更新日 2024年08月21日 | カテゴリ: キャリア・人生・仕事の悩み
ゴールデンウィークが明けて、さぁ仕事再開!というときに、どうにもやる気が出ない、憂うつさが頭をもたげる、朝出かけるのが億劫、……という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
友達に相談すると「あぁ、五月病じゃない?」と言われるかもしれませんね。
「五月病」という響きには、「そういう季節」である五月が過ぎれば自然と治るよ、というニュアンスが含まれているように感じられます。「そんなに気にしなくていいんじゃない」という意味を込めて、「五月病じゃない?」と言われることが多いようですが、本当にそうでしょうか。
日本では、4月が就職や引っ越し、異動、昇進などで環境が大きく変わる時期ですね。
期待と意欲を持ってスタートダッシュを切った後、その勢いが一服するゴールデンウィーク明けに、憂うつさや不安が高まることが多いことを指して、一般的には五月病と称されます。
例えば今までとは違う仕事上の責任を負うようになったけれど、1ヵ月取り組んでみて、なかなかうまくこなすことができない。
新しい上司の指示の仕方に慣れることができなくて、不満が生まれてくる。
新しい土地や友人、周囲の環境に馴染むことができない。
こんな環境や役割の変化に対して対応できず、不安やストレスが高まり、意欲を維持しづらくなる時期が5月という時期です。
五月病という言葉は医療上の診断名としては存在せず、実際に5月にうつ病が増えるという統計データも少なくとも国内では見当たりません。
単純に「この時期、そういう人が多いような感じがする」という現象を指して、「五月病」という概念が広まったのです。
「あぁ、五月病じゃない?」という態度がはらんでいる「そういう季節だし、環境が変わったんだし仕方ないよ。時間がたてば良くなるよ」というニュアンスには、3つの注意すべき前提が潜んでいます。
・「そういう季節だよ」=今生じている問題は当たり前のことである
・「環境が変わったんだから」=環境の変化は自分にはコントロールできない
・「時間がたてば良くなるよ」=放っておけば、自然と問題が解決する
実は、このような3つの考え方は、悩みの解決を妨げる考え方でもあります。
環境の変化に対応できないという問題に「五月病」とレッテルを貼り、「この季節に憂うつになるのは当たり前」という考え方をすることで、今生じている問題が季節や環境のせいだと納得して、自分自身が抱えている問題から目を遠ざけてしまいます。
本当は自分の行動や思考が原因で環境に適応できない問題が生じているかもしれないにも関わらず、「季節のせい」と考えて自分の問題を直視しないことで、問題が長期化してしまうこともあります。
「一般的にはこの季節に憂うつになるのは当たり前なのかもしれない。でも今自分が抱えている問題はなんだろう?自分のどのような考え方が問題に影響しているのだろう?」と問題を一般化することなく、自分に引きつけて考える癖をつけることが大切です。
ストレス状況から逃げられない体験が続くと、そのストレスを回避するために必要な努力をしなくなってしまう「学習性無力感」という概念があります。
何度かストレス回避を試みるも、それが実現しないと、「もう自分にはコントロールできないんだ」と考え、本来であれば逃げられる状況であっても、逃げようという努力すらしなくなるのです。
「もうこんな会社だから仕方ない」「自分にはどうしようもない」「自分が我慢すればいい」という考え方で「学習性無力感」に陥ると、人は苛立ちや憂うつさなどを抱えやすくなると言われています。
環境がそうだから……と諦めてしまうのではなく、「今の環境は何が問題だろう?その状態に対して、どんな風に自分は対応したらよいだろう?今の状態で、何ならできるだろう?」と自分がコントロールできることに意識を向けるようにしましょう。
確かに時間が経つにつれ、状況や環境が変化し問題が解決することはあります。ただ、憂うつな感情や不安感といったことは、必ずしも時間が解決してくれるものばかりではありません。
時間の経過に伴い他人や環境が変化することで、問題が解決する
例:人手が足りず仕事量が多いことがストレスだったが、新入社員が入ってきて仕事が楽になった。最初は辛かった通勤も徐々に慣れてきた
①自分のスキルアップ/能力向上により、問題が解決する
例:新しい仕事に慣れなかったが、一生懸命取り組んでいるうちに時間内で仕事がこなせるようになった
②自分の考え方や行動の変化により、問題が解決する
例:上司とうまくいかなかったけれど、上司の考えを尊重しながら、コミュニケーションをより丁寧にしたことで上司との関係が改善した
放っておけば慣れていく、環境が変わって解決するという問題もありますが、「自分のスキルアップや能力向上により解決するもの」「自分の考え方や行動の変化により解決するもの」については、待っていても変化は起こらず、自分が意識的に変わっていく必要があります。
時が解決してくれるのをただ待つのではなく、まず「自分が抱えている問題は時が解決するのか?しないのか?」を考え、時が解決しないとすれば、「今、何をする必要があるのか?」と考えてみることがとても大切です。
五月病にどう対処するかは生活の中で「問題が生じたときにどう考えるか?」を象徴しています。
「新しい環境になかなか慣れない」「適応が難しい」「うまくいかない」というときに、「憂うつなのは当たり前(問題の一般化)」「環境は変えられない(問題に対する無力感)」「問題は時間が解決する(問題の先送り)」と捉え、他人や環境が変わるのを待っていると、問題が積み重なり、雪だるま式に大きくなっていく可能性もあります。
憂うつさや不安な気持ちは、今ある問題を特定して解決につなげるチャンスでもあります。
「なんとなく落ち込んでいるだけ」と無視するのではなく、「何が不安や憂うつさを生み出しているのか?」「自分のどんな考え方が影響しているのだろう?」「今の状況で、何ならやってみれるだろう?」としっかり向き合っていくことが、環境の変化にうまく適応していくためにとても大切なことなのです。
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