更新日 2025年04月15日 | カテゴリ: 恋人との関係・夫婦関係
「返信が遅いと、嫌われたのでは?と不安になる」「誘われないと自分は必要とされていないと感じる」「相手の交友関係が気になり、束縛してしまう」
…他人から距離を取られることを極度に恐れる「見捨てられ不安」があると、人間関係を築く時の支障になりえます。
今回はそんな「見捨てられ不安」の特徴や原因、解消方法についてまとめました。
この記事のまとめ
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「見捨てられ不安」とは、大切な人に拒絶されたり、関係を終わらされたりすることに対する強い恐れや不安のことを指します。心理学では「分離不安」「愛着不安」とも関連する概念です。
恋人やパートナーから距離を置かれることを極度に恐れたり、友人や同僚・上司から見放されることに対して不安を覚えたりすることで、相手の態度に敏感になったり、自己犠牲的になったり、過剰な連絡や確認をしてしまうことがあります。
幼少期に両親などの保護者などとの安定した愛着関係が築けなかった場合、見捨てられ不安になりやすくなります。
特に、親の不在、拒絶、過干渉、無関心、あるいは虐待などがあると、「自分は愛される存在ではない」という考えが心に根づき、人との距離感が極端に近くなったり、逆に恐れから避けがちになったりする傾向があります。
大切な人との別れや裏切り、死別、離婚などの喪失体験を繰り返すことで、「人はいつか自分の元からいなくなる」という不信感が強くなり、見捨てられることへの恐怖が慢性化します。
恋人や友人に対しても過敏に反応し、ちょっとした無視や沈黙すら「拒絶」として受け取ってしまう傾向があります。
自分に価値がない、魅力がないと思い込んでいる人は、「相手はいつか自分を見捨てるはずだ」と不安を抱きやすくなります。
自分の存在に自信が持てないため、相手のささいな言動を見捨てられる予兆として感じ取り、過剰にしがみついたり、先回りして距離を取ったりと、関係性において不安定な行動を取りがちです。
1. 相手の表情や言葉に敏感
2.連絡や会う頻度が変わると感情的になる
3.返信が遅れたり途絶えたりすると不安・怒りが湧く
4.「私のこと本当に好き?」「嫌いになってない?」と愛情確認を繰り返す
5.相手に嫌われないように過剰に尽くす
6.「どうせ離れていくなら」と突然距離を取る
7.過去の別れや裏切りに囚われ、「また同じことが起きる」と思い込む
8.一人の時間が極端に苦手
9.相手に依存しやすい
10.「この人だけはわかってくれる」と相手を理想化し、少しでも違うと失望して怒る
11.愛情を確認するために、相手を困らせたり、試すような言動をとる
見捨てられ不安が強いと、相手への依存が過剰になり、「常に一緒にいたい、連絡がないと不安」という状態になります。
最初は相手も「求められている」と感じますが、次第に「重い」「自由がない」と感じ、距離を取りたくなります。結果的に、本当に関係が壊れてしまい、悪循環が生まれます。
「本当に私を大切に思っているのか」を確かめたくて、あえて冷たい態度をとったり、極端な言動で相手の反応を試すと相手は混乱し、信頼を損なう原因に。
この「試し行動」を繰り返すことで「面倒な人」「扱いにくい人」という印象を与え、関係性が不安定になります。
相手に嫌われないように、自分の欲求を抑えて相手に合わせ続けると、徐々に不満がたまっていきます。我慢を重ねた結果、突然爆発してしまうこともあります。
表面的にはうまくいっているように見えても、内面ではアンバランスな関係が続き、いずれ破綻を招く可能性があります。
自分と他人の境界線が曖昧になると、相手の感情や行動に一喜一憂し、自分の感情がわからなくなることがあります。
相手の機嫌や言動に過度に振り回され、「この人がいないと私はダメ」と共依存状態に陥ることも。これは双方にとって不健全な関係を招き、自立や対等な関係性を崩してしまいます。
矛盾するようですが、「どうせ捨てられるなら最初から深く関わらない」と考えて、自ら距離を取ってしまうケースもあります。
人と親しくなることに潜在的な恐怖があるため、親密になりそうになると自ら関係を壊したり、突然冷たくなったりします。この回避的な行動もまた、孤独感や満たされなさにつながります。
見捨てられ不安の根底には「寂しさ」「怒り」「悲しみ」という感情が隠れています。
まずは「不安だからLINEを連投したんだな」「今、孤独を感じているんだな」と感情を冷静に言語化することが第一歩。日記などで感情を書き留める習慣をつけてみましょう。感情を否定せずに認めることで、自分をコントロールする力が徐々に育ちます。
自分と他人の間に健全な境界線を引くことで、依存や過干渉を防ぎます。
相手の感情や反応を自分の価値と直結させないようにし、「相手は相手、自分は自分」という立ち位置を保つ練習が必要です。
そのためには、自分が本当にやりたいこと、感情、そして限界を知ること、さらにNOを言う練習も有効です。
「見捨てられないために好かれる自分でいなければ」という思い込みを手放し、「好かれても好かれなくても、私は大丈夫」と思える自己基盤を育てることが大切です。
そのためには、小さな成功体験を積み重ねたり、自分を褒める習慣、好きなことを大切にする時間を持つなど、「私は私でいい」と思える環境づくりが効果的です。
具体的には、以下の中で自分に合うことを習慣にしてみましょう。
・「できたことリスト」をつける
・「~すべき」ではなく「~したい」で考える
・「ありがとう」、「ごめんね」を自分にも言う
・週に1回、自分の「好きなもの」に触れる時間を確保
見捨てられ不安の背景には、過去の愛着の傷やトラウマがあることが多いです。
信頼できる専門家とともにそのルーツを探り、感情を整理していくことで、思考や行動のパターンを変えていくことが可能です。
オンラインカウンセリング「cotree」では、愛着やトラウマ、人間関係の悩みに関する相談ができるカウンセラーが多数登録しています。
好きな場所から好きな時間に相談ができるので、ぜひ気軽に話してみてくださいね。
見捨てられ不安のある人は、何度も「大丈夫」「そばにいるよ」という安心のサインを必要とします。
「あなたのこと、大切に思ってるよ」などとこまめに肯定的な言葉や安定した態度を示すことで、相手の心に「見捨てられない経験」を積み重ねることができます。
相手に不安を伝えられた時に、まずは「そう感じたんだね」と共感することが大切です。
不安は理屈ではなく感情から来るものなので、受け止められることで相手は徐々に落ち着きを取り戻します。共感は「あなたの不安ごと、ここにいていいよ」というメッセージになります。
相手がしがみついてくると、ついこちらも巻き込まれがちですが、自分自身を守る境界線も大切です。
例えば「今日は一人の時間をとりたいけど、また明日連絡するね」など、愛情を伝えた上で距離を取る工夫が効果的。適切な境界を教えることも、相手の成長を支える優しさのひとつです。
見捨てられ不安がある人は、自分の不安を「重い」「迷惑」と思って隠すことがあります。だからこそ「不安なときほど話してくれていいんだよ」と伝えることで、安心して助けを求められる関係が築けます。
これは「不安を共有しても関係は壊れない」という経験となり、本人にとって大きな癒しになります。
つい「もっと自立してほしい」と思いがちですが、不安の背景には深い傷や愛着の問題があるため、変化には時間がかかります。
自立を強要するのではなく、安心できる関係の中で徐々に「一人でも大丈夫」と思えるようになる過程を見守る姿勢が大切です。
「見捨てられ不安」の根っこにある、過去の経験やトラウマは本人が自覚していなかったり、思い出すことに対して強い恐怖がある場合もあります。
また、パートナーや家族、友人など身近な人に「見捨てられ不安」があると、相対する人にも負担がかかり、冷静に対処し切れないこともあるでしょう。
そんな時はぜひ、気軽にカウンセリングに頼ってみてください。
カウンセリングでは、心理の専門家が不安の原因を整理しながら、「見捨てられ不安」の改善に向けてサポートをします。
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