更新日 2024年05月13日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス
社員一人一人の体と心の健康は、社員が自分でケアするもの--この考え方は既に前時代的へと移りつつあります。 労働者の健康を企業が主導して守っていく「健康経営」という考え方が、現在注目されるようになっているのです。 ここでは健康経営について、その内容やメリット、取り組み事例を解説していきます。
まずは企業における健康経営の概念について抑えておきましょう。 経済産業省は健康経営の取り組みを行う企業を選定し、「健康経営銘柄」として株式市場で公表をする取り組みを進めています。 この「健康経営銘柄」選定時の基準として見られているのが、以下の5つのポイントです。
1 )経営理念・経営方針の中に「健康経営」がある
2 )健康経営のためのシステムが組織内で確立している
3 )適切に健康経営を行うための制度が作られ、定期的に実行されている
4 )健康経営のための制度・取り組み内容を定期的にチェックし改善を続けている
5 )コンプライアンスを徹底している(法令遵守されている)
まずは上記の5つのポイントを全て満たしているかどうか、チェックを行ってみましょう。
「社員の心身の健康を守る」というと、一見するとメリットは従業員側にしか無いように思えますよね。 しかし健康経営は、企業側にも多くのメリットをもたらすものなのです。
心身の状態を良好に維持することが勤怠状態の良好化ももたらします。
健康でいきいきと働ける環境は、結果としてやる気の上昇も生み出します。 作業効率のアップ、意欲的勤務による業績アップといった生産性の向上が期待できるのです。
社員が重篤な心身の病気となった場合、企業が負担する医療費はかさんでいきます。 健康経営によって心身の病気を未然に防いでいけば、長期的・将来的な医療費の軽減に繋がります。
従業員が突然心身の大きな不調を訴えて入院・休職といったことになれば、事業は大きなダメージを受けます。 またストレス等から従業員が外部で不祥事を起こせば、企業全体のイメージダウンとなりかねません。 健康経営はこのようなリスクを未然に抑えることにも繋がります。
健康経営を行う企業は優良企業という好印象を与えます。 経済産業省による健康経営銘柄公開以降、健康経営についての認知度は徐々に高くなっている傾向です。 健康志向の高まっている現在、健康経営を目指す中小企業についてもブランディングが確立できる可能性は高いと言えるでしょう。
では健康経営を行っている企業は、どんな取り組みを行っているのでしょうか? いくつかの事例をチェックしてみましょう。
高血圧・糖尿病といった生活習慣病を予防するための対策です。
・正しいダイエットについての研修を開催
・社食メニューでのカロリー表示の徹底
心筋梗塞・ガンといった病気の原因となる喫煙習慣への取組です。
・禁煙週間の導入
・外部機関と提携し禁煙外来受診の福利厚生制度提供
デスクワークの人たちに向けた取り組みです。
・外部スポーツジムとの提携による福利厚生制度提供
・ウォーキング時間の取り入れ
・運動サークル活動の推奨
・勤務中・作業中のストレッチ等の軽い運動の推奨
健康経営で外せないのがメンタルヘルス対策です。
・企業内メンタルヘルス相談窓口の設置
・外部機関提携によるカウンセラーとのオンラインカウンセリング導入
・経営者・管理監督者全員のラインケア研修の実施
・適切なセルフケアを行うための社員全員の研修
健康経営を行う企業で、現在特に注視がされるようになっているのがメンタルヘルス対策です。
心の不調については本人も自覚がしにくいため、問題の発覚が遅れてうつ病等の病気の重症化をするケースが散見されています。 早期的にストレスに気づき病気を予防するためには、従業員自身によるセルフケアや管理監督者によるラインケアに加え、不調を感じた場合には早期に専門家への相談を行うことが大切です。
健康経営を目指す上で、適切なメンタルヘルスケア対策を行うことは今や欠かせない状態となっていると言えるでしょう。
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えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
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