「自分の顔が嫌い」と感じたことはありますか？
誰かと比べたり、鏡を見るたびに落ち込んでしまったり。そんな気持ちは決して珍しいものではありません。

この記事では、そのような気持ちの背景に寄り添いながら、心を整えるヒントをご紹介します。

目次

1. 「自分の顔が嫌い」と感じる理由とは？
2. 「自分の顔が嫌い」な人が陥りやすい行動
3. 自分の顔との向き合うためのヒント
4. 「自分の顔が嫌い」で苦しい時は、カウンセリングを頼ってみて

「自分の顔が嫌い」と感じる理由とは？

自分の顔が嫌いと感じる理由は、人によって異なりますが、いくつか共通する背景があります。ここでは、その主な要因を探っていきます。

他人の評価や社会的な美の基準の影響

SNSやメディアで日々目にする美しい人の基準は、私たちに知らず知らずのうちにプレッシャーを与えています。
完璧に整った顔立ちや加工された画像を見ることで、自分の顔とのギャップを強く意識してしまうのです。

とくに過去に「かわいくない」「〇〇に似ているから変」などと言われた経験があると、その言葉が心に深く残り、自分の顔に対する否定感につながりやすくなります。
このように評価の基準が偏っていることも、自己否定を助長させる要因の一つです。

過去の経験やトラウマ

容姿に関するトラウマの多くは、幼少期から思春期にかけての経験に由来します。
たとえば、友人や家族からの何気ない一言、学校でのからかい、兄弟姉妹との比較などが、「私は外見的に劣っている」という強い思い込みをつくってしまうことがあります。

特に繊細な性格の人ほど、その記憶が長く心に残りやすい傾向にあります。
また、繰り返し同じような場面に遭遇することで、「どうせ私は可愛くない」「だから人に好かれない」といった思考が根づきやすくなります。

自己肯定感の低下

自己肯定感が低いと、自分の顔に限らず、あらゆる面で「私はだめだ」と感じやすくなります。

たとえば、仕事での失敗、人間関係のもつれ、思うようにいかない出来事などが重なると、「自分には価値がない」と感じるようになり、それが外見に対する否定として表れるケースも少なくありません。顔は自分の一番外側にある情報なので、そこに否定感が集中しやすいのです。
「私なんて…」という気持ちの背景には、自分自身への信頼の欠如が隠れていることが多くあります。

「自分の顔が嫌い」な人が陥りやすい行動

「自分の顔が嫌い」という感情は、行動にも影響します。気づかぬうちに自分を追い詰めているかもしれません。

鏡を避ける、写真に写らない

自分の顔を意識的に避けるようになると、日常生活の中でもふとした瞬間にストレスを感じることが増えます。
鏡を見るたびに嫌な気持ちになるため、徐々に鏡を避けるようになり、外出先のトイレや化粧室でも鏡の前に立つことが苦痛になります。

また、写真に写ることを拒否し、自分の存在を「記録」から消してしまうような感覚に陥ることもあります。こうした行動が続くことで、自分自身の肯定感がさらに下がりやすくなります。

外見を過剰に隠そうとする

自分の顔を隠すために、濃いメイクや大きなマスク、帽子やサングラスなどで常に外見を覆おうとすることがあります。
一見おしゃれに見えることもありますが、内心では「顔を見られたくない」という強い不安や恥ずかしさが根底にある場合も。

このように外見を覆う行為が習慣になると、「ありのままの自分ではいられない」という感覚が強まり、他者との関係性においても距離を感じやすくなってしまいます。

対人関係の回避

人と関わること自体がストレスになり、外見を理由に予定を断ったり、集まりを避けるようになってしまうことがあります。
「どうせ見た目で判断される」「私なんていても意味がない」という考えが先行し、誰かと会う前から不安や自己否定感に包まれることもあるでしょう。

結果として、孤独を感じやすくなり、さらに自己評価が下がるという悪循環に陥ってしまうことがあります。

自分の顔との向き合うためのヒント

では、自分の顔と向き合い、苦しまずに過ごしていくにはどうすれば良いでしょうか？考え方と行動のヒントを紹介します。

「嫌い」と感じる自分を否定しない

顔を嫌いと感じる自分自身の気持ちに蓋をしてしまうと、感情は見えない場所で蓄積されていきます。
「嫌い」という感情は、心が発する大切なサインでもあります。それを無理にポジティブに変えようとせず、まずは認めることが、心を癒す第一歩になります。

否定するのではなく、理解する姿勢をもつことで、少しずつ自分との距離が変わっていく可能性があります。

感情に名前をつける

「モヤモヤする」「落ち込む」という気持ちの奥には、実はもっと具体的な感情が隠れていることがあります。「悲しい」「悔しい」「さみしい」「腹が立つ」など、感情に名前をつけることで、自分の気持ちを客観的に見つめやすくなります。

感情に名前をつけることは、頭の中でぐるぐるしていた思考が整理され、気持ちに向き合いやすくなる効果もあります。日記に書いたり、スマホのメモに残したりするだけでも、感情を見つめる練習になりますので、やりやすい方法で始めてみましょう。

小さな肯定を積み重ねる

「顔を好きになる」ことを目標にすると苦しくなりがちですが、「少しでも自分を肯定できる瞬間」を積み重ねていくことは、現実的かつ効果的です。

たとえば「今日は似合う服を着られた」「仕事を頑張った自分にコーヒーを買ってあげた」というような、ごく小さな自己肯定の機会を見つけて記録していきましょう。
それが習慣になると、自分の価値を見直すきっかけにもなり、心の安定にもつながっていきます。

SNSとの付き合い方を見直す

SNSで見る他人の華やかな投稿は、つい自分と比べてしまいがちです。加工された写真や成功体験ばかりが並ぶタイムラインを見ることで、自分への否定感が強まってしまうこともあります。

そこで、見ていて落ち込むアカウントは思い切ってフォローを外し、自分の心にとってやさしい情報を選び取るようにしてみましょう。SNSを見る時間を意識的に減らしたり、情報との距離感を見直すことも、心を守る有効な手段です。

自分の価値観に目を向ける

「美しさ」や「好かれる人」の基準は他人や社会によって決められていることが多く、自分自身が本当に大切にしたい価値観とは違うこともあります。

他者の目を基準にするのではなく、自分が「これが心地よい」「こうありたい」と感じる感覚を大切にすることが、外見へのプレッシャーを和らげてくれます。小さなことでも、自分が嬉しいと感じる行動や選択を意識的に取り入れてみることが、自己肯定感を育てる第一歩になります。

「自分の顔が嫌い」で苦しい時は、カウンセリングを頼ってみて

自分の顔が嫌いだと感じるとき、その思いを無理に変えようとせず、まずは気持ちに気づくことが大切です。

どうしても苦しいときは、誰かと話すことが気持ちの整理につながります。自分の話を聞いてもらい、客観的な視点を入れることで、苦しい気持ちから解放されるヒントが得られるかもしれません。

オンラインカウンセリング「cotree」では、外見のコンプレックスを含む自己否定の悩みにも、カウンセラーが寄り添います。カウンセラーには守秘義務があり、プライバシーにも配慮されているため、安心して気持ちを打ち明けられますので、ぜひ気軽に相談してみてくださいね。