誰にでもいくらでもあると思いま す。ストレッサーを減らすために色々な努力・工夫をしていかなければなりませ んが、いたずらに心と体を動かしたり、むやみやたらに「ストレッサー」をのの しっているよりは、ふと自分を振り返って「自分の受け取り方を良くする」方 が、状態を良くしていく近道だという場合が多いのです。


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