自分や周囲を「型」にはめていませんか?ステレオタイプから抜けだそう

更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい

「男っていつもこうだよね」

「あの人はA型だからマジメなんだよ」

…このような発言は様々なシーンで出てくることがありますよね。
私達はついつい、他人や自分をなんらかの「型(カタ)」にあてはめて考えてしまいがちです。

これらの物事・人物を何らかのカタチにあてはめて考える「カタ」のことは「ステレオタイプ」と呼ばれています。
実はこの「ステレオタイプな考え方」が、対人関係でマイナスとなったり、自分を苦しめてしまうこともあるんです。

ステレオタイプから抜け出すために、まずは「自分がステレオタイプな考え方になっていないか?」と振り返ってみましょう。

1. 様々な形がある「ステレオタイプ」

まずはよくありがちなステレオタイプについて一気に挙げてみましょう。

・女は家事をするものだ
・男は強いものだから泣いてはいけない
・アメリカ人はジョークが好きだ
・医師は金持ちだ
・ふくやかな人は優しそうだ
・メガネをかけた人はマジメ
・AB型には変わった人が多い
・●●県の人は意地が悪い

いかがでしょうか?
とても範囲が広いですよね。
代表的な存在としては「性別」や「国籍」「生まれた土地」と言ったものがステレオタイプの対象になりがち。
また学歴、職業、体型や、趣味などもステレオタイプにあてはめられがちです。
日本で非常に顕著なステレオタイプとしては「血液型」が挙げられるでしょう。

上記に挙げたものはごく一例であり、実際には私達は驚くほど多くのステレオタイプな考えに囲まれています。
そしてなぜか、それを「絶対的に正しいもの」と捉えてしまうこともあるのです。

2. なぜ「ステレオタイプは正しい」と思ってしまうの?

上記の例を見て、「でも、合っている(正しいと思う)ものもあるよ」と感じた人は要注意。
例えば「AB型には変わった人が多い」という「血液型占い」で考えてみましょう。

「実際、AB型には変わった人が多かった」と感じる人もいるかもしれませんね。
しかしこれは私達の情報を取得する状態が偏っているから、そう感じるものなのです。

「あの人はAB型だ」と聞くと、私達は自動的にその人の「変わった部分」に着目し「なるほど、AB型だから変わっているんだ」と納得します。
でもこれ、例えば「実は検査が間違いでA型だった」と言われたらどうでしょうか?
「そう言われるとマジメな部分もあるよね」と考えたり、数が多い血液型であることから興味を失い、「認識が間違っていた」という情報を隅に押しやってしまうのです。

このような情報取得の偏り、検証の際に「正しいと感じられる情報」ばかりを集めることを心理学では「確証バイアス」と呼んでいます。

繰り返し「認識が正しいと思える情報」だけを取得しては「やっぱりそうだ、間違いない!」と「誤った確証」をしてしまうわけなのです。

ちなみに本コラムでも「男性の考え方にはこのような傾向がある」という話はしていますが、「男性すべてがそうだ」と述べているわけではありません。
この「傾向がある」と「全てがそうだ」という認識の違いは、些細なようで非常に大きなものとなります。

3. ステレオタイプはなぜ良くないの?

現在、ステレオタイプ的な考え方に頼る人の数は増えているとも言われています。
なぜこんなに情報が多く、色々な立場の見識を知る機会が増えているのに「型」にはめよう、はまろうとするのでしょうか?
これにはインターネットの発達により、情報が増えすぎて「知らないことが多すぎる状態」になっているからとも考えられています。
情報を早く取得し「わかったつもり」になるには、型にはめてしまうのが最もラクなのです。

しかしステレオタイプ的なものの考え方が最終的に生むのは「偏見」であることには注意しなくてはなりません。
偏ったバイアスによって情報を取得しつづけた人は、もはや「確信」と言ってもよいほどのステレオタイプ的認識を持っていることがほとんど。

そのため周囲に対しても「これが正しいのだ」とステレオタイプの押し付けを始め、人間関係を悪化させてしまうことも少なくありません。
ステレオタイプ的なものの考え方が様々な「ハラスメント」を生み出すこともあります。

4. 自分を「型」にはめてしまうことも

ステレオタイプに頼りがちな人は、「自分」に対してもなんらかの「型」に入れていることがあります。
しかしそのほとんどは、ステレオタイプのうちで「自分に都合の良い部分」だけを受け入れているのです。

「末っ子だからワガママなんです」という人は、「だからワガママな自分でも良い」という許しを自分に与えるために、敢えてそのステレオタイプを好んでいるわけですね。

ただし場合によっては自分を「あるべき型」にあてはめようと考えてしまいすぎる傾向もあります。

例えば「男らしい男でいなくてはならない」「主婦なのだから家庭的でいなくてはならない」なんていうのも、自分に対する偏見の押し付けです。

当然ながら人間はそれぞれが異なる個性を持つものであり、「型どおり」なんてことはありません。
そこに無理に自分の人格を押し込んでいるわけですから、ある種の無理、ストレスが生じます。
この「自分が型通りでなくてはならない」というストレスが、「周囲も型通りであるべきだ」という押し付けに転じていることもあるのです。

おわりに

私達は多かれ少なかれ、なんらかの「ステレオタイプ」的な考え方を持っているものです。
しかしその「型」に気づき、「無理にあてはめなくてもいいんだ」と感じることがステレオタイプからの脱却の一歩となります。
偏見のメガネを外してものを見た時、あなたの世界は大きな広がりを見せるはずです。

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