電車に乗るとドキドキする、強い不安に襲われる ーー パニック障害に適したカウンセリングとは?

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: カウンセリング

パニック障害とは?

突然、強い不安におそわれ、胸がドキドキしたり、呼吸がしづらくなったり、めまいや吐き気をおぼえたりする発作のことを「パニック発作」といいます。 一回の発作は、通常数分から30分、長くても1時間以内に自然に消失しますが、このような発作が頻発して日常生活に様々な支障をきたすものを、パニック障害といいます。

パニック障害は、100人中1人~2人程度みられ、決して珍しいものではありません。 症状は、先にあげたもの以外に、手足がしびれたり、冷や汗がでたり、気が狂うのではないか、死ぬのではないか、といった恐怖感などがあり、本人にとってはひどく不快なものです。

したがって、パニック発作が何度も起こると、「また発作が起こるのではないか」という予期不安におそわれるようになります。

更に、その発作が、「一人で外出している間に起こるのではないか」、「すぐにその場から逃れられないような場面で起こったらどうしよう」と想像してしまい、このような恐怖感が深刻になると、単独での外出や乗り物、映画館などを避けるようになり、生活空間が著しく狭められることになります。

原因について

パニック障害は、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによって起こると考えられており、気の持ちようや性格の問題が直接の原因ではないとされています。

ですが、パニック障害による予期不安や恐怖感から日常生活がスムーズに送れなくなると、気分の落ち込みや意欲の低下、睡眠障害など、抑うつ状態をひきおこすことにもなりかねません。一人で悩まず、できるだけ早期に適切な治療を受けることが大切です。

治療について

パニック障害を克服するには、まず、自分がパニック障害であることを受け容れ、治療に積極的に取り組もうとする姿勢をもつことからはじめましょう。

パニック発作は本人にとっては非常につらいものです。中には、この発作への恐怖から「いっそ死んでしまいたい」と思いつめてしまう人もいるほどです。ですが、発作は数分でおさまります。

パニック発作で死ぬことは決してありません。己を知り、相手を知る。必要以上にパニック発作を怖がらないようにしてみましょう。

パニック障害の患者さんは、精神科だけでなく、救急外来や内科を受診することが多いです(狭心症等との鑑別診断がなされることがあります)。治療法としては、パニック発作をコントロールするために脳内の神経伝達物質のアンバランスを調節する抗うつ薬(SSRI)や、抗不安薬が使われます。

不安を鎮めるカウンセリング

服薬加療と併行させると効果的なのが、暴露療法(エクスポージャー療法)とよばれる心理療法です。

これは、予期不安のため恐怖を引き起こしていた場所や場面に対して、回避するのではなく実際に直面してみることにより、不安や恐怖感に徐々に慣れる行動療法のひとつです。暴露療法には不安階層表というものが用いられます。

その人によって不安を感じる対象や状況、恐怖の程度が異なりますので、例えば「自宅で好きな音楽を聴いている」を0点とし、「美容院へ行く」を30点、最終目標を国内線の飛行機に乗ることを100点といった具合に、状況をリストアップして自分のための点数表を作ります。

不安を感じる状況にあえて直面するのは、とても恐怖に思われるかもしれませんが、その恐怖感は少しずつ軽減していきます。 その際、本人にとって、家族や友人の支えがとても強く感じられることがありますので、周囲に理解と協力を求めてみましょう。 暴露療法の治療効果は高く、薬物療法と同等とする報告もあります。

他のカウンセリング

暴露療法が本人にとってきついようでしたら、系統的脱感作法(想像的エクスポージャー法ともいいます)という方法もあります。その場面に直面しているイメージを思いうかべてもらうような方法です。

あるいはリラクゼーショントレーニングや呼吸訓練などの方法もあります。不安なこと、怖いことなど、自分がしんどいことについてカウンセラーである臨床心理士に率直に伝えて、相談してみてください。

他にも症状や問題がある場合

以上はパニック発作をピンポイントにケアする方法について書いてきましたが、パニック発作が様々な症状のうちの一つということもあります。例えば人間関係の問題があったり、食べすぎる、食べられない、食べても吐いてしまうなどの症状がある場合もあります。

そのようなときは、パーソナリティや性格の傾向、不安がどこからきているのかをじっくりと考える精神分析的な心理療法が有効なときもあります。

まとめ

パニック障害の治療薬は、効果がゆっくりとあらわれます。発作が完全になくなるまで、1~6か月程かかります。

途中で服薬を中止すると症状が再燃することもあります。強く症状がでているような時期には無理をしないことがベストですが、薬の効果があらわれはじめ、少し落ち着いたかな、と感じられるようになったら、ぜひ上記のような心理療法を並行して受けてみてください。

また、処方された薬を「お守り代わりに」持ち歩いている方も多くいます。「(不安階層表の)あそこまでできたんだから大丈夫」、「もし何かあってもこれ(薬)があるから大丈夫」という具体的な経験や存在が、大きな支えになってくれるようです。

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