家族がうつ病になったら? ストレスを溜め込まない接し方と相談窓口

更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

うつ病にかかる人が多い現代社会、大切な家族がうつ病になってしまうこともあります。「支えてあげなければ」と思っていても、どうすればいいのかわからず家族も疲れ切ってしまうことも。今回はうつ病の方に家族が支援できること、そして家族が頼ることのできる相談窓口についてご紹介します。

家族が支援できること

うつ病の症状を理解する

まず大切なのはうつ病の症状を理解することです。「うつ病は心の問題だから気の持ちようで治るのでは」と思われるかもしれません。しかし実際には、うつ病は脳のエネルギーが不足している状態です。司令塔である脳のエネルギー不足は、気持ちを切り替えるような感情の制御だけでなく、睡眠、食欲など「生きる」ことに関わる機能を弱めてしまいます。

うつ病の治療には、何よりも「休息」を取って脳にエネルギーを取り戻すことが重要です。「何もしていない」のではなく、「エネルギーを回復しているんだな」と見守ってあげましょう。

本人の話したいことに耳を傾ける

うつ病を抱える本人が話したいことにしっかりと耳を傾けることも大切です。1人で不安を抱えるよりも誰かと共有できた方が楽になります。「何かアドバイスしなければ」と考えたり、「そんなことないよ」と否定したりする気持ちも浮かんでくるかもしれませんが、まずは本人の気持ちに寄り添って、丁寧に話を聴いてみましょう。

病院を調べる・勧める

うつ病になると、考えたり判断したりといった働きが十分にできません。そのため、家族が病院を調べて勧めてあげることは大切な支援の1つです。

うつ病を「心の弱さ」だと感じており、家族が通院を勧めても「自分はうつ病じゃない!」と心療内科や精神科の受診に抵抗する方もいます。そういった場合は、まずは「眠れていないのが心配」など身体の不調を診てもらうところから誘ってみることから始めてみましょう。

病院に付き添う

病院受診が決まったらぜひ付き添ってあげてください。うつ病の方にとって初めての病院は不安を感じやすく、診察のための問診票への記入などの手続きも負担になる可能性があります。また、自分の状態や心配事をうまく伝えられないこともあります。

家族が一緒に付き添っているだけで、安心感が得られます。もちろん、診察のメインは本人なので、できるだけ本人を見守りつつ、本人が困ってしまう場面ではサポートしてあげると良いでしょう。また家族から見た本人の様子も客観的に伝えることで、より良い治療につなげることができます。

出来ないことは専門家に

家族だけでは対応できないこともあります。例えば、本人がずっとネガティブな気持ちを話し続けるのを聴いていると、家族も気持ちが重く、疲れてきてしまいます。また就職についての不安に具体的にアドバイスするのも家族だけでは難しいこともあります。

そういった場合には臨床心理士や精神保健福祉士など、専門家を頼るのがおすすめです。本人にとって適切なサポートがもらえるだけでなく、普段支え続けている家族も休息を取って、気分転換する時間が得られます。

支援する家族がストレスを溜めないために気をつけること

自分を責めない

家族は「もっと自分が早く気づいていれば」「もっと話を聞いてあげていれば」など自分を責めてしまうことがあります。しかし、うつ病の本人は「自分は頑張れる」ということをアピールするためにしんどさやつらさを隠していることが多くあります。そのため、症状が悪化するまでうつ病のサインに気づけないのは当然のことと言えます。自分を責めないことが大切です。

辛い気持ちを抱え込まない

うつ病の治療には長い時間かかることがあります。うつ病を理解してサポートしていても、ずっとネガティブな発言を繰り返されると辛く感じてきます。

辛い気持ちを抱え込んでいると、ストレスが溜まり、支援する家族も心身の不調に悩まされたり、うつ病の本人が憎らしく思えてきたりします。辛い気持ちを抱え込みすぎず、友人に話したり、カウンセラーなどの専門家に相談したりして息抜きをしましょう。

頑張りすぎない

家族がしなければならないことはうつ病を抱える本人のサポートだけではありません。日常的な家事や、場合によっては経済的な問題への対処も考えなければなりません。これらを家族だけでなんとかしようと思うと、家族全体が疲れ切ってしまいます。

家族だけで頑張りすぎず、専門家や専門機関に相談し、サポート資源を活用することがストレスを溜めないポイントです。

うつ病を抱える家族に無理にしないほうが良いこと

励ましの言葉をかける

うつ病の方に「頑張ろう」と励ましの言葉をかけると、「これだけ頑張ったのにまだ頑張らないといけないのか」とネガティブに捉えられることがあります。うつ病を抱えた本人に励ましの言葉は無理にかけない方が良いでしょう。

気分転換に連れて行く

気分転換のつもりで散歩や運動に連れて行くこともおすすめできません。うつ病を抱えた方は、外に出かける準備、まぶしい光、ざわざわとした音、運動すること、などすべての刺激で一気に脳のエネルギーを消費してしまいます。せっかく休息して溜めてきたエネルギーがなくなると逆効果です。本人が「ちょっと出かけてみようかな」と意欲を取り戻すまでは、ゆっくり休ませることが最優先です。

退職など大きな決断を促す

会社での過酷な労働がうつ病を引き起こした場合など、家族としては「仕事をやめれば治るのでは」と考え、退職を促してしまうことがあります。

しかし、退職など大きな決断はうつ病でない人でもストレスになりますし、悩んでしまいますよね。脳のエネルギーが不足しているうつ病の方にとって大きな判断を下すのは非常に困難で疲れる作業です。また家族の促しで退職を決めても、社会での居場所を喪失することで、より一層不安になり、うつ病の症状が悪化することもあります。大きな判断は症状が安定するまで保留するようにしましょう。

家族のためのサポートセンター・相談・カウンセリング窓口

保健所

うつ病を抱えた本人や家族からの相談に医師をはじめとした専門家が答えてくれます。面談による相談だけでなく電話相談も用意されています。また希望があれば保健師が家庭を訪問して相談を行うこともできます。予約が必要な場合もありますので、最寄りの保健所について調べておきましょう。

電話相談窓口

「いのちの電話」や「よりそいホットライン」「こころの健康相談統一ダイヤル」など多くの電話相談窓口があります。24時間体制で相談を受け付けているところや、無料相談ができるところ、専門家が相談を受けてくれるところなど、様々なニーズに合わせた電話相談窓口があります。自分に合った相談窓口を選ぶと良いでしょう。

国・自治体のカウンセリング窓口

精神保健福祉センターでは、医師や看護師、ソーシャルワーカー、臨床心理士などのスタッフがおり、予約をすれば無料で相談を受け付けてくれます。家族からの悩みも受け付けていますのでぜひ活用しましょう。

また、相談支援事業所では生活面での困りごとについて相談支援専門員に相談することもできます。地域の社会資源を活用するための情報を提供してもらえるので役に立ちます。

オンラインカウンセリング

オンラインカウンセリングでは、相談に出向かなくても自宅で臨床心理士をはじめとした専門家に相談することができます。

cotreeでは、相談内容や時間帯、カウンセラーを選んで相談できるため、わざわざ足を運ぶ手間なく専門的なカウンセリングを受けることができます。またメッセージ機能を使うことでいつでも気軽に相談することも可能です。

うつ病患者の家族向けコミュニティサイト

うつ病患者の家族向けコミュニティサイトの活用もおすすめです。家族同士でつながることで抱えていた悩みを互いに相談することができます。悩みの解決だけでなく、「1人じゃない」と感じられることが安心感や意欲につながります。

また、専門家からのアドバイスやコラムによって正しい知識を得ることで、うつ病を抱えた本人の支援にも役立てることができます。

うつ病は本人だけでなく、家族も長く付き合っていかなければなりません。家族も自分を大切にして心身の健康を維持することが、うつ病を抱えた本人の何よりの支援になります。ぜひ家族だけで抱え込まず、専門家やサポート資源を頼ってみてくださいね。

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