更新日 2024年08月21日 | カテゴリ: カウンセリング
"カウンセリング”と言われると、どのようなカウンセリングが思いつくでしょうか。少なくとも私は、はじめのころ「カウンセリング=アドバイスを一切せず、相手の話をよく傾聴する仕事」と思っていました。それ自体は概ね間違ってはいないのですが、”実はアドバイスを積極的にするカウンセリング”も世の中にはあったのです。
しかも、”アドバイスを積極的にするカウンセリング”どころか、カウンセリングで行われる心理療法の中にも”対人関係をすっかり変えてしまう心理療法(家族療法、対人関係療法など)”、”トラウマを完全に解消してしまえる心理療法(EMDRなど)”、”うつ病や不安障害の予防ができる心理療法(認知行動療法、マインドフルネスなど)”、”幸せ度(生活満足度)を高める心理療法(解決志向アプローチなど)”、最終的には”原因不明の不安や身体症状まで解消してしまう心理療法(ソマティック・エクスペリエンスなど)”までありました。
最初、私がカウンセリングを学び始めたころには、正直カウンセリングにそこまで期待していませんでした。10年以上の間、臨床心理学を学んでいく中で色々な心理療法に出会い、ますます興味が増してきています。
ただ、残念なことに、まだまだこういう心理療法を学べる環境も学ぼうと思っている人も少なく、なぜか十分に広まってはいません。心理療法を行うカウンセラー側も、それを紹介する心療内科や精神科の医師も知っている心理療法のスタイルが限られているのですから、一般の人は知りうるはずもありません。
一般の人は、そういった心の悩みや対人関係、家族関係の悩みを抱えたときにどうするのでしょうか。やはり、一般的によく選ばれる選択肢として「心療内科(精神科)に行く」ということがあります。心療内科(精神科)では、初回の診察時を除いて、30分以上話を聴いてもらえることはまれで、一人あたり長くて10〜15分程度です(もしあなたが心療内科で、毎回30分以上話を聴いて頂いているようでしたら、それはとても良心的な医師に出会えたということかもしれません)。
誤解のないようにお伝えしておきますが、医師が金儲けしたいから、もしくは意地悪だから、診察をこんな短時間にしているのではありません。全ての患者さんに対して、保険診療で一人あたり30分や50分といった長時間を割いていると、クリニックや病院の運営がままならなくなってしまうのです。ですので、どうしても保険診療の中では投薬治療がメインとなってしまいます。
よく言われることですが、「心の悩みがお薬で解消される」というのは不自然な感じがしますね。もちろん、不安や抑うつ、恐怖感などの不快な感情はお薬によって軽減されますが、お薬を飲むことで恋人と仲直りできたり、友達ができたり、コミュニケーション力がアップしたり、家族関係が劇的によくなったりすることは想像しにくいのではないでしょうか。
この文章を読んでいただいている方に、ここで注意していただきたいのですが、私はお薬批判や心療内科(精神科)批判をしたいわけでは、全くありません。精神科系のお薬はとても精神的に辛いときには非常に役立つものですし、そのお陰でなんとか普段の生活を過ごせている方がたくさんいらっしゃいます。ですので、ニセ医学で語られるような「精神科系のお薬は一切飲むな」とは断じて思っていません。
現在、世間的に最もよく知られている心の悩み対策が「心療内科(精神科)のお薬を飲む」で、2番目に知られているのが「アドバイスをしない傾聴型カウンセリング」ではないかと思います。もちろん「アドバイスをしない傾聴型カウンセリング」が、とても役立つ方はたくさんいらっしゃいます。ただ、選択肢として最初に挙げた色々な心理療法も、悩みを解決する手段として存在することが、もっと世間に知られていることで、クライエントさん(または患者さん)が自分で選べるような、そんな世の中になればいいなと考えています。
情報社会と言われるようになって久しいですが、相変わらず得られる情報というのは偏りがちで、有用な情報を見つけ出すのはたいへん困難です。いろんな選択肢の中から、みなさんが自分で一番良い選択肢を選べるような、そういった情報が得やすい世の中になりますように。
メッセージを添えてカウンセリング体験を贈ることができるサービスです。
悩んでいる友人や家族に心のギフトを贈りませんか?
オンラインカウンセリングを受けてみたいけど、どのカウンセラーを選べばいいか分からない...
そんな時には、マッチング診断!
性格タイプ、相談内容やご希望に沿って、あなたにピッタリのカウンセラーをご紹介します。
えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
利用された方の多くが、カウンセリングの内容に満足、または継続したいとご回答されています。