更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス
企業による従業員のメンタルヘルス管理が重視されるようになった昨今。 メンタルヘルス対策として、セルフケアだけでなくラインケアを取り入れている会社も多いのではないでしょうか。
でも部下の悩みを上司が訊くというラインケアについて、「そうは言われてもなかなかうまくいかない」と悩んでいる上司は少なくないようです。 ここではラインケアを適切に行うために知っておきたい3つのポイントをご紹介していきます。
メンタルヘルス対策の中で「ラインケアに問題がある」とする企業が多い理由のひとつに、「そもそものコミュニケーションが確立していない」という原因があります。
人間が悩みを人に打ち明ける時には、そこに「信頼」を求めるものです。 よく話して価値観を共有している人、自分のことをよく知ってくれている人…このような信頼関係ができているからこそ、「この人に悩みを話してみよう」となるわけですよね。
もちろん心療内科医や産業カウンセラーであれば初対面の関係ですが、そこには「専門知識がある人だから」という信頼が患者側にあるわけです。
企業内での相談相手として上司が選ばれるか否かは、普段のコミュニケーションにかかっていると言えます。
・会話が業務連絡のみに限定されていませんか?
・部下の好きな食べ物を知っていますか?
・お互いの出身地について話したことがありますか?
・普段の業務で部下をきちんと褒めていますか?
上記のような点に「ちょっとダメかも…」と思うようなら、残念ながら現在すぐに適切なラインケアを行うのは難しいかもしれません。 また社員各自がセルフケアがきちんとできているかのチェックもできませんよね。 まずは通常コミュニケーションを見直す点からスタートしてみましょう。
人間同士がお互いの心の距離感を縮めるには、お互いを知って共通点を増やしていくことが大切です。 これは心理学で「類似性の法則」と呼ばれているもの。
例えば「好きな芸能人が同じ」であるとか、「出身地が同じ」というだけで、人は無意識のうちに相手に好意を持ちやすいのです。 ただ「共通点を作らなくては」と急に相手のことだけを根掘り葉掘り訊くだけでは、相手はこころを閉ざしてしまいます。
相手からひとつ情報を受け取ったら、自分もひとつ情報を開示する。 相手の話を聞き出す前に、自分のちょっと困った話、失敗した話をしてみる。 このような「自分についての話」も、少しずつ会話に織り交ぜてみましょう。
ラインケアを行う上で、聖人のように素晴らしい性格で、かつ有能な上司でいる必要はありません。 多少の失敗や欠点があっても「部下の身に立ってくれる人、部下の話を理解してくれる人」の方が、ラインケアが適切に行われることも多いのです。
普段のコミュニケーションの中で、部下の発言に対してこんな返し方をしていないでしょうか?
・いや、それはおかしいだろう
・でも、もうちょっと考えてみたら?
・だからおまえは○○なんだよ
・それはどうなんだろう
これらは全て、相手を否定する「NO」に類する言葉です。
いくらその後に「まあそれでもいいよ」と肯定発言があったとしても、聞いた相手はあなたの発言全体に「否定」の印象を持ちます。 「いや」「でも」「違うな」「うーん…」こんな否定発言が繰り返されるたびに、部下は「この人は自分を受け入れない人だ」と認識していくのです。
ラインケアを適切に行う上で、相手の言葉を受け入れ聞き出すヒアリング能力は非常に重要になってきます。 ヒアリング力を上げる最初のポイントは、「肯定」から話を始めること。
「ちょっとそれは受け入れられない」「違うかも」と思っても、まずは一旦「そうか」と肯定するところからスタートしてみてください。 これを行うだけでも、部下達とのコミュニケーションは大きく変わってくるはずですよ。
ラインケアを成功させる3つのポイントはいかがでしたか? 企業によるメンタルヘルス対策の中でも、ラインケアは対策全体の成功を決める重要な存在であるとされています。 「知識だけではまだ不安」という場合には、メンタルヘルス専門の外部機関によるラインケア研修を受けてみるのも手ですよ。
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えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
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