更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 恋人との関係・夫婦関係
恋人や配偶者同士など、カップル間における「言葉での暴力」「態度での暴力」をはじめとする、「精神的な虐待・嫌がらせ」を意味する「モラル・ハラスメント」については、まだその概念が浸透していないというのが現状です。
実際に手を挙げられることが少ないため、被害者側も「理不尽な暴力だ」と気づいていないこともあります。
「いつも夫(妻)や恋人に怒られているのは、自分が悪いからだ」と思っていませんか? もしかしたら、それはカップル間の「モラル・ハラスメント」かもしれません。
モラハラの特徴は、一見すると加害者側の言い分が「正論」に見えることも多い点です。
モラハラを起こす人は、ほんの少しのパートナーの「失敗」を過大に責め、小さな失敗に対して大きな「罰」を与えます。
例えば「待ち合わせに1分遅れた」「料理を出すのが決まった時間よりも少し遅かった」「たった一言の『言い間違え』があった」…
このような些細なミスについて、様々な「非難の態度」が続くのです。非難の態度は、必ずしも目立つ「暴力的な態度」とは限りません。
些細なミスに対し1時間以上も説教が続く、無視を続ける、料理を食べない等、一見すると「暴力」には見えないような加害を与えていることもあります。
そして加害する側は、これらの害に対して「パートナーが間違っている、自分は正しい罰を与えているのだ」という絶対的な自信を持っているのです。
モラハラを受ける側も、当初は相手を宥めたり、「言い返し」をすることもあります。
しかし加害する側は強い「正当感」に満ちており、口論が達者であることも多く、反発するほどに強い「罰」を相手に与えるのです。
言いくるめられ、「自分が悪いのだ」と理不尽に納得させられるまで暴力を受け続け、モラハラ被害を受けている側はいつしか「反発すれば、より酷いことになる」という「学習」をしてしまいます。
心理学で言うところの「学習的無力感」こそが、被害者側が周囲にモラハラの訴えを起こさない一つの要因となっているのです。
また加害する側によって繰り返される強い「否定」の態度により、「自分が悪いから怒られるのだ」「自分が間違っているのだ」という強い自己否定感を植え付けられることになります。
「モラハラ」の加害側は、パートナーや家族以外の「他者」に対しては愛想が良く、穏やかな人格をまとっていることもあります。
付き合い始めや新婚当初はその性格にパートナーが気づかないことも多いですし、周囲や両親等ですら「人当たりの良い人間」と捉えていることも多いのです。
また会社等の職場では臆病な人が、家庭内・カップル間でその抑圧をパートナーに対しぶつけていることもあります。
家族だけ、二人だけと言った関係性になった途端に尊大な態度に切り替わるのです。
モラハラをしやすい人には、「共感力が著しく低い」「人を高評価しない」「自分が絶対的に正しいという万能感を持つ」「被害者意識を持つ」「人を信頼していない」「偉そうな態度をとる」「人の幸福をいやがる」「ストレス耐性が低い」等の特徴を持っています。
そのため被害側と加害側の「歩み寄り」が非常に難しいと言うのもモラハラの早急な解決を困難なものとしています。
モラハラの対策として、当人同士での話し合いが難しい場合や、被害者側の一種の「洗脳」状態が解けない場合には、一時的にでも加害者・被害者の間に物理的・時間的な距離を置くことが重要とされています。
しかし上記のとおりモラハラを行う人はパートナー以外に対して愛想が良いこともあるため、友人等にモラハラを訴えても「まさか、あの人が?」と信じて貰えないケースが少なくありません。
またかつて「亭主関白」がまかり通っていた日本では、夫のモラハラについて高齢者層(実父、実母等)に訴え出ても、「その程度なら」「我儘なのでは?」という対応をされ、逃げ場を失ってしまう被害者も多数居ます。
また妻・女性パートナー側からのモラハラを受ける男性も多くいますが、「男なんだから」と言った理不尽な言葉でモラハラに耐え続けている人も居るのです。
「もしかして、モラハラかも」と思い、周囲の理解を得られない場合には、専門家の手を借りることが大切。
専門のカウンセリングや心療内科等の医師への相談、NGOや自治体の行政窓口等を利用してみましょう。
モラハラの内容はその加害者によって大きく異なります。そのため、今回挙げた例のみが「モラハラ」とは限りません。
周囲や専門家に相談する場合には、加害者側から受けた言葉やその内容を、できるかぎり正確に記録しておきましょう。
日にちや頻度、説教を受けた時間等、客観的に把握しやすい情報の記録が、周囲からの理解を深めることに繋がります。
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