更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい
「本当は自分の気持ちをもっと伝えたかったのに、言いづらくてあまり言えなかったな」
「どうせ言っても分かってもらえないから、言わないでおこう」
このように考えて相手に言いたいことを伝えそびれてしまうことはありませんか?
もちろん、言いたくても自分の気持ちを言いづらい状況があるかもしれません。または、事をスムーズに運ばせたり相手に配慮したりするために、自分の言いたいことを後回しにすることもあるでしょう。
しかし、そのような状況がずっと続いてしまうと、自分の考えがなくなり何も自分で決められなくなってしまいます。また、自分の言いたいことをうまく表現できなくなります。
さらに、気持ちを伝えないままでいると欲求不満や怒りの感情がたまり、心が不安定になってしまいます。
蓄積された怒りなどによって突然キレたり、あるいはそのまま我慢し続けてもうつ状態になることもあります。そこまでの状態にいかなくとも、うまく自分のことを言えない状態が続くとモヤモヤとした気持ちになります。
アメリカの心理学者ウォルピは、「人間関係における自己表現」には大きく3つのタイプがあると示しました。
1 )自分よりも他人を優先して自分のことは後回しにするタイプ
2 )自分のことばかり考え、他人をふみにじるタイプ
3 )自分のことを考えるが、他人のことも配慮するタイプ
日本のアサーショントレーニングの第一人者である平木は、1 )のタイプを「非主張的(ノンアサーティブ)」、2 )を「攻撃的(アグレッシブ)」、3 )を「アサーティブ」なタイプとそれぞれ呼んでいます。
お互いを大切にしながら、率直・素直に自己表現する「アサーティブ」なコミュニケーションを実現するための考え方やスキルを「アサーション」といいます。
私たちは一人ひとり違う人間であり、それぞれ違う考え・感情を持っています。
自分らしくあってよいということは、自分の欲求が他の人と一緒でなくてもよいということです。
さらに視点を変えると、他の人もその人らしくあってよいといえます。
自分と他の人の思いは必ずしも一致しません。その場合は、お互いその人らしくあってよい前提のもとでそれぞれの思いを表現します。
そして違いを受け止め合うことで、お互いが歩み寄ることができるのです。
他の人の尊厳を侵さない限り、自分の気持ちや考えを表現して相手に分かってもらおうとしてよいということです。<これは誰でも平等にもっている権利です。
しかし、例えば上司や先生に自分の意見を言いにくいということはありますよね。
このように、自分の社会的地位、役割や年齢などのイメージによって行動して、自分のことがうまく言えないことも多くあるでしょう。
社会の中で生きていくには、こうした地位や役割などを無視してよいというわけではありません。
しかし、いつもこうした社会的なイメージに沿って行動していては、自分で自分の本来の気持ちをないがしろにしてしまうことになります。
人間は平等であるということは当たり前のように聞こえますが、コミュニケーションのときにも、誰もが平等に自分の思いを表現できることを忘れないようにしましょう。
「我慢」や「空気を読む」といったことは、日本の美徳とされてきました。場面によってはそうしたことが効果的で、人間関係も円滑にいくことがあります。
しかし、そればかりではその場を取り繕うだけで、自分自身の考えや気持ちがないがしろになってしまいます。
もしあなたにこうした傾向があり、コミュニケーションで悩んでいる場合はアサーションの考えや方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
よりよいコミュニケーションや人間関係の構築のための助けになるでしょう。
平木典子 著 図解 自分の気持ちをきちんと「伝える」技術―人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ
平木典子 著 アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
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