更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分
「痩せてスリムな体でいなくてはならない」--このような強迫観念から、摂食障害に陥る人の数は日本でも増加する傾向にあります。食事を食べることに恐怖感を憶え食事が取れなくなる「拒食症(神経性食欲不振症)」はもちろんのことですが、ストレス等によっていわゆる「ドカ食い」をした後に下剤や嘔吐で体重維持を測る「過食症(過食嘔吐)」も、摂食障害の一種です。
拒食症や過食症はメンタルの病気であり、克服をしていくためには本人の「心」を健康な状態へ近づけていく必要があります。ここでは摂食障害に自分で対処するための方法や、医療機関の探し方について解説していきましょう。
摂食障害になる人は真面目で完璧主義な人が多く、日常的なストレスを溜めやすい傾向にあります。 体重測定は「数値」という形で結果が得られるため「痩せたという手応え」がストレスの軽減になっていたり、反対に「食べる行為(咀嚼)」がストレス発散の場になっていることもあるのです。
摂食障害の克服のために「食べるのを止める」「食べようとする」といった心理的な負荷がかかれば、余計にストレスが蓄積しやすくなることも考えられます。まずは自分のストレスを解放する方法をいくつか得ておくことが大切です。
ストレスの発散には体を動かすことが大切です。しかし摂食障害の人の場合、体力が落ちていることも考えられますので、ウォーキング・散歩・ラジオ体操等のごく軽い運動にしておくと良いでしょう。
笑ったり泣いたりといった感情の表出が行われると、蓄積されたストレスは軽減されます。泣ける映画や笑える映画を見て楽しんだり、また穏やかな音楽で心を癒やしてみるのもおすすめです。
「痩せなくては」という強い思いが生まれる根底には、自分に対する評価の低さ・自信の無さが潜んでいます。 自分で自分のことが認められない分、「痩せた体」で他者からの評価が上がることで安心感を得ようとしているのです。
とは言え、急に「自信をつけましょう」といっても難しいですよね。 そこで、まずは自分に対して「ダメだ」と思ったり、口に出すことを減らしてみましょう。 「私はつまらないから/バカだから」等、自分を卑下することが口癖になっていませんか? また過食をしてしまった場合等に、「意思が弱いからだ」と自分を責めてはいないでしょうか。
自分で自分を責めず、少しずつでも「良い部分」を探して認めるクセをつけていくことが大切です。 また2~3日で達成できるようなごく小さな達成目標を定め、それをクリアしていくことでも、自信をつける一歩となってくれます。
朝・昼・晩の1日3回の食事は、ごく少量からでも良いので必ず取るようにしましょう。 その日によって時間帯を変えるのではなく、「朝7時、昼12時、夜7時」といったように食事の時間帯を決めるようにしてみてください。
摂食障害の人は、食べるという行為について「太る行為である=だらしなく、良くない行為である」という認知を持っています。 この認知の歪みを正していくためには、「食事が楽しい行為である」という意識を持つことが重要になるのです。
ひとりで食事を摂っていると、なかなか「食事=楽しいもの」という感覚を持つことが難しいこともあります。 できるだけ友人や同僚、家族と食事を取るようにし、おしゃべりを楽しみながら食事をするようにしてみましょう。
「自分だけでは克服できない」「症状が重くなっているかもしれない」そう感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
拒食症・過食症(過食嘔吐)を克服するには、心の中にある「痩せていなくては」という強迫観念を取り除いたり、蓄積しているストレスを開放し、自分を受け入れていくことが重要です。 心療内科・精神科では、専門医による診断後、カウンセラーによるカウンセリングや認知行動療法等によって、心のケアを行います。
心療内科・精神科のある総合病院を受診すれば内科等と連携した治療が受けられますが、「大きな病院に行くのに抵抗がある」という時には、近隣のメンタルクリニックや民間のカウンセリング施設に相談をしてみても良いでしょう。
拒食症・過食症の当人が10代である場合には、思春期外来や児童精神科、また小児科でも摂食障害への対応を行っています。
目眩等の貧血に似た症状が出ている場合、また標準体順を著しく下回る状態にある場合には、栄養失調・低カリウム血症といった身体的な問題が起こっている可能性も考えられます。
この場合には近くの内科を受診して、まず体の具合をチェックしておくのも手です。 内科では点滴・栄養剤等によって緊急的な対処を行い、肉体的なケアを行います。 ただしこの場合、内科医師に必ず摂食障害である可能性があること(過食嘔吐等)を相談しましょう。
摂食障害は当人が「自分が病気である」と認識しにくい病気です。標準体重の60%以下、35キロ近くにもなってから家族や周囲によって医療機関に連れられてくるといったケースも珍しくないと言われています。 「今の状態は良くないのかもしれない」「私は病気なんだ」と気づけたことが、摂食障害の克服への大きな一歩となるはずです。自分一人で悩まず、早めに専門家を頼り、心と体の健康を取り戻しましょう。
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