ないものねだりの心理:SNSでの嫉妬の感情が教えてくれること

更新日 2024年10月30日 | カテゴリ: もやもやする

facebookのタイムラインを見ていると、自分以外のみんながとても楽しそうにしている気がして「どうして自分は……」と考えてしまうことはありませんか?おいしそうな食事。楽しそうなデートの話。会社での活躍の話や、すごい人とのつながりの話。

そんな投稿を見ながら「何でみんなあんなに輝いていて、自分はこんなに苦しんでいるんだろう……自分はなんてだめなんだろう」と感じてしまったことがある人も多いのではないでしょうか。「あんな風に自分のリア充投稿を見せびらかすなんて、ろくなやつじゃない」と考える人もいるかもしれませんね。

facebookユーザーの1/3が感じる「嫉妬」

facebook上で嫉妬を感じてしまうのは決してあなただけではありません。ドイツでの研究によれば、facebookユーザーの36%は、facebookのタイムラインを見ながら嫉妬などのネガティブな感情を持ち、不愉快になることが「ときどき」あるいは「頻繁に」あるといいます。

facebook上で嫉妬を感じているユーザーは、抑うつ状態に陥りやすいという研究結果も出ており、facebookにおける嫉妬が精神的健康に与える悪影響も証明されているのです。

けれど嫉妬を感じてしまうものは仕方ない……一体どのように考えれば良いのでしょうか?

嫉妬の感情は「自分が欲しいもの」の表れ

人はなぜ嫉妬してしまうのでしょうか。「嫉妬」の感情は、相手が持っているものを「欲しい」という気持ちや、自分が持っているものを「奪われてしまうのではないか」という怖さから生まれます。

つまり、自分が嫉妬しているときには「自分が今、何を必要としているのか。何を大切にしているのか」ということに気づくことができるのです。

嫉妬の感情に気づいたときには、嫉妬している自分を遠くから見つめるイメージを持って「あぁ、今自分は、この人のこんなところに嫉妬しているんだな。こんなことを必要としているんだな」と受け止めてあげましょう。

自分が持っている嫉妬の感情を否定しようとすると、その感情は別のマイナス感情に転じてしまいます。代表的なものは、「相手に対する嫌悪感」や「自分自身への嫌悪感」です。

「あんな風にfacebookで自慢するようなやつは軽蔑する」あるいは「自分はだめなんだ」に転じてしまうのです。どちらも、あまり生産的な思考ではありません。

嫉妬は決してマイナスの感情ではありません。まっすぐ受け止めることができれば、それをエネルギーにして、もっと理想的な自分のあり方に近づくことができるのです。

比較は憂うつのもと、一緒に喜んであげよう

なぜ他人の幸福は憂うつな気分につながるのでしょうか。facebookには「比べる」材料がたくさんあり、嫉妬を抱く人は自然に他人と自分を比べています。「比較」は嫉妬のもと、嫉妬は憂うつのもとです。

冷静に考えると、人の人生と自分の人生を比べる必要はありません。いいときもあれば悪いときもある。人によってその時期が異なっているだけのことです。

また多くの場合、facebookでリア充投稿している人は、それが「とても嬉しかったから」「人に知って欲しいから」投稿しているのです。その人の人生が常に素晴らしいからではありません。喜んでいる人がいれば「良かったね!」と一緒に喜んであげられる人でありたいですよね。

逆に嫉妬されている可能性も知っておこう

逆に、自慢するつもりはなくても誰かに嫉妬されてしまった、というケースもあるかもしれませんね。それが原因でいじめにあったり、陰口を叩かれてしまったり。自分では「普通のこと」と思って投稿をしていても、その「普通のこと」が欲しいけれど手に入らない人にとっては、それは嫉妬の対象になります。他人の嫉妬をコントロールすることはできませんから、SNSでの自己開示のときには「嫉妬を生むかもしれない」という覚悟は必要なのかもしれません。

嫉妬しているときには、「自分が持っている大切なもの」「ありがたいこと」にも気づいていないことが多いものです。自分が持っていないものばかりが頭を占めてしまい、自分が持っていて人が持っていないものには鈍感になっているのです。

嫉妬の感情を抱いたときには、自分が持っていないものばかりに注目するのではなく、「自分が当たり前に持っているもの」に感謝する習慣もつけていきたいですね。

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