更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい
「いつも正直で居ることが素晴らしい」--子供の頃、そんな風に教わった人も多いはず。 例えばアメリカの大統領ワシントンが、幼いころに桜の木を切ってしまったことを正直に告白した逸話などはとても有名ですよね。
ところが心理学的に見ていくと、「いつも正直なことが本当に良い」とは言いがたいところもあります。 ここでは「ウソの重要性」と「ついていい嘘・悪い嘘」、そして「ウソをつかない方が良い人間関係」についてご紹介をしていきましょう。
例として、最近知り合った女性の知人が新しい服を着てきたとしましょう。 他の知人達はその服のことを褒めていますが、あなたはとてもそれが良いとは思えません。 なんだか派手すぎるし、彼女にも似合っていないように感じる--さて、あなたはこんな時、どんな態度を取るでしょうか?
A.「うん、いいよね」と自分の心にウソをつく
B.「全然良いと思わないけど」と正直に言う
「自分に正直であるべき」ということが美徳であれば、ここではBが正解ということになります。 しかし残念ながら、それではこの新しい人間関係にヒビが入ることは間違いないでしょう。 新しい服を着てきた女性は、それを「良い」と思って購入し、着用してきたわけです。 それをけなされてしまっては、ひどく傷つきますよね。
相手を傷つけたくはない、関係をスムーズにしたい--このような形での「ウソ」は、実は人間関係においては非常に重要なものとなってくるのです。 「正直であるべき」と自分の思ったことを素直に口に出し過ぎるのは、周囲の人を傷つけてまわるのと同じこと。 「嬉しくないこと」を言われた人たちはその人から距離を置いてしまい、結果として「正直すぎたが故の孤独さ」がついてまわることになってしまうのです。
上記のとおり、人間関係の構築の上で「最低限の嘘は必要になる」というのは心理学では認められているも同然。 しかし、だからと言ってのべつまくなしに嘘をついているのは、もちろんこれも問題ということになります。
では、どんなウソは「有り」で、どんなウソは「無し」なのでしょう?
前述のとおり、人間関係をスムーズにさせるウソとは「相手を思いやってのウソ」ということ。 「こんなことを言われたら、相手は傷つくだろう」「今はこの真実を受け止められないだろう」--そのような形で発せられるウソというのは、人間関係において大切な潤滑油となってくれるものです。 いわば「必要悪」とも言えるものですね。
反対に「つくべきではないウソ」とは、「自分の保身」のため、「自己を大きく見せるため」など、「自分のためのウソ」ということになります。
人間は「相手を思いやった嘘」については必要最低限に留めようとしますし、そこには「嘘がある」と認識しています。 ところが「自分に対しての嘘」を一度付き始めてしまうと、際限がなくなってしまうもの。 自分自身を偽り続け、ついには「付いた嘘が本当である」と思い込んでしまうこともあるのです。
ここまで「ウソは必要悪である」と述べてきましたが、これはあくまでも多くの人との人間関係の付き合いでの話です。 例えば「年に数回会うだけの人」「今回の仕事の取引先の人」--このような短い付き合いの間柄であれば、「必要最低限のウソ」が潤滑油となってくれることでしょう。
ところが、妻・夫、恋人といったパートナー、家族、日々顔を合わせる同僚--このような「長期間の付き合いになる人」との間柄では、ウソはその関係性を良いものにしないことの方が多いのです。
自分の心にウソをつき続けていると、人間はその相手と一緒にいることに対して心理的負担を感じるようになります。 反対に相手も、あなたが無意識に取っている視線や姿勢などの態度と口にする言葉に隔たりを感じ、「この人の言葉は信用できない」「何か隠し事やウソがあるのでは」と無意識のうちに感じ取るようになるのです。 このような関係性は、いつしかお互いの間に猜疑心を生み、距離を作ってしまうことになります。
その人のことを大切に思い、その関係性を「長期的になる」と感じる人であるほど、「ウソをつかない」という方針を持つことは重要となってくるのです。
今からいう言葉がウソかも…と感じたら、まずは以下2点をチェックするようにすることが大切です。
1 )そのウソは本当に相手のためのものか?自分のためのウソになっていないか?
2 )相手との関係性は長期的なものか?この場だけのものか?
もしもそのウソが「自分のため」のものであれば、正直になった方が正解。 そして「この関係性は長く続く、二人の関係を長く維持したい」と思うのであれば、できるだけ相手を傷つけない言葉を選びながら、偽りの無い自分の気持ちを告白してみましょう。
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