更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
近年、話題になることが増えている「いい子症候群(いい子ちゃん症候群)」。
小学生や中学生に問題が見られるのはもちろん、問題を解決できずに大人になった人の中にも「いい子症候群」に苦しむ人が増加傾向にあります。 また20代~30代に多いと言われる「新型うつ病」の根底の問題に「いい子症候群」があるとも言われているのです。 「親から愛されよう」と頑張るあまり「自分」がわからなくなってしまった子供--ここではそんな「いい子症候群」の問題についてご紹介していきましょう。
現在「いい子症候群」に悩む人には共通する傾向が見られています。 自分や自分のお子さんについて、以下の問にYES/NOで答えてみましょう。
1)長子・もしくは一人っ子である
2)(兄弟が居る場合)他の兄弟に比べ、親からの期待値・与えられるハードルが高かった
3)親が喜ぶ顔を見ると嬉しいし「自分の居場所」を感じる
4)「努力」や「親の期待」に応える形でないと親から褒められない
5)幼稚園・小学校等では優等生だった
6)親がタブーとしたもの(テレビ、マンガ、お菓子等)を子供の頃は素直に受け止めていた
7)行き先・洋服・食べ物・アルバイト先・友人関係・部活・進学等ではほとんど親の意見を聞き入れてきた
8)自分が親から愛されるのは「頭が良いから」「優秀だから」等、条件付きの愛情であると感じる(悪い子になったら見放されると思う)
9)親や周囲の人の顔色を伺ってしまう、相手が喜びそうなことを選択しがち
10)自分の本当にしたいこと、欲しいものなどがわからない
11)普段の人間関係は受け身であると思う
12)親から褒められた箇所以外に、自分の長所が思いつかない
上記12の問いのうち、4つ以上に「YES」がある場合には注意信号。 また6~7個以上の場合には「症候群」の可能性がやや高く、またそれより多い場合で学校・社会等に何らかの問題が生じている時には早めの対策が必要となります。
「いい子症候群」は早い人の場合、小学校低学年~中学年頃から現れることがあります。 幼い子供に多いのは、自分の髪を抜いたり、爪を噛む等といった自傷的な行為、チックや「常に不自然に笑顔で居続ける」といった行為・行動に現れるものです。 また、校内で優等生で居ることに疲れたり、逆に成績面などで「親にほめられる優等生ではいられない」というストレスから登校拒否行為、不登校に陥るケースも散見されています。
中学・高校などに入っても問題の解消がなされず、反抗期が訪れても親と向き合うことができなかった場合、「親から隠れて、著しいタブーの逸脱」を行うケースも珍しくありません。 例えば、親が禁じていた食品やゲームを万引きするといった犯罪行為を伴うケースもあります。 また学校でいじめの首謀者や加担者となるなどの問題行為を引き起こす場合もありますが、いずれにしても共通する傾向が「親の前(家の中)でだけはいい子でいようとする」というものです。
近年では、アルバイトを始めた時や就職活動時に「いい子症候群」が発覚するケースも増えています。 「親・周囲から褒められる」ための相対的な対応を子供の頃から取りつづけてきた子供達は、「自分自身の個性や良い点」を見出すことができないのです。 社会に入り、個性・人間性・決断力といった「自分」が問われる場になって「いい子」だけでは対応ができず、つまずいてしまうという事例は年々増加傾向にあります。
「いい子」でいた大人がうつ病になりやすい理由としては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
「いい人・優しい人でないと愛されない」という強迫観念があるため、友人・恋人・会社等での人間関係でも自己主張ができず、受け身で相手の言いなりになりやすい傾向があります。 そのため人間関係でのストレスが溜まりやすかったり、「個性・主張が無い」ということで相手から距離を置かれ孤独感を持つケースも少なくありません。
「自分自身での選択・決断」、そして「失敗による経験値の積み重ね」という経験が少ないため、アルバイト・就職先等で決断力や柔軟性を問われる場を強く苦手とする傾向にあります。 また「失敗」を強く恐れるため、チャレンジ精神・向上性に欠けると捉えられることも多いようです。 そのため仕事面で能力を発揮しづらく、会社を早々に退職してしまう、会社やアルバイト先を転々とするというケースも増えています。
仕事やバイト、部活、生活習慣と言ったものにも親の意見が取り入れられるため、大人になってからも「自分自身の趣味・嗜好」がわからない、何を基準として良いのかがわからず悩む傾向にもあります。 仕事等に熱意を持って取り組めないだけでなく、日常生活でもポジティブな形でストレス解消をしにくいという積み重ねが、「抑うつ症状」という形になって現れてくるのです。
「いい子症候群」の可能性があると考えられる人が小中学生といった幼児・子供である場合には、親子でのカウンセリング受診が勧められています。 子供の心の問題だけでなく、親の側にも「子供への対応」に対する認知を変えていく必要があるのです。
しかし成人した人の場合には「親子カウンセリング」が難しいというケースの方が多いでしょう。 現在は「いい子症候群」に悩む大人単独でのカウンセリングにも力が入れられています。 「親の呪縛から逃れられない」「大人になってもいい子でいようとしてしまう」といった悩みがある場合、またそれらによるうつ症状に苦しんでいる場合には、ネットカウンセリングでも良いので早めにカウンセラーに相談をしてみましょう。
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