更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい
一般的に知能検査というと、テスト結果(IQ=知能指数)によって頭の良し悪しを判別するものというイメージをもたれるかもしれません。しかし、知能検査本来の役割としては、その人の知的機能の本来の状態を正しくとらえ、何ができて何が苦手なのかを把握しようとするところにあります。そのうえで医療や教育現場におけるサポートの必要性を具体的に考えていくことが可能となります。
大人の場合は、発達障害の診断のため用いられることが多いでしょう。例えば「コミュニケーションがうまく取れない」「作業が思うようにできない」「スケジュールを守れない」といったことから発達障害が疑われ、診断を求めて病院やクリニックを受診したとすると、診断を確定するためにいくつかの心理検査が施行されます。そのうちの一つとして知能検査が含まれることが多くあります。
日本で使われる代表的な知能検査としては、ウェクスラー式知能検査(WAIS-Ⅲ、WISC-Ⅳなど)、ビネー式知能検査、K-ABCなどが挙げられます。ここでは、もっとも多く使われているWAIS-Ⅲをもとに「知能検査ではどんなことがわかるのか」ということを見ていきましょう。(追記:2018年8月にWAIS-Ⅳがリリースされています)
WAIS-Ⅲは14の下位検査から成り、所要時間は1~2時間です(個人差が大きい)。結果からわかるのは、その人の知能指数(全検査IQ)と言語性IQ(これまでの生活や学習を通じて得られた結晶性知能)、動作性IQ(置かれた状況にどのように対応できるかという流動性知能)という3つのIQです。また、下位検査を組み合わせることにより「言語理解」「作動記憶」「知覚統合」「処理速度」という4つの領域での指標を導き出すことが可能となります。
・言語理解:言葉を理解することと、表現することの両方を含む能力。
・作動記憶:作業したり考えたりするために必要な事柄を、記憶し活用する能力。
・知覚統合:主に視覚から得られる情報をもとに処理したり推測したりする能力。
・処理速度:得られた情報を使って効率的に認知的処理をする能力。
人はみなそれぞれ異なる脳の発達様式をもっています。よって、それぞれの領域の指標を比較することによって、その人が「何が得意なのか」「何が苦手なのか」を見ることが可能となるのです。また、IQも指標は平均が100となるように作られているため、その人が集団においてどの程度の能力をもっているかを推測しやすくなります。
そもそも発達障害とは、「脳の発達がアンバランスであることによって、うまくできることとできないことが生じ、それが生活様式に影響を与えている」という状態です。ですので、知能検査の結果を見て「言語性IQと動作性IQの差が大きい」「下位検査の間で著しく低い数値がある」などの傾向がみられたとき「発達障害の可能性がある」という判断がされます(なお発達障害は、知能検査だけではなく複数の検査結果を見て総合的に診断されます)。
発達障害の診断を求める場合は、医療機関(主に精神科)で受けられます。その場合は保険内診療となり、自己負担3割の場合は1,350円となります(ほかに必要な費用がかかる場合があります)。「診断を求めるほどではないけれど、自分の得意不得意の傾向を知りたい」という場合は、民間のカウンセリングルームや大学の心理相談室などで受けられます。こちらは保険内診療とはなりませんので、各機関によって3000円~2万円ほどの開きがあります。あらかじめお問い合わせのうえ、お申し込みください。
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