アルコール依存で悩まれている方にしてほしい4つの行動

更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい

「もう飲まないと思ったのに、また飲んでしまった…」 「お酒を減らそうと思っているのに、なかなかうまくいかない」 こんな悩みを抱えていませんか?

お酒を減らそう、控えようとしても飲んでしまう「アルコール依存」は、「もう止める!」という自分の意志の力だけではなかなか克服することができません。

「辛いからお酒を飲む」「ストレスを解消したくなる」等、アルコールを頼ってしまう理由は人それぞれ。 しかし体の問題だけでなく、抱えている「心の問題」も改善していくことが大切なのは、誰もが同じです。 日々の生活を見直すことで心のケアを行い、アルコール依存問題に対処してみましょう。

1. 睡眠を見直す

「睡眠を見直しましょう」というと、多くの方が「そんなこと?」と考えられるかもしれません。 しかしアルコール依存と睡眠には、実は大きな関係があるのです。

アルコールを入れると脳の中枢が麻痺するため、確かに体は睡眠状態となります。 そのため「寝付けないから」と眠る前にアルコールを入れるというケースは少なくありません。

ところが少量の場合だとアルコールの覚醒作用の方が強く出るため、眠るための飲酒量は自然と多くなっていきます。 すると肝臓等はアルコール分解のために睡眠中も働き続けることになり、結果として「体が休まっていない」ということになるわけです。

またアルコールによる睡眠は中枢の一時的な麻痺なので、通常の睡眠とは異なり「脳を休ませ、回復させる(ストレスを緩和する)」という働きはほとんど得られないと言って良いでしょう。

「お酒を飲んだらグッスリ眠れて目覚めも良い」というのは、アルコールによって麻痺した脳が覚醒したために目覚めているだけで、体や脳が本来求めている睡眠ではありません。

アルコールによって慢性的な睡眠不足となった脳は、自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、ストレスを貯めやすくなっていきます。 また緊張・興奮を司る交感神経が出ずっぱりになりやすく、更に睡眠不足が加速してしまうことも多いのです。

まずは就寝時間・起床時間を一定に定め、「夜更かし・朝寝坊」をしないようにしましょう。 また以下のような生活習慣を作り、アルコールに頼らずに就寝しやすい方法を作ります。

【1】就寝1~2時間前に入浴し、体を温める
【2】夜になったら部屋の照明を落とし、入眠しやすくする
【3】夜間はスマホ・パソコン等の液晶画面による網膜への光刺激を避ける

2. 食生活を見直す

ストレスを溜めやすくなる「自律神経の失調」は、食生活によっても起こりやすくなります。 1日に3回の食事をきちんと取り、同時に食事の時間を一定に定めるようにしましょう。

食事は必ずしも自炊する必要はありませんが、レトルト・インスタント類を避け、栄養バランスが取れた「主菜・副菜・ごはん」といった献立を選ぶようにします。 またいわゆる「孤食(一人飯)」が食に対する満足感を減らしていることもあるため、家族や友人・同僚等と一緒に会話を楽しみながら食事を取るように心がけてみてください。

3. 運動習慣を作る

体を動かすことは、ストレスの発散に繋がります。 毎日体を少しずつでも動かす習慣を作り、「汗をかいてスッキリする」という感覚を身に着けてみましょう。 とは言っても、いきなり激しいスポーツを行う必要はありません。 ウォーキング、散歩、ジョギング、縄跳び、ラジオ体操等、毎日気軽に継続できるような気楽な運動でOKです。

4.趣味を作る

アルコール依存になりやすい人には、「帰宅してから楽しめることがない」「漫然とスマホやテレビを見ているだけ」といった無趣味な傾向が見られます。 一日のうちの数十分、また週に一度といった形でも良いので、なんらかの趣味を作って打ち込んでみましょう。

趣味のサークルや教室等に入り、新しい人間関係を作ってみるのも手です。

特に高齢の方や専業主婦の方等で、ふだん人との関わりが少ないという場合、アルコール依存の原因が「社交の少なさ」にあるケースも見られます。 家族や会社といった従来の環境以外の場に身をおき、ほどよい緊張感のなかでイキイキと過ごすことがストレスの発散となることも多いのです。

おわりに

アルコール依存症は「真面目で完璧主義」という方もなることが多い病気です。 禁酒対策についても「何事も完璧にやらなくては」と初手から猛烈に取り組んだ結果、目標が達成できなかったことで投げやりな気持ちになり、またお酒を飲んでしまう…というケースも見られます。

たとえ早寝や運動といった習慣が三日坊主になってしまったとしても、そこで諦めてしまうことはありません。 自分のペースで、気長に続けることを意識してみましょう。

なお、すでに連続飲酒・家族に隠れての飲酒等の行動が見られたり、肝臓等に健康被害が出ているという場合、自分一人でアルコール依存を克服するのは難しくなります。 アルコール依存チェック等で思い当たる点が多いという場合には、一度アルコール依存の専門医に相談をすることも大切です。

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