更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
「ワガママを言う妹のことがずっと嫌いだった」「優秀な兄ばかりが褒められて嫌いだった」--このような兄弟(姉妹)との軋轢の気持ちを抱いたまま大人になったという人は少なくありません。
「もう今は殆ど会う事もないのだから、関係ない!」と、かつての家族関係を忘れようとする事例も多いようです。
しかし兄弟に対して抱いてきた嫉妬や憎悪の気持ちは、自分が子育てをする側なったり、親の介護を考える頃になってから影響を及ぼしてくることもあります。
また今まで抱いてきた「兄弟との問題」の奥底に隠れているのは「親子関係の問題」かもしれないのです。 ここでは兄弟の問題に潜んでいる心理について、わかりやすくご紹介していきます。
この記事のまとめ
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兄・弟・姉・妹と、兄弟がいた人の立場は様々。 そして兄弟(姉妹)に対して抱いてきた不満ももちろん十人十色です。
単純に「人間としての相性が悪い(性格が合わない)」ということももちろんあるでしょう。 しかし問題点を探っていくと、以下のような不満が根底にあることが多いようです。
これらの不満点をやや極端にまとめてみれば、「自分が持っていない自由やモノを、兄弟は与えられていた」ということになりますね。 「相手の方が恵まれている、ずるいと思う」、この感情はつまり「嫉妬」なのです。
ここでは例として「子供の頃からワガママばかり言う妹が嫌い」と嫉妬する姉の気持ちになってみましょう。
自由闊達に生きられる妹のことを姉は羨ましくも妬ましくも感じ、妹に対して憎悪の気持ちすらどこかに抱き続けています。 しかし、ここで振り返ってみるべきは「なぜ、妹はワガママになれたのか?」ということです。
ワガママというのは、受け入れられてこそ通るものですよね。 妹のワガママ(自己主張)を認め許してきたのは、姉妹の「両親」です。
「姉の主張は認めななかったのに妹の主張は受け入れる」嫉妬の心が生まれる根底にあるのは「両親による兄弟の扱いに格差があった」「平等な愛情を得られなかった」という気持ちなのですね。
さて、ここであなた自身の問題にも立ち返ってみましょう。 あなたが兄弟に対して持ってきた不満の根源は「親の扱いの差」ではなかったでしょうか?
人間は兄弟姉妹の扱いに違いがある(あった)ことについて、その根源である「親」に対しては怒りや憎しみを自覚しにくいものです。 これには幼少期より「親から愛されていたい」という潜在的な思いがあることが関係しています。
「愛されたい」と感じる対象については、人は「嫌い」になれないもの。 「なぜ、兄弟を平等に愛してくれないんだろう」という不満や憎しみの気持ちは無意識のうちに捻じ曲げられ、その感情の対象は「兄弟」へと向けてしまうのです。
兄弟との扱いに格差があったり「愛情が兄弟に比べて少ない」という不満を抱え続け、それを抑圧してきた心は、大人になってからの行動にも影響を及ぼす傾向にあります。
これらの行動は往々にして自分自身だけでなく、自分の恋人や配偶者を巻き込んだり、自らの子供を傷つけることになります。
「親に対してかつて不満があった」「現在も、親との間に何らかの問題があるのかもしれない」--大人になった今だからこそ、自分の心にきちんと向き合い、親との関係性をもう一度見直すことが大切になってくるのです。
自分の両親・兄弟との問題については「家庭内の問題である」と捉える人が多く、「家庭の外」にいる同僚や友人、パートナー等にも相談できずに苦しむというケースは珍しくありません。
また、家族間の問題については一般論で語られることも多く、「親を大事にすべき」「兄弟は仲良くすべき」といった一見すると「正しい言葉」で余計に苦しんでしまうというケースも見られています。
デリケートかつプライベートな問題であるからこそ、家族間の問題を抱えた時にはカウンセラー等の専門家を頼ることを考えてみた方が良いでしょう。
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