仕事で怒られて「落ち込む人」と「落ち込まない人」の違いとは?

何か出来事が起こったときに憂うつになったり、不安になったり、落ち込んだり、気分に変化が起こることがありますね。

気分を上げたい!と思っても、上げようと思って上がるものでもなくて、どうしたらいいかわからなくなることがあるかもしれません。

出来事と気分は別のもの

実は「出来事」は、気分と直接つながっているわけではありません。

出来事(仕事でミスをして怒られた)→気分(落ち込む)

というのは、直接つながっているようでいて、そうではありません。その証拠に、人によっては怒られてもケロっとしている人もいるわけです。

つまり、「出来事」と「気分」の間には、「人によって異なる何か」が存在しているはずなのです。

それを心理学の世界では「自動思考」と呼びます。

自動思考って何?

自動思考とは、その人によって持っているスキーマ(考えの処理の偏り)によって、自動的に偏った考えが生まれることです。具体的に見ていきましょう。

仕事で落ち込む人、落ち込まない人

仕事でミスをして怒られたときに、落ち込んでしまう人は

・またやってしまった
・ダメなやつと思われているにちがいない
・自分はいつもこうだ
・自分はだめな人間だ
・また怒られるのが怖い

という「自動思考」によって、落ち込んでいます。決して「怒られた」という事実に直接落ち込んでいるわけではありません。

逆に、怒られてもケロっとしている人は

・人間だから失敗もあるよね
・次はがんばろう
・忙しくて疲れているのかもしれないなぁ
・次ちゃんとするためにはどうしたらいいかな

と前向きに考えることで、「落ち込む」というプロセスを経ずにすんでいるのですね。

必ずしも「なんとかなるなる」と楽観的に考えよう!ということではありません。ただし、失敗したときに「自分はだめだ」という考えは、中立的ではない、偏りのある考え方であることを認識する必要があるのです。

そこで、「何か他の考え方はないだろうか?」と考えることが、「怒られた」というできごとを「落ち込む」につなげずに、より良い明日以降につなげるために大切なことです。

あなたは上司に怒られたから落ち込んでいるのではありません。

あなたが「怒られた」という事実から生まれた「自動思考」で落ち込んでいる、ということを知っていれば、「怒られるのが怖い」とびくびくしなくてもよくなりますよ。

いつも悪いことがあると落ち込んでしまう……という人は、「自分はだめだ」「もうおしまいだ」という「自動思考」をしている自分に気付いて、「起こってしまったことは仕方がない、もっと良くするにはどうしたらいいかな?」という思考をする癖を身につけるだけで、ずいぶん憂うつさや自分の対処方法が変わってくることに、気がつくと思いますよ。

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