更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス
「社員がいつも無気力な状態で困ってる」「仕事場でいつも無気力なんて、甘えて怠けてるだけじゃないのか」…特に新人社員や若手社員を多く抱える職場では、こんな話もよく聞きます。 でももしかしたら無気力の原因は、心の病気なのかもしれません。 ここでは無気力さの原因や対策について解説をしていきましょう。
無気力症候群とは、特に20代前半の男性によく見られる心的症状の総称を指します。 英語では『アパシー・シンドローム』というのですが、この「アパシー」とは、感情や興味を失ってしまっている状態のこと。
特定対象に対する意欲や興味を失い、無感動になっている状態の継続を意味しています。 もちろん、一時的に何かに対して意欲や興味を失ってしまうことは誰にでもありますよね。 しかし、無気力症候群の人の場合、その状態が長く続く上に、症状に対して危機感も持ちません。
無気力症候群の原因としては「生きる目標の喪失」が大きいと考えられています。 就職後の目標が見つからない、結婚退職をしたが主婦生活に馴染めないといった環境変化が引き金となっていることも多いようです。
・年齢が若い(20代前半に多い)
・比較的男性に多い
・学生時代は優等生だった
・親や目上の人のことはよく聞いてきた
・勝負事、優劣等には敏感である
・特定対象(仕事、家事等)以外にはごく通常に対応できる
・無気力症状に対して「なんとか対策しなくては」と思わない
・食欲不振、不眠、胃痛等の身体症状は特に無い
うつ病の症状のひとつにも、無気力・意欲の大きな低下が上げられます。 無気力症候群の違いとしては、「自己否定の強さ」そして「身体症状」が挙げられるでしょう。
・睡眠障害(寝付けない、眠りが浅い)がある
・突然眠くなることがある
・食欲の不振や異常食欲が見られる
・肩こりや頭痛といった体の痛みを感じる
・朝方・夕方等に突然気分が沈む
・自分への評価が下がっている
・消えたい、自分には意味がないと感じる
・無気力対策をしたいが方法がわからない(症状が重い場合には対策を考えられない)
若い人の無気力な態度を見ていると、「甘えてるんじゃないか」と感じてしまう人も多いことでしょう。 しかし、例えば「うつ病」は、脳の化学物質の異常が起きている「病気」です。
過剰なストレスや緊張状態の継続(自律神経の失調)といった様々な原因から、脳内の「セロトニン」という幸福感を感じる物質の分泌が少なくなってしまっているのです。 そのため様々な身体症状が現れたり、自己否定感を強く持つといった症状が現れてしまうんですね。
また「無気力症候群」になる人の中には、元々非常に真面目で何事にも熱心に取り組むタイプが多いとされています。 学業や就職活動等に非常に熱心に取り組んできており、「現在の目標」「これからの目標」が見当たらないためにいわば軽い燃え尽き状態となっている状態なのです。
いずれにしても「無気力に見えるから甘えている」というわけではありません。周囲がただ「甘えるな、頑張れ」と言ったところで、問題が解決するわけではないのです。
上記ではカンタンなチェックリストを設けましたが、無気力症候群のやうつ病の症状については個人差も大きく、必ずしも「この通り」とは限りません。 ですから「無気力症候群に一見して見えるが、実はうつ病」ということもありますし、中には「重いうつ病」となっている可能性も考えられます。
つまり「無気力の原因はコレだろう」と自己診断や他者診断で安易に決めたり、自身で対策を行うのは危険なのです。 本来ならば早めに無気力を改善できたはずのものが、誤った対策によって重症となってしまう可能性も考えられます。
目に見えて無気力な状態が2週間以上続いており、無気力さによって仕事・生活に支障が出そうな場合には、早めに専門医やカウンセラーに相談をしましょう。
無気力・無感情な状態は不遜さやふてぶてしい態度にも見えるため、年長者の方からは「生意気なだけだ」「やる気がないんだろう」と思われてしまうことも多いものです。
しかしこのような誤解を解き、一刻も早く適切な対処を取ることが、本人にとっても周囲にとっても良い結果をもたらします。
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