更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分
「五月病」は有名ですが、「九月病」と言う言葉は聞いたことがありますか? 九月病とは、長い休暇明けから日常生活に戻った際の切り替えに対応できず、不眠やイライラ、無気力感等の症状が現れる状態を指しています。 五月病と同様に正式な疾病名ではありませんが、その精神的症状は「うつ病」や「適応障害」であることも。
勉強や仕事への意欲の著しい低下の他、症状が重い場合には登校拒否・出社拒否、引きこもりといった問題に発展するケースも少なくありません。 また最近では、九月病の発症が小学生層等、低年齢化していることも問題視されています。
九月病を予防するためには、夏休み中にきちんと対策をしておくことが大切。 ここでは休み中に気をつけておきたい3つのポイントについてご紹介していきます。
九月病の原因となるもののひとつが、自律神経の乱れです。 自律神経とは、体や脳の働きを調整する神経のこと。
交感神経と副交感神経があり、交感神経はカンタンに言えば「活動のための働き」、副交感神経は「休むための働き」を担当しています。 通常であれば、昼間には交感神経が活発になり体をアクティブに動かし、夜間には主に副交感神経が体や脳をゆっくりと休ませているのです。
また、自律神経は精神面の調整も行っています。 例えば緊張した時に脈拍が上がるのは、交感神経による心臓への働きかけ。 体内に酸素を多く含んだ血液をたくさん巡らせて、緊張に対処しているわけですね。 反対に悲しくなって涙を流すと副交感神経が活発になり、心を落ち着かせてくれます。
ところが、長期的な休みで起床や就寝が不定になると、この2つの切り替わりポイントが乱れてしまいます。
例えば昼頃になっても交感神経が活発にならず、いつまでもダルく、集中力が上がらないことに。 また反対に、精神的に緊張した状態が続き、ゆっくりと心が休まらない時も。 さらにはささいなことで悲しくなったり、怒りっぽくなったり… 肉体的な症状だけでなく、このような精神的症状として現れてくることも多いのです。
休み中にもできるだけ同じ時間に寝起きして、自律神経を安定させておきましょう。
長い休み中だからこそできる旅行や遠出といったイベントは、普段の状態から解放され、ストレス解消ともなるひとときです。 しかしその分、強い刺激を心に与える場でもあります。
人間の脳は、このような刺激を「比較的」に捉えるもの。 激辛カレーを食べた後って、普段食べている中辛カレーはちっとも辛くない!なんて思いますよね。
これと同じで、イベントで強すぎる刺激を受け続けた脳は、その後の日常生活に対し「刺激がまったく無い」という感覚を持ってしまいます。 休み明けの9月の学校生活・会社生活が刺激や彩りの無いものに感じられ、それが今後の生活に対する不安を引き起こしてしまうのです。
休みの後半には、なるべく刺激となるイベントを減らしていくのが理想的と言えるでしょう。 特に最終週・最終日等は「日常生活へと戻る為の日」と捉え、ゆったりとしたスケジューリングにすることをおすすめします。
夏休みの宿題や課題、「長期休暇中にやっておこう!」と決めた片付け等の目標… 休みの序盤にはついつい後回しにして、「最後の3日でなんとか片付けた」という経験がある人もいるのではないでしょうか。
しかし、このようなやるべき課題の「先延ばし」、そして課題をクリアするための「詰め込み・追い込み作業」は、心身への大きなストレスとなります。
先延ばしをしている間は、「やらなくては」「でも、やりたくない」というストレス。 そして実際に作業に取り掛かってからは「間に合わないかも」といった不安とも戦わなくてはなりません。 さらに作業が大掛かりなものであるほど、期限が迫った頃のスケジュールは夜更かしや徹夜といった身体にもムリをさせるものとなりますね。
このような様々なプレッシャーを乗り越え、最終的に課題を完成させることができて「ホッと一段落」となった時に、人間の心は「虚脱状態」となってしまうのです。
これを回避するには、課題や目標を可能なかぎり小分けにし、序盤から計画的に進めていくことが大切。 「ここまで計画的にキチンと進められている」という達成感や自信がストレスを減らし、またマイペースに計画を遂行することが心身への負担も軽減してくれます。
九月病は前述のとおり正式な疾病名ではないため、「気のせい」「単なる休みボケ」「甘え」と軽視をされてしまうことも多いようです。 しかし重症化をすれば、社会生活を送る上での大きな支障となる可能性もあります。 「夏休みの後」も考えた、ゆったりとした夏休みの計画を立てるようにしてみてくださいね。
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