更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
過食症・拒食症・過食嘔吐などの摂食障害-これは、だれもがかかり得る現代病のひとつといえるかもしれません。もしあなたの気遣うだれかが摂食障害に陥っているなら、あなたはその人を助けたいと思っておられることでしょう。
摂食障害の渦中にいる人はちょうど自分ひとりで、地図も持たないまま迷路に入り込んでしまって、出口がいったいどこにあるのか、いつそこから出られるのか、そもそも本当に出られるのかが分からなくなってしまう状況に似ているといえるかもしれません。そして迷路に長くいればいるほど、そこを出ようとするときの苛立ちの気持ちや混乱は募ってゆきます。
ひとりで抜け出すことのできないこの状況において大切なのは他の人による助けです。
実際に摂食障害に陥った人を助けたいと思うあなたに役立つ幾つかの点を考えてみましょう。
子どもや配偶者、または友人が摂食障害者であるという事実を受け止めるのは簡単なことではありません。摂食障害者には一般的にそれを隠そうとする傾向があるからです。
それでも、「自然に治ることを期待できない」この摂食障害に陥っているその人に、話しかけ、問題に注意を向けるのが早ければ早いほど、当人の回復の見込みは高まります。
まず、摂食障害と思われる人に話しかける前に、話す事柄と話すタイミングをよく考えましょう。あなたが落ち着いていて、そして何かのことで邪魔が入らないようなタイミングを見計らってください。
恐れを抱かせてしまうような間違った近づき方をすると、助けたいその人とのコミュニケーションが阻まれてしまうことになり、かえって事態を悪化させてしまいかねませんので注意したいところです。
摂食障害と思われる人と話すときには、できるだけ批判的にならずにはっきりと話すようにすることも大切になってきます。
例えば
「なんだか細くなった気がするの。服がなんとなくぶかぶかに見えるんだけれど、そんなことないかなぁ……」
または
「あなたが嘔吐してたところを見てしまったの。話しづらいと思うんだけど、力になりたいと思っているの。よかったら話してもらえないかな……」
などと尋ねてみることができるかもしれません。
自分の何かをとがめられているのではないということを理解してもらえるなら、または感じてもらえるなら、それはその人の心の中に安心感を生み出す助けになります。
または、当人に手紙を書くこともできます。自分たちが心配していること、力になりたいと思っていることをそのようにして伝えるのです。
目指すべきことは、見てみないふりをするのではなく、「問題に注意を向ける」ということです。
摂食障害者のほとんどが完全主義の傾向を持っているといわれています。いわゆる「失敗した経験」があまりないのです。
誠意からでているとはいえ、時々知らず知らずのうちに親が、子どもが摂食障害に陥ってしまう状況を作り出してしまうことがあります。過保護になり、いつでも子供をかばおうとすることによってそうしてしまうかもしれません。
親は、失敗したり間違いをすることは生活の一部であって、ひとの価値というものがそれによって決められることはない、ということを子どもが自覚するように援助しましょう。
失敗するのはなにも異常なことではないということ、むしろあたりまえだということを子どもに伝えてください。大切な点として、失敗したとしても、必ずそれを乗り越えてゆけるということを教えられている子どもは、何かの逆境に直面したときに立ち直れないほどに打ちひしがれてしまうようなことはないはずです。
親はそれぞれの子どもの個性を受け入れ、そして認めなければなりません。親であるあなたの頭の中で作り上げた型の中に、子どもを無理に押し込めようとしないでください。
摂食障害を克服するためには、子どもは自分の個性が尊重されていて愛されていると感じるようにならなければならないのです。
子どもや配偶者が摂食障害者である多くの家庭では、率直なコミュニケーションが不足しているという事実を受け止めなければなりません。たいていの場合に言えることですが、摂食障害をかかえる人は、親や配偶者と意見や考え方が違っているときに、自分の中にある「本当の気持ち」を口に出すのにたいへんな苦痛を感じるようです。
そのような雰囲気の中で思っていることを表現できないとき、自分の心の中にある欲求不満を忘れようとして食物に手を出してしまうのです。
率直なコミュニケーションを目指すためには、とにかく当人の話をもっとよく聞く必要があるかもしれません。話している最中、「そんなことはないよ」とか,「そんなふうに思っちゃだめだよ」などと口をはさみたくなる衝動が生じたら、それを抑えましょう。
または摂食障害に陥ってる当人が「自分はだれだれに傷つけられた」というようなことを口にした場合に、あなたが気をつけるべきことがあります。
「そうかなぁ、その人はそんなつもりでそうしたんじゃないと思うけれど……」
と言うよりは、
「そりゃ傷つくのも無理ないよ。あなたがそう思うのもよく分かる気がする」
と、本人の気持ちを受け止めてみましょう。
その場で当人の見方を変えさせようとすることは、この状況で当人を助ける面でほとんど意味がありません。それよりも感情移入をするように努めることのほうがずっと効果があります。
「消極的な感情や不満」を進んで聞くようにしましょう。あなたが望むことを当人に言わせようとしないでください。そのことについて当人が「本当のところは」どう思っているのかを聞くことをめざしましょう。
率直なコミュニケーションができるなら、当人は感情的につらい状況に陥ったときでも、慰めを得られる「場所」を見つけていることになり、不健全な食習慣(過食または拒食)に訴えなくてもよいと感じるようになってゆくことでしょう。
幾つかの方法をあげてきましたが、当人の力になることができていないように思えて、時には無力さを感じることもあるかもしれません。
それでも、あきらめないでください。
この障害に苦しむ家族や、友だちを助けたいと本当に願って払われるあなたの努力は、回復をもたらす過程の基礎になることを忘れないでくださいね。
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