更新日 2024年08月21日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分
「うつ病」と言うと、一般的なイメージとしては「強い抑うつ状態を一日中感じている」「落ち込んでいる状態が続いているもの」と捉えられることも多い様子。
そのため「何か自分の調子がヘンだ」と感じながらも、「気のせいだ」「疲れているだけ」等、うつ病という可能性を視野に入れずに無理をしてしまう人も少なくありません。
しかし実際には、心の病であるうつ病にも、風邪のくしゃみや寒気のような「初期症状」とも言える症状が見られるのです。
「ちょっとヘンだな」と感じたら、まずは以下の4つのポイントをチェックしてみましょう。
うつ病の初期症状として非常によく見られるのが、睡眠状態の変化です。
ベッドに入ってもなかなか寝付くことができない、ぐっすりと眠れるまでに時間がかかると言った「寝入り」に問題を感じるケースもあれば、寝付きには問題が無いというケースもあります。
通常どおり眠った筈なのに、2~3時間の睡眠で定期的に目が覚めてしまう、深夜・早朝など非常に早い時間に目が覚めて、それからは眠れないと言ったケースも多々あるようです。
この他、睡眠が浅く「寝たような気がしない」と言う人や、悪夢等を頻繁に見て睡眠による休息が得られないと感じる人も。
反対に、嗜眠志向が強くなり、休日などにひたすら寝てばかりということもあります。
もちろん、心配事や落ち込む出来事があれば、このような睡眠障害が短期的に起こることは誰にでもあります。
しかし睡眠障害が長期的かつ頻繁に起こる、睡眠障害によって昼間の活動に支障が出ているようであれば早期の対策が必要です。
朝目覚めてから出勤するまでの間や、会社帰りの時間になると急速に疲労感・徒労感を得る傾向もうつ病の初期症状には見られます。
もちろんこの時間には個人差がありますが、「朝7時・8時頃~午前中にかけて」という人もいれば、「夕方4時頃から7時・8時頃にかけて」というケースも多いようです。
「単に疲れているだけ」と間違われることも多いのですが、うつ病の初期症状としての特徴としては「その時間を過ぎると疲労感が消えてしまう」という点が挙げられます。
例えば特に会社に問題があるわけではないのに、朝になると会社に行く支度をするのが憂鬱、出勤途中の足取りも重い…というケースでは、出勤をしてしまえば気が軽くなってしまい、まったく問題が見られないということもあります。
反対に夕方に疲労感がある人の場合、昼頃までは「会社が終わったら●●をしよう」等と予定を入れていたのに、退社時間が近づくに連れて何もしたくなくなる…ということも珍しくありません。
いずれにしても疲労感・気分の落ち込みなどが継続しない分、「うつ病ではない」と捉えられやすく、本人が自分の問題に気づきにくい理由のひとつとなっています。
うつ病の特徴的な傾向のひとつに、「それまで興味を持っていたものへの熱意を失う」というものがあります。
例えば趣味やテレビ、買い物、レジャーなど、好んでいたものについての行動を行うことが億劫に感じられ、例えば退社後の時間や休日などを無為に過ごしてしまうことが増えるのです。
また「空いた時間に家事や用事を済ませよう」とタスクを入れたスケジュールを立ててもそれが完遂できず、気持ちばかりが焦ってしまうというケースも少なくありません。
特にそれまで精力的に趣味やタスクをこなしていた人が徐々に行動がなくなり、「一日テレビを見ていた」「ネットをしているうちに一日が終わってしまった」と言った状態になっている場合には注意が必要と言えるでしょう。
さらに症状が重い場合、テレビの音声情報・映像情報の早さについていけなくなったり、ネット等の情報量に疲れを感じることもあります。
食事量の増減、食事内容の変化はうつ病においてよく見られる初期症状です。
食欲が湧かない、食事に対して熱意が持てない(食事が楽しみではなくなる)、今まで食べていた量と比較して少量で満腹になり、それ以上食べられないと言った「食事量の減少」が起こるケースは、抑うつ状態のひとつとして一般的にもよく知られていますね。
しかし実際には、「過食」や「偏食」、アルコールの摂取量の上昇と言った「食事量の上昇」という形で変化が現れることもあります。
通常食べないような量の食事を摂取するのはもちろん、食事に何らかの偏りが見られる傾向もあるようです。
例えばジャンクフードや菓子類などばかりを大量摂取するというケースも見られます。
今回ご紹介したうつ病の初期症状は、いずれも短期間であれば誰もが経験したことがあるようなものばかりです。
そのため本人が「変だ」と気付くことが遅れ、無理を重ねてしまうケースが珍しくありません。
症状が2週間~4週間以上継続している、日常生活に支障を来しているなどの場合には、心療内科や精神科への早めの受診をおすすめします。
病院に行くのにためらいを感じる人や「考え過ぎかもしれないし…」と不安な人は、ネットカウンセリングで相談をしてみるのもひとつの手です。
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