更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 感情をコントロールしたい
人間誰しも、不安や憂鬱さ、怒りの感情で苦しくなってしまうことがあります。失敗したとき、失恋したとき、何かを失ったとき、将来の見通しがつかないとき、誰かに嫌われていると感じるとき…… 人が落ち込むきっかけはいくらでもありますから、落ち込まない人はいませんし、落ち込むこと自体は決して悪いことではありません。ネガティブな感情を持ったときに、覚えておくと有効なひとつのことがあります。
それは、「反芻しないこと」。つまり、そのことについて考え続けないことです。
ネガティブな感情は、それを持つこと自体ではなく、それを反芻し、考え続けることで問題を生むことが知られています。 例えば憂うつな感情の例をとってみます。 うつ病になりやすい心理的要因として挙げられる代表的なものが「真面目で几帳面な性格」「完全主義」ですが、実は研究によって、その性格そのものではなく、ネガティブな感情を伴う思考を「反芻する傾向」が、うつ状態を引き起こしていることが明らかになっています。
真面目で完全主義な人は、気になることを繰り返し考えてしまう傾向が強いためにうつ病になるのであって、完璧を好むからうつ病になるわけではないのです。
つまり、起こってしまったことを何度もぐるぐると後悔してしまったり、自分を責め続けたりすることそのものが、心の不調の原因となっているのです。
人が感じるネガティブな感情による身体へのストレスの絶対量は、ネガティブな感情の大きさ × それを感じている時間の長さ です。
この要素のうち、感情が起こることそものや感情の起伏の大きさはコントロールが難しいですが、そのことについて考えている時間は、自分でコントロールすることができることがわかります。ストレスが病気を引き起こすメカニズムは、ストレスの繰り返しによって長期間にわたり生理的変化が生じ続け、ホメオスタシス(体がもとに戻ろうとする力)が働かなくなることだと言われます。ネガティブな感情の反芻によってストレスを感じ続けることが、心の病気を引き起こす大きな要因のひとつになっているのです。
「考え続けるなと言われても、それができたら苦労しない」という声が聞こえてきそうですね。 そこで、反芻から脱出するための方法を、いくつかご紹介しましょう。
ネガティブな感情を反芻しているときには、特に生産的でないもやもやとした感覚を味わい続けていることが多いようです。 ネガティブな考えの反芻には、「熟考」と「不安で陰鬱な考え込み」の2種類がありますが、「熟考」つまり感情的に中立な考えの整理や前向きな思考は、積極的に行っていくことで、将来の問題解決につながります。止めるべきは、ネガティブな感情を伴う「不安で陰鬱な考え込み」ですが、そのためには今考えていることを紙に書き出してみる、ということがとても有効な方法です。思いついたことを書き出してみると、感情を離れて考えが整理されることに加えて、一度考えたことを何度ももやもやと行ったり来たりする必要がなくなり、気持ちがすっきりするはずです。
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動も、ストレスを低減し、ネガティブな思考の繰り返しから抜け出すための有効な手段です。
リズム運動を行うことで、βエンドルフィンと呼ばれる脳内ホルモンも分泌され、気分の改善につながります。 例えば仕事中にいらいらすることがあれば、一旦考えるのをやめて近所を少し早足で散歩してみるのも、思考の反芻から抜け出すひとつの方法です。
自分の好きな音楽を聴くことでも、脳内ホルモンであるドーパミンが分泌され、ネガティブな思考の反芻を一旦中断させる効果があります。 ストレスを感じたとき、一旦そのことについて考えるのをやめて、一曲音楽を聴いて落ち着く、という習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
不安になったり怒ったり、ネガティブな感情が起こっているときには、呼吸が浅くなり、乱れていることが多くあります。 呼吸が乱れていると、そのこと自体がストレスになり、ネガティブな感情が増幅されることがあります。そんなときには、深呼吸を何度か行い、気分を落ち着けてみましょう。ゆったりと呼吸を整えることで、幸せホルモンとも言われるセロトニンの放出を助けます。
マインドフルネス瞑想は、呼吸に集中するとともに「今この瞬間」の自分に気づき、現実をあるがまま、何らの価値判断なく受け入れることです。落ち込んでいる自分、怒っている自分、不安になっている自分に気づいて、ありのままに受け入れることで、ネガティブな感情が繰り返すことを妨げてくれます。
落ち込んだり怒ったり、不安を感じたり嫉妬を感じたり、何かネガティブな気持ちになったときには、まずネガティブな感情を持っている自分に気づき、
「ネガティブな感情を持っていること自体は何も問題ない」
と受け入れてみてください。
そしてその後は「反芻しない」ことだけを心がけてみてください。
きっと、今までとは違う自分の心の状態に気づくことができるはずです。
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