更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 感情をコントロールしたい
「嫌いな上司に注意されると、それだけでイライラしてしまう」 「ちょっとした失敗で凹んでしまって、後々まで気持ちを引きずってしまう…」 このような「マイナス感情」に囚われて日々を楽しく過ごせないのは、もったいないことですよね。
とは言え、例えば「合わない人がいるから」と職場を変える…というのは、現実的に難しいもの。 「イライラするからって、その原因を無くせないんだから、仕方ないじゃないか!」 こんな風に諦めてしまっている人もいるのではないでしょうか?
原因を取り除くこと(環境を変えること)が難しい時には、自分の側の「受け止め方」を変えてみるのも手です。 今回は心理学の「ABC理論」を使い、マイナス感情をコントロールするためのポイントをご紹介していきます。
『ABC理論』とは、アメリカの臨床心理学者アルバート・エリス氏が提唱した心理学の基礎的な理論のこと。 ABCとは、以下の言語を表しています。
・A=Activating Event(原因となる出来事)
・B=Belief(信念・思い込み)
・C=Consequense(結果となる感情や行動)
従来、人間の感情は「A(原因・出来事)」から、直接的に「C(感情・行動)」が生まれると考えられてきました。
・「先輩から怒られた(A)」→「苛立つ(C)」
しかしエリス氏は、「A」と「C」の間には「信念・思い込み」である「Belief」があると考えました。 このBeliefとは、物事の受け止め方、解釈と考えても良いでしょう。
・「先輩から怒られた(A)」→「理不尽だ/一方的だ/口やかましい人だ」等という風に解釈する(B)→「苛立つ(C)」
しかしこの「Belief」は「思い込み」と名付けられている通り、必ずしも客観的で正確なものではありません。 「Belief」をよく検討し見直すことが、感情をコントロールする大切な要素となるのです。
マイナス感情を生み出す「Belief」は、「誤った思い込み(非合理的な思い込み)」であると言えます。 この「思い込み」を変えていくために、以下のポイントで自分の受け止め方を見なおしてみましょう。
物事で「100%/絶対に」ということはありません。 「◯◯に決っている、それは絶対だ」と考えてしまっている時、それこそが「物事の捉え方が一面的になってしまっている時」であると考えてみましょう。
自分に対して、家族に対して、世の中に対して… 「こうでなくてはならない!」「こうであるべきだ!」という考え方になっていませんか?
【例】
・自分は有能でいなくてはいけない
・家族は常に仲良くあるべきだ
・みんなやっていることなのだから、ガマンするべきだ
・善意であげたプレゼントなのだから、喜ぶべきだ
上記のような考え方は、いわば自分の中で勝手に作った「マイルール」。 ルールに囚われすぎて、周囲に対しても自分に対してもポジティブな受け止め方ができなくなってしまっている状態です。
例えば注意を受けた時に「イジワルをされた」と考えてしまえば、その注意の内容を肯定的に飲み込むことはありませんよね。 将来的に同じ注意を他の人から受けたり、注意を受けるほどではなくても周囲に同じように悪い印象を与える可能性が高いと言えるでしょう。 「相手が意地悪だ」と受け止める解釈は、今後の人生をより良くしてくための妨害となりかねません。
エリス氏によれば、このような「良い結果へと導かない解釈(Belief)」も、非合理的な考え方であるとされています。
さて、今までの自分の物事の解釈の仕方は、周囲との人間関係や出世等の目標に対して、良い結果を生み出してきたでしょうか? もしも「ちょっと違っているかも…」と感じるようであれば、解釈を変える絶好のタイミングと言えます。
敢えて今までとまったく逆の視点で捉えてみるというのも、ひとつの手。 例えば注意をされた時に「言いにくいことをわざわざ言ってくれた」「今後の自分のために言ってくれたんだろう」と捉えたら、自分の人生における教訓のひとつともなるでしょう。
人間の物事の受け止め方(解釈)は、長年の習慣によってかなり強い「クセ」ができています。 そのため「解釈を変えよう!」としても、初日からいきなりすべてを変えるというのは、少々難しいかもしれません。
しかし大切なのは、今までの自分の物事の捉え方にクセがあると気づき、それを変えようという努力を継続すること。 様々な受け止め方があり、可能性があるのだと気づくだけでも、感情のコントロールをするための大切な一歩となるはずです。
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