人間関係を良くするためのコミュニケーション:伝え方編

更新日 2024年05月13日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

「良い伝え方」と「良い話し方」は、似ているようで違います。

相手にが聴きやすい話し方を心がけることとは別の次元で、相手にわかりやすい伝え方をする必要があるのです。ここでは、自分が伝えたいメッセージを相手がしっかりと受けとめてくれるような「伝え方」についてご紹介します。

1. 対話のゴールを考える

何かを「伝える」ときには、伝えたいメッセージがあり、それを元に相手に何らかの行動を起こしたり、気持ちに変化を起こしたいことが多いはずです。

「これを伝えよう」というときには、「これを伝えたあと、相手にどんな気持ちになってほしいだろうか?」と考えるようにしましょう。

相手を怒らせたいと思っている場合には別ですが、相手に手伝ってほしいとか相手の行動を引き出したい、という場合には「相手が気持ち良く行動できる」ような空気づくりも対話の一部です。対話の最後の場面の理想的なイメージを、まずは膨らませてみましょう。

2. 相手の立場になって想像力を働かせる

この対話が終わったときにこんな風になってほしい、というのが明確になったら、次は、相手の立場になって伝え方を考えます。

相手はこんな風に考えるだろうから、こんな伝え方をすれば、思い通りのゴールにつながるだろう、という想像力を働かせるのがコツです。プライドが高い相手なら、プライドをくすぐる言い方で。理論的な相手なら、数字や事実を多く交えて、など、相手が大切にしている価値にアピールできるような伝え方を心がけましょう。

3. 相手の価値を認めてあげる

人は誰もが「認めて欲しい」という気持ちを持っています。自分の価値を認めてくれる人に対して好感を持ちやすく、メッセージを受け止めやすくなるのです。逆に、自分の価値を認めてくれない人に対しては反発を抱き、その人の言うなりにはなりたくないと感じてしまうものです。

ですから、「いつもがんばってくれてありがとう」「あなただから話すんです」とか「あなたを信頼しているから、お願いするんです」など、その人のやってきたことや行動の価値を認めてあげることで、あなたに対して作られている壁が取り払われやすくなり、お願いや要求も受け入れられやすくなります。

4. 主語を「私」にし、一般化を避ける

例えば夫婦でコミュニケーションをするとき「お前はなんでいつもそうなんだ」「あなたは神経質すぎるのよ!」などと、「あなたは○○である」「いつも○○である」という伝え方をすると、相手は人格そのものを責められているような気持ちになったり、自分の全てを否定されているような気持ちになり、反発が起こります。

相手に何かを伝えたいときには、「もう少しがんばってくれると、私はうれしい」とか「私は今仕事で疲れがたまっていて、あなたが掃除をして欲しい気持ちはわかるけど、明日にしてもいいかな?」と「私は」を主語にし、具体的な事実を述べるようにすると、反発が起きづらくなります。

5. 押し付けや忠告、相手を批判する言い方をしない

アドバイスや批判は、心から相手のためを思っていないのだとしたらただの自己満足です。もし心から相手のためを思って「相手に考えを変えてもらいたい」「相手に特定の行動を取らせたい」という意図があるとしたら、批判や忠告のような言い方は、逆効果になりうることを知っておきましょう。

「あなたは間違っている」「これが正しい」「あなたはこうすべきだ」と言われて気持ちの良い人はいませんね。 「その方法を取ったら、○○はどうなるのかな?」「私は○○がいいと思うけど、どうだろう?」など相手に自然と気づきを生んだり、中立的な意見を伝えるような対話の仕方を心がけるのが良いでしょう。

おわりに

対話のゴールを考え、相手の立場に立ち、相手を尊重しながら、反発の起きない言い方で、あなたが伝えるべきことを伝える。これが基本原理です。「伝える」と「主張する」は違います。「主張する」だけなら、相手がどう思おうと、自分の感情や考えを伝えれば良いことですが、「伝える」場合には、相手がそれを理解し、行動につなげてくれることが大切なのです。

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