4つの疑問形、どれをよく使う?「会話下手」から脱却するコツとは

更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

「知らない人と話をするのが苦手で…」「知り合いになっても、なかなか相手と仲良くなれない」

こんな悩みを持っている人の数は非常に多いと言われています。

初めての人や知り合ったばかりの人、これから距離を縮めていきたい人との会話で重要になってくるのが「Q&A」(質問と回答)。

相手がどう感じるか知りたがり、そして自分がどう感じているかも教える…このような「お互いの自己開示」が心の壁を取り去り、親しさを産んでくれます。

しかし、ここで大切なのが「どんな疑問形を使うか」です。
ここではどんな疑問形を使うのが効果的なのかを、得点形式などを交えて紹介していきます。

1. 「はい」「いいえ」で答えられる質問→5点

今回は会話の例として「映画」の話題を取り上げてみます。

「映画は好きですか?」

「アクション映画は好きですか?」

このような「はい」か「いいえ」でしか応えられない会話をいくら続けても、会話は発展をしてくれません。
選択肢が少ない疑問形のことを、心理学では「クローズド・クエスチョン(閉塞した疑問)」と呼んでいます。

クローズド・クエスチョンを問いかけれた相手側は、よほど相手が「話そう」としている人では無い限り、そこで回答を終えてしまうのです。
また繰り返されるクローズド・クエスチョンは、どこか「問い詰める」や「取り調べ」のような感じがしますね。
反復されるクローズド・クエスチョンは相手にストレスを与えます。

もちろん会話の最初にこのような疑問形を使うことはありますが、何度もクローズド・クエスチョンを用いるのは避けた方が良いでしょう。

2. 「どこで」「なにが」となる質問→20点

「映画はどこで観ることが多いですか?」

「どんな映画が好きですか?」

「最近おすすめの映画はありましたか?」

「どこで」(Where)や「なにが」(What)を使う疑問形は、「はい/いいえ」にしかならない疑問形よりもかなり回答に広がりを見せることになります。
相手も回答に対して少し「回答を考える」ことになりますね。

「どんな映画が私は好きだったかな?」
「どこで観ることが多かったっけ…」

回答を考える分、相手はあなたとの会話に集中し、興味を持つことになります。
またより相手の情報が開示されやすくなる上、それに対するあなたの感想や共感も示しやすくなるのです。

3. 「どうして」「どうやって」「どんな」となる質問→70点

「その映画、どんなところが好きですか?」

「映画に詳しんですね。どうやって情報収集してるんですか?」

「どうやって」(How to)や「なぜ」(Why)といった質問は、さらに選択肢の広がるオープン・クエスチョンです。 回答の選択肢はより一層に広がり、会話が続きやすくなります。
また相手の習慣や考え方、物の感じ方などの情報をより一層自己開示してもらえることにもなりますね。

ただし初対面の場合や、まだ親しさが少ない場合、唐突にオープン・クエスチョンが入ることで答え方に相手が戸惑ってしまうこともあるでしょう。
こんな時には、「自分はこの映画のこういうところが好きなんですが、あなたはどんなところが好きですか?」と「解答例」を先に示すという手もあります。

相手が回答を出しやすくなるだけでなく、相手に対して質問をしながら自分の情報も開示できるというテクニックのひとつです。

4. 「はい/いいえ」を強制していたり、どんな回答でも正解にならない質問→0点

「すいません、こんな会話じゃつまらないですよね」

「●●さんと話した方が楽しいんじゃないですか?」

こんな質問をされて「はい」と答えられる人はいませんよね。
質問をした側も、実際に「そうですね」と肯定されたら、ムッとするのではないでしょうか。
このような質問は「いいえ」と答えて欲しいというだけの「選択肢がひとつしかない」質問。
クローズド・クエスチョンの最たるものの一例です。

また例えばSNSやメールなどで「どうして返答してくれないんですか?」と言った疑問形を呈するのもNG。
このような質問をしている側は、どんな回答が来たところでそれに心から納得することはありません。
つまり「正解が無い質問」ということになります。
選択肢はひとつどころか「ゼロ」ですね。

選択肢が無い質問、正解がない質問は、回答する側の相手の心をどんどん追い詰めていきます。
相手との距離を本当に縮めたい、関係性を良くしたいと思うのであれば、このような質問は避けた方が賢明です。

おわりに

クローズド・クエスチョン、オープン・クエスチョンがもたらす心理的効果は、直接会って話をしている場合だけではなく、例えばSNSでの会話などインターネット上での会話にも影響をもたらします。
初めて会った人やこれから仲良くなりたい人には「選択肢の広い質問」を投げかけることを意識してみましょう。

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