更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分
うつ病の治療に専念したいため、会社を退職することを考えている人もいるでしょう。しかしながら、退職となるとお金や再就職の問題が気になって、なかなか決心できないかもしれません。今回は、うつ病で退職を考えている人のために、退職を決心する前に考えたいことや退職後の生活について説明します。
退職することを決める前に、休職という選択肢を取れる場合があります。会社によって条件は異なるため、就業規則にある休職規定を確認しましょう。
退職ではなく、休職をするメリットには次のようなことがあります。
退職すると、うつ病の治療中も「早く治して、新しい仕事を見つけなければ」と焦ってしまう可能性があります。一方、休職の場合、うつ病が治ったら戻る場所がある安心感から、治療に専念できることが考えられます。
退職した場合は給与はもらえませんが、休職なら会社によっては、給与が支給されます。無給と定めている会社もあれば、休職開始日から一定期間は支給する会社もあります。支給額も会社によって様々です。2010年のデータによれば、製造業の場合は7割程度の会社が一定期間給与を支払っているようです。会社の休職規定を確認してみましょう。
ただし、新たな仕事や人間関係でやり直すことがうつ病の治療に繋がる場合は退職を検討しましょう。
参考サイト: 平成22年労働時間、休日・休暇調査|政府統計の総合窓口
退職することを決めた場合は、その後の手続きのために医師の診断書をもらいましょう。会社への診断書の提出は義務ではないようですが、診断書があることで退職を報告する際のコミュニケーションを取りやすくなったり、失業保険や傷病手当金の手続きがスムーズになったりします。
ちなみに、医師の診断書は受診すれば必ずもらえるものではありません。自ら「診断書をもらいたい」ことを伝えて初めてもらえるものです。作成料は医療機関によって異なりますが、3,000円前後のところが多いようです。また、作成には数週間かかる場合があります。
会社に退職することを伝える時には、口頭だけでなく、書面でも伝える必要があります。中には、体調がすぐれないため、直接上司に伝えられない人もいるかもしれません。その場合は、まずは上司にメールで伝える方法もあります。体調を考慮しながら、最終出勤日や引き継ぎや挨拶のスケジュールを調整していくことになります。
退職理由は、「自己都合による退職」と「会社都合による退職」に大きく分けられます。自己都合による退職の場合、退職金の支給額が少なくなったり、失業手当の給付期間が短くなったりします。ちなみに、失業手当の給付期間は、年齢や被保険者であった期間によっても異なりますが、自己都合退職の場合は最長150日、会社都合退職では最長330日となっています。
参考サイト: ハローワークインターネットサービス - 失業された方からのご質問(失業後の生活に関する情報)
傷病手当金は、被保険者が病気やケガが理由で会社を休み、十分な報酬が受けられない場合に最長で1年6カ月間支給されます。退職前の休職期間中に傷病手当金をもらっていた場合、要件を満たしていれば退職後も引き続き残りの期間支給されます。
参考サイト: 傷病手当金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
長時間労働やハラスメント等、仕事による強いストレスが原因でうつ病になったことを証明できれば、労災認定されることがあります。認定要件は次の通りです。
対象となる精神障害等の詳しい情報は、厚生労働省の情報をご確認ください。
参考資料: 厚生労働省「精神障害の労災認定」
退職後すぐに働ける場合は、失業保険を受けながら転職活動ができます。失業保険とは、雇用保険を支払っている被保険者が離職することになった際に、生活費を心配することなく求職活動ができるように、最低限のお金を支給する制度です。この制度を利用するには、前提として働く意思があり、求職活動をしていることです。その他の詳しい要件や支給額については、ハローワークの情報をご確認ください。
参考サイト: ハローワークインターネットサービス - 基本手当について
「金銭的な事情から、早く次の仕事を見つけたい」と焦ってしまう人もいます。ただし、転職活動を始めるのは、医師からうつ病が寛解したという診察を受けてからにしてください。うつ病は再発する可能性が高いといわれている病気です。また、症状の浮き沈みがあるため、「今週は大丈夫」でも次の週が大丈夫という保証はありません。転職活動は、どんな人でも多かれ少なかれストレスを受けるものです。うつ病の再発や悪化を防ぐためにも、必ず医師と相談してから始めるようにしましょう。
転職活動をする際には、うつ病を始めとするメンタルヘルス問題に寛容な会社を探すことも大切です。この場合、病歴を隠さずに堂々としていられることや、入社後に体調がすぐれない時に周囲の理解や協力を得られやすいことがメリットして挙げられます。うつ病による休職や退職を繰り返さないためにも、自分らしく長く働き続けられる会社を選んではいかがでしょうか。
仕事が原因でうつ病になった人は、責任感が強く、真面目で人を気遣うことができる人が多いようです。「ミスをして周りに迷惑をかけてはいけない」「こんなことで弱音を吐くなんて、ただの甘えだ」等、仕事において自分を律することは大切ですが、時には自分を解放し、労わることも必要です。自分の思っていることを、誰かに話してみることもその方法の1つです。例えば気軽に相談できるオンラインカウンセリングを活用してもよいでしょう。不満や悩みを溜め込まずに、定期的に解放させることが大切です。
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今回は、うつ病で退職をする際に気をつけたいことや気になることを解説しました。退職は生活に関わる大きな決断です。この記事を参考に、様々な選択肢を検討してみてください。
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