なぜあなたは悪い習慣をやめられないのか?コツは「我慢しない」こと

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 習慣を変えたい

年が明けて、新しい目標を設定した人も多いかもしれません。そのときの決意は続いていますか?

糖尿病治療のために節制したい、ダイエットのために食事を減らしたい、タバコをやめたい、寝坊を治したい、過食症、アルコール依存・ギャンブル依存を治したい……

このように悪い習慣や特定の行動を減らしたいときには、その行動をとりたくなったときに自分を抑えるように「我慢」をしますね。何度も我慢しようとして挫折し、「自分は意志が弱いから続かない」と思っている人もいるかもしれません。今回は、このような「我慢が続かない」方にぴったりの知識とテクニックを紹介したいと思います。

自我消耗 ― 人間の我慢は有限の資源である

「自我消耗」という概念があります。人間の我慢・自制心にはガソリンのように決まった容量があり、何かをしないことに自制心を使うと自制心資源が減少し、それ以外のことに対して自制心が働かなくなってしまうという理論です。

心理学者のRoy Baumeisterが行った実験によれば、被験者にチョコチップクッキーを前にして我慢させた場合と、大根を前にして我慢させた場合とでは、クッキーを我慢させたほうが、その後に行った自制心を必要とするテストで成績が悪かったという結果が出ています。クッキーを我慢させたほうが、自制心という認知的資源を消耗してしまっていたのです。

つまり、魅力的に見える刺激への誘惑を我慢することで、それ以外のことへの我慢する認知的資源が減ってしまう、ということを意味します。テレビで出てくるおいしそうな食事や道ばたで見かける居酒屋など、自分にとっての刺激に接するたびに我慢をする。しかしながら、そうすることで、自分の中で自制心を機能させるための認知的資源がどんどん減っていきます。それが限界に達したとき、たがが外れたように再び食べたり、アルコールを摂取したりしてしまうのです。

我慢ができない人は「誰よりも我慢している人」

行動習慣を変えられない人は「我慢ができない人」なのではなく「誰よりも我慢している人」でもあります。

何度も繰り返し我慢をしているからこそ、自制心資源が枯渇し、耐えられなくなって不適応行動を再燃させてしまうのです。そしてこれを繰り返すうちに、自分自身の決意に対する信頼を失っていき「どうせ自分には我慢できない」という思い込みが生まれ、さらに行動習慣を変えづらくしてしまいます。

「我慢しない」ための4つの方法

逆説的ではありますが、行動習慣を変えるためにはこの自制心の認知的資源をいかに減らさずにいられるか、つまり「いかに我慢しないか」が大切です。そのための方法をいくつかご紹介します。

1. 一気に多くの行動を変えようとしない

自制心の認知的資源に限界があるということは、たくさんのことを一度に我慢するとすぐに限界が来てしまうということでもあります。タバコもやめたい、食事も減らしたい、アルコールも減らしたい、と一気に行動目標をたててしまうと、我慢しなければいけない刺激に触れる機会が多くなってしまいます。

まずは一つの行動を選んで、それを持続させることに意識を向けましょう。

2. 刺激を避けて通る

例えばアルコールを減らしたいと考えているときには、居酒屋の前を通りかかること、コンビニに入ること、友達と食事に行くこと、全てが認知的資源を消耗する刺激になります。このような刺激はできる限り避けるべきでしょう。

3. 自分に選択肢を用意しない

例えば少しであっても家にアルコールを置いていると、常に「飲む」という選択肢を自分に用意していることになります。そうなるとその前を通るたびに、あるいはそのことを考えるたびに自制心資源を消耗してしまうので、どこかで限界が来てしまう可能性が高くなります。特定の行動を減らしたいと考えるときには、選択肢が存在しない状態を意識的に自分で作り出すことが非常に重要なことです。選択肢が存在することで「少しなら大丈夫かも」や「あれをいつ飲もう」と考えること自体が、自制心の消耗につながります。

最初は辛くても「もう自分には飲むという選択肢はない」と強く決め、その選択を生むようなものを排除してしまうことが、少しずつ減らすよりも近道となることもあるのです。寝起きに何度も起きようか起きまいか……あと5分なら……と何度も葛藤するのも、自制心資源の無駄遣いです。やめましょう。

4. 「我慢する」のではなく「別のことをする」

例えばアルコールを飲みたいという衝動に駆られたとき、「我慢しなきゃ」と思うと、そのことを考え続けることになります。その間に起こってくる衝動を様々な角度で押さえ込もうとすることになり、そのたびに自制心を消耗してしまうのです。 衝動に駆られたときには、我慢しなきゃ、とその刺激について考えるのではなくて、何か別のことをしてみましょう。

例えば飲みたくなったら携帯電話でニュースをチェックする、あるいはゲームをする、メールをする、洗濯物をしてみる、など何か別のことで自分の関心の方向を逸らしてください。こうすることで、自制心の消耗を避けることができます。誰かと話をする、というのも効果的です。

我慢しなきゃ、と考えるのではなく、我慢しないためにはどうしたらいいのか、と考えてみるのがコツです。我慢している自分に気づいたら、自分の我慢メーターがどんどん減っているイメージを膨らませて、「我慢の出し惜しみ」をしてみることをおすすめします!

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