更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 習慣を変えたい
アルコール依存症とは、飲酒の習慣が続くことによって、脳の中にアルコールを欲する回路ができてしまい、アルコールの摂取をやめることができなくなってしまう病気です。少しの飲酒のつもりがコントロールが効かなくなるため、大量のアルコール摂取により様々な障害が起こります。
一義的には肝臓や脳をはじめ、身体的にダメージが大きいほか、自分自身のコントロールができなくなってしまうことから社会生活上様々な問題を起こすことがあり、精神的・社会的なダメージが非常に大きい病気なのです。
具体的には、以下のような診断基準があり、過去1年間で6項目のうち3項目以上で、アルコール依存症と診断されます。
・飲酒したいという強烈な欲求・強迫感(渇望
・節酒制限の不能(抑制喪失)
・離脱症状
・耐性の増大
・飲酒や、それからの回復に1日の大部分の時間を消費してしまう(飲酒・薬物中心の生活)
・精神的身体的問題が悪化しているにも関わらず、断酒しない
自分でコントロールができないほどの依存症になったとき、少しでもアルコールを摂取してしまうと再発してしまうリスクが高いため、治療のためには「完全にお酒を断つ」ことが必要になります。
お酒を断つためには、本人の意志がとても重要で、その意志を継続するためにはカウンセリングや断酒会をはじめとする心理・社会的な治療と、家族や周囲のサポートが重要になります。
アルコール依存の治療は自分自身の習慣を変えていく作業ですから、薬やカウンセリングが一方的に治してくれる類のものではありません。自分自身が変わるという勇気と決意を持たなければならないのです。
従って、アルコール依存治療の最初のステップは、現状やリスクを理解し、そのうえで、しっかりと治療に対して決意を持つ、ということになります。これは、家族で担うべき役割でもあり、必要に応じて医師やカウンセラーなども役割を果たします。
アルコール依存症の方が飲酒の減量や飲酒の中断を行うと、以下のような離脱症状と呼ばれる症状が起こることがあります。
離脱後7時間頃〜:いらいら感、不安、抑うつ気分、自律神経症状、けいれん発作、幻覚、手指眼瞼振戦
離脱後72〜96時間:粗大の振戦、精神運動亢進、幻覚、意識変容、自律神経機能亢進など
これを自分の力だけで耐え抜くことが難しい場合には、薬物療法や入院治療が行われることがあります。
アルコールへの依存を生み出したサイクルから抜け出すために、自分自身の心の状態や、心理・社会的なストレス要因、アルコール節酒に至る行動パターンについて見直します。
このときに重要な役割を果たすのが、カウンセリング(内観療法・認知行動療法・家族療法等)や病院等で行われる集団精神療法、自助グループでもある断酒会などです。薬物療法としては抗酒薬を処方されることもあります。抗酒薬は、お酒を飲むと、お酒に弱い人と同じように不快な状態を誘発させる薬です。
断酒ができたとしても、再度お酒を飲んでしまえば簡単に再発しうるのがアルコール依存症です。
従って、再発を防止するために、ストレス対処法を習得したり、家族関係を良好にしたり、生活を安定させるために就職をしたり、今後健康的に暮らして行くための素地づくりを行っていきます。
このステップをサポートするのは、家族療法などのカウンセリングや、断酒会等の自助グループです。また、この間も、医療機関において抗酒薬を処方されることもあります。
医療機関の中には、アルコール依存症専門外来を持つところがありますので、専門的な相談はそのような専門外来が安心でしょう。それ以外の病院に行っても、必要に応じて専門治療期間に紹介してもらえることもあります。
また、断酒会のうち代表的なものには、全日本断酒連盟、AA(Alcoholics Anonymousなどがあります。
薬物療法に頼るほどではない、自力でコントロールできそう、という方には、カウンセリングを用いて精神的なサポートを受けながら、行動変容を目指すこともおすすめです。
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