実力がある人ほど出世しにくい?経営心理学が教える「実力主義の5つの落とし穴」とは

「資格を取ったりして努力しているのに、人から認められない…」 努力が出世や評価に結びつかずに悩んでしまうというケースは、様々な業界で増えている様子。

「評価がされない」というと、その理由は「実力や経験の不足」と考えられてしまいがちですね。 ところが実際には、才能や実力があり、自分の実力に自信を持つ人ほど、周囲からの評価を受けられないケースが多いのです。 これは一体、なぜなのでしょうか? 今回は経営心理学の側面から、実力主義(内面主義)の人がハマってしまいやすいパターンについて解説をしていきます。

自分を「店」と考えてみるとわかりやすい

ビジネスでの評価がわかりやすくなる例としては、店舗の経営が挙げられます。 自分を「ひとつの飲食店(カフェやレストラン)」であると考えてみましょう。

日本では現在67万店以上の飲食店が経営されていますが、1年未満で閉店する店の割合は約35%。 さらに顧客がつかずに5年以内に閉店をする店の率は、実に全体の70%を越える状態です。

さらに経営業界では「うまい料理を出す店ほど、早く潰れやすい」という法則があると考えられています。 この「うまいのに客がつかめない店」と「評価を受けられない人」には、5つの共通点があるのです。

評価につながらなくなる5つの落とし穴

1 )気軽さが無い


店舗経営で最も重要と言われるのは「立地」です。 不便な立地は、利便性の良い立地に比較し来店数が70%近くダウンすると考えられています。 これを人間であてはめると「気軽に声をかけあう知り合いが少ない人は不利」ということになるでしょう。

これには2つの心理学的な理由があります。 ひとつは「単純接触の効果」。 目に入る・接触する回数が多いほど、人間はその対象に対し好意を抱きやすくなります。 「イタリアンにしよう」と考えた時、駅前等の見たことがある店の方を選ぶのです。 この対象が店でなく人である場合、同じ作業を頼むのであれば「知り合い度が高い人」の方が安心できるというわけですね。

もうひとつは「損失を抑えたい」という心理です。 初めての店に行く時、人間は「もしかしたらマズイかも…」という失敗の可能性を考えます。 そのため、なるべく店に行くための労力を抑えて、失敗した時の損失を減らそうとするのですね。

人間同士の関係でも、これと同じです。 親しい相手には気軽に仕事の依頼ができますが、親しくないと心理的なストレスは大きくかかるもの。 人間関係の繋がりが少ない人は、それだけで実力が発揮できる機会を逃しやすくなってしまうのです。

2 )情報の開示が少ない


窓が小さくて中が見えないお店やメニューの出ていないお店って「入りづらいなあ」と思いませんか? 閉鎖性を感じさせる店舗外装は、一見客の集客率を著しく落とします。

人間関係もこれと同様。 「その人の情報が無い」という時、人間は精神的な距離(壁)を強く感じ、拒否されている感覚を覚え、無意識に評価を下げやすくなります。 周囲とのプライベートな会話が行われていない関係性の場合、評価が高まることが難しくなるのです。

3 )受動的である


経営に失敗をする店舗の90%以上は、初期宣伝を行っていないと考えられています。 いわゆる「口コミ」だけに頼っている状態なのですね。 ところが心理学的に見ると、人間は「満足した時」にはあまり口コミに参加せず、「不満な時」には積極的に悪口を言うもの。 結果として「悪い口コミ」ばかりが先行してしまうのです。

店舗の宣伝を「個人」にあてはめると、「自己アピール」ということになるでしょう。 誰かから褒められるのを待っているだけでは、良い部分はなかなか認識されません。 自分の長所を適切にアピールしていくことが重要になってきます。

4 )清潔感が無い


衛生が問われる飲食店に限らず、衣料品店や書店等でも「清潔感」は集客の重要なファクターになります。 ダンボールが出たまま、乱雑に服が積まれたままのショップ…これでは「買い物したい!」という気分にならないですよね。

店舗でも人間同士の関係でも、忘れられがちなのは「実際の衛生管理」というより「清潔というイメージ」。 だらしない服装、髪が伸びたままといった外見は、それだけで生理的な嫌悪感や人格の低評価を引き起こしやすくなってしまいます。

5 )無愛想である


企業のリピーター率を最も減らすのは「接客態度」です。 良い料理を出すレストランでも、素晴らしい部屋があるホテルでも、従業員の接客態度が悪ければ顧客の85%以上が「二度と使わない」という判断を下すという調査結果も出ています。

接客される時に限らず、人間は「不快さ」に対して非常に敏感な反応を持ちます。 「ビジネスライク」という言葉どおり、ビジネスでは事務的かつ能率が求められると考えられがち。 ところが「親切さが無い」「無愛想な対応をされた」といった不快さがあった時、人間は「事務処理能力」や「能率」よりも、「仕事をしていて不快な感情になるのが嫌だ」という判断をするのです。

おわりに

「客が掴めない店」「評価が受けづらい人」に共通した5つの要素は、「実力さえあれば絶対に評価される」という誤解に基づいています。 料理のうまさ(仕事の実力)に興味が集中している分、立地(気軽さ)や外観(外見)といったその他の要素を軽視しやすくなってしまっている状態なのです。

こんな時には友人や恋人を連れて飲食店を選ぶ時の目線で考えてみましょう けして「料理のおいしさ」という中身だけで判断をしていないことに気づくはずです。

もちろん、店舗でも人間でも「外観さえ整っていれば良い!」というわけではありません。 「考え方のバランス」を掴むことが重要なのです。 今までの実力偏重主義から「他の要素」も考えたバランスの良さを目指せば、元々の実力がきちんと評価されてくるはずですよ。

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