人間関係を良くするためのコミュニケーション:トラブルへの対応編

更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

人間関係にトラブルはつきものです。

ふたりの人間がいれば、今ある場所や価値観、目指している方向が違うのが当たり前で、その二人がある一定の事物について合意を得ようとするのであれば、衝突があって当然のことなのです。

だからこそ、そのような衝突が起こったときにどう対応するかが、良い人間関係を築くためには重要なことなのです。 ここでは、他人との衝突が起こったときの対処方法の種類についてご紹介します。

問題解決をしようとしない:回避

奥さんに家事をやってほしいと思っているのに、言うと機嫌が悪くなるから言わない。
上司の言っていることは理不尽だと思うのに、怒られるのが嫌だから我慢する。

このようなケースが、トラブルからの「回避」のパターンです。自分の不満や不信感から目を背け、トラブルの原因に正面からぶつかることから逃げています。

このような対処方法をすると、一時的には問題はなくなったように見えます。「自分が我慢すればいい」「言っても仕方ない」「怒らせたくない」などの理由をつけて、回避を正当化し、その場は収まります。

しかし、これは本質的な問題解決から逃避しているので、相手が奇跡的に変わらない限り、問題はずっとその場にあり続けるのです。その都度あなたは不満や嫌な感情を持ち続け、ストレスとして蓄積してきます。また、問題を解決しようとしないので、再び似たような場面に出くわして、ストレスを溜めるというパターンを繰り返す可能性が高いでしょう。

どう考えても問題解決が難しいケースでは、回避を選択するしかない場面もありますが、問題解決を先延ばしにすることで、自分自身にストレスをかけ続けてしまう結果になり得るのです。

人間関係で同じようなパターンを繰り返す人は、この回避傾向がある結果、いつまでたっても問題解決能力が身につかないのが原因かもしれません。

自分の意見を通そうとする:攻撃

友達の言い分に聞く耳を持たず、言い争いの喧嘩をする。
子供に対して、一方的に「だめでしょ!」と叱りつける。

このように「攻撃」のパターンでは、自分の考えを主張し、相手の都合を考えず意見を通そうとします。声を荒げたり、暴力的になったり、威嚇したりしながら、自分の正しさを主張しようとするパターンです。この場合、相手も「攻撃」に出ると延々と自分の主張を通そうと言い争いになってしまいますし、逆に相手が「回避」の態度に出ると、ストレスを抱えてあなたとの人間関係に苦手意識を持ってしまうことでしょう。

必ずどちらかが「敗者」になりますし、そのときは何かを勝ち取ったとしても、その後の人間関係にはマイナスの影響を与えてしまう方法です。

相手も大事、自分も大事:アサーティブ

相手の意見と自分の意見との妥協点を探って、二人とも納得のいく解決策を探る。

これが、トラブル場面での基本的な考え方でもある「アサーティブ(主張的)」な態度です。

まず、相手の意見をしっかりと聞き、理解し、受け入れる。その上で、自分が考えていることを伝えます。相手にあなたの意見をきちんと伝えることで、相手は自分の主張が妥当なのか、検証することができ、必要であれば妥協することもできるようになります。

ここで大切なのが、「攻撃的に主張しない」ということです。

人は攻撃されると防御したくなります。「君の考えは間違ってる」と言われると「違わない」と言いたくなるものなのです。そうではなくて、自分はこう考えている、ということを中立的に伝えることが、相手に自分の意見を受け入れてもらいやすくするコツです。

また、何かをしてほしいときにも「こうしろ」と命令されると反発したくなります。「こうしてもらえると嬉しいです」「してもらえると助かります」などの表現を用いることで、相手の反発の気持ちを抑えることができるのです。

ふたりの人間がいるのですから、ふたつの意見が存在して当たり前。場合によっては二人ともの意見が通るとは限りませんが、ふたつの意見を並べることで、新たな気づきがあったり、次につながる問題解決や妥協策が見つかったりするのです。

おわりに

「逃げる」「攻撃する」「両方大事」。今度人間関係でトラブルがあったときには、「逃げる」「攻撃する」のパターンに陥っていないか、まずは考えてみましょう。そして「両方大事」のパターンで、なんとか相手を攻撃せずに、自分自身の希望を伝え、取り入れてもらう方法はないか、前向きに考えてみましょう。こうして問題解決にまっすぐ向かい合うことで、人間関係のスキルは成長していきます。人間関係でトラブルを抱えた場面は、問題解決能力を身につけるチャンスなのです。

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