更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい
1年のうち何度かはいじめが原因による自殺が報道され、悲惨ないじめ現場がセンセーショナルに報道されるようになりました。
教育現場が声高に責められ被害児童の追い詰められた心理に焦点があてられることがほとんどですが、いじめを乗り越え普通の生活を手に入れようとしている人にスポットライトが当たることはほとんどありません。
いじめからきちんと距離を取って対処をしたのちに、復学。「またいじめられるかもしれない」という不安を抱えながらも学校という場に戻っていく人たちの葛藤にもきちんとしたケアが必要です。辛い不安と折り合いをつけながら、普通の学校生活を取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。
いじめの被害生徒は加害生徒からの強い圧力によって、大きな無力感を抱えています。周りに助けてくれる人がおらず、自分の意志が通らない状況を何度も経験することによって、自分や自分の周囲をコントロールする気持ちを失ってしまいます。
しかし、復学までこぎつけたという事は「もう一度学校に行こう」という意志を持てたという事です。一度加害者にはく奪された「自分で考えて行動する力」を取り戻しているのです。もし、一度復学してやはり辛いのであればもう一度休んでも良いでしょう。
「もう一度学校に行こう」「いや、やはり休もう」という意志を持てるようになった自分を認めてあげてください。それは確実に事態を好転させることにつながっています。
休学していたという事は、誰かしらに相談が出来たという事でしょう。学校関係者、親、スクールカウンセラー、教育センターの職員、いじめに対応できる大人はたくさんいます。休学に至るまで、また休学中に自分の味方になってくれた人との縁を保ちましょう。
そして「またいじめられるんじゃないかと思うと辛い」という気持ちを吐露してください。不安をため込み続けると、今度はいじめられるという事実ではなく、その不安自体に自分をつぶされてしまいます。
たとえ学校では積極的に自己表現できなくても、「あの人の前なら言いたいことを言える」という拠り所があれば、かなり心は楽になります。
いじめにあった後は人とのコミュニケーションに自信がなくなり、他人との関りに消極的になってしまいます。自分の言動が引き金になって、再びいじめが発生するのを恐れるからです。
それは決して被害者の責任ではないのですが、人の社会はコミュニケーションを前提に成り立っているため、何とか他人とやり取りが出来るようにならなければなりません。最初から打ち解けて元気にしゃべる必要はありませんが、段階的にコミュニケーションの力を取り戻しましょう。
そのためには、その日にできたコミュニケーションを記録しておくのが有効です。「今日は挨拶が出来た」「グループワークで発表できた」「係りの仕事で協力できた」という事を記録しておけば、自分の出来ることが増えていくのを実感できます。できない部分ではなくできた部分に注目することで、前向きな気持ちを醸成しましょう。
加害者にもいろいろな事情があることが多いのですが、被害者と加害者の関係だけ見れば加害者が全面的に悪になるのがいじめです。それは誰にも覆せないことです。
不安を抱えたり人とうまく関われなくなったりした自分を責めることもあるかもしれませんが、おおもとの責任は加害者にあるのです。前述の通り復学にこぎつけた被害者は本当によく頑張っています。
相手を憎むあまり心を病んでしまってはいけませんが、自分を責める必要はないのです。今自分が上手くいかないことも相手に責任転嫁して、少し自己中心的な考え方になっても良いのではないでしょうか。
無理に不安を解消して変わろうとせず、今の自分とゆっくり付き合うこと。それがいじめのダメージから回復していく一番の筋道です。復学に至るまでの努力は称賛に価するものであり、それが出来た人はもう十分に頑張っています。
その努力をあなたの魅力だと思ってくれる人が、今も、そして未来にもいるはずです。良い出会いがこの先必ず待っています。自分の頑張りを誇りに思ってください。
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