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幸福脳になるための、セロトニン神経の鍛え方|東邦大学名誉教授 有田秀穂

更新日 2016年12月15日 |
カテゴリ: 専門家インタビュー
幸福脳になるための、セロトニン神経の鍛え方|東邦大学名誉教授 有田秀穂

セロトニンDojoの代表を務められ、東邦大学名誉教授である有田秀穂先生は、長年、脳神経系(セロトニン神経)の研究に従事されており「セロトニン研究」の第一人者として各界から注目を浴びていらっしゃいます。セロトニン神経とはどういったものなのか、人の心身にどういった影響を与えるものなのか、昨今の時代背景を交えてお話をお伺いしました。

−−「セロトニン」とはどういった物質なのでしょうか


「セロトニン」は神経伝達物質の一種で、5つの脳機能に関与しています

・大脳の覚醒レベルを最適な状態にする
・こころのバランスー怒りや集中力の領域に働きかけて整える
・自律神経のバランス 交感神経と副交感神経のバランスを整える。
・痛みの調節をしてくれる 脳内にある鎮痛物質
・姿勢・顔つき・見た目

セロトニンという物質は、これだけの役割を担っているわけですね。
従って、セロトニンの分泌が増えにくい状況下に置かれると、目覚めが悪くなる、不安になりやすくなる、落ち込みやすくなる、集中力が低下する、自律神経失調症、頭が重いくなる、イライラする、疲労感が取れない、よく眠れない、見た目も弱々しくなる 、姿勢が悪くなる、といった変化が生じ、結果的に「うつ状態」「うつ病」になってしまうという事です。

−−近年うつ病に罹患する方が増えていますが、その背景についてどのように考えておられますか?


うつ病を罹患している方が多いのは間違いないと思います。2000年頃からうつ病と診断される人の数は急激に増えてますね。その背景は何かというと、脳内のセロトニン分泌が増えにくい社会状況になっていることが関係しているからです。

爆発的に普及したパソコン、最近ではスマートフォンを中心とした生活習慣に変化したことで、「セロトニン分泌」を活性化させる因子、1つは「太陽の光」、2つめは「リズム運動」を得る機会が減ったことが一番大きな原因だと考えています。

パソコンやスマートフォンが悪だとは思いません。今後、それらがない社会は考えられませんよね。しかし、それらがもたらす負の部分はしっかりと理解する必要があります。 パソコンやスマートフォンは非常に便利です。今や生活必需品の第一位でしょう。また、ゲームやメッセージアプリの充実もあってか、ずっと使っていても飽きない道具です。故に、ハマってしまって朝から晩までパソコンやスマートフォンをいじっている、という生活が一般化していますね。

また、ストレスが多い社会生活において、脳へのストレスが長く続くと、ストレス中枢が直接セロトニン神経を抑制してしまうんです。脳ストレスがあるとセロトニン神経が弱ってしまうのです。ストレス・トラウマ的なストレス・解決できない問題が続くと、うつ状態になったり、セロトニン分泌が悪くなるように脳はできているんです。

この様な生活環境・社会環境において、セロトニン神経の活性化要因が得られず、それによりセロトニン神経が弱ってしまい、追い打ちをかけるように様々な強いストレスがかかると「うつ状態」「うつ病」になってしまう身体の仕組みなんです。一日中パソコンを使った仕事や、ブラック企業などの高負荷な職場環境が多い現代では、正に「うつ病」は象徴的な病気かもしれませんね。

−−うつ状態、うつ病の方は現代社会においてどのように「セロトニン神経」を活性化させたら良いのでしょうか


前述した「セロトニン神経」の活性因子を得やすい「規則正しい生活」を実施して頂くことです。 といっても、仕事や育児など、個々人の生活がありますので、「実行しやすい」指導を心がけてます。

主な指導項目は「早起きして太陽の光を浴びる」「リズム運動を毎日行う」の2点です。

太陽の光を浴びないとうつ状態に陥ってしまう分かりやすい事例は、「冬季うつ病」という病気ですね。冬場や北欧など「日照時間の少ない環境」において多く発症している病気です。 故に、毎朝・毎日意識して太陽光(朝日)を浴びる事が重要です。時間としては最大30分程度で構いません。長過ぎるとセロトニン神経の抑制機能が働いてしまい逆効果になってしまいます。

リズム運動についてですが、リズム運動といえど様々なものがあります。その中でもオススメはウォーキング・ジョギング・スクワットなどの歩行運動や座禅やヨガの「呼吸法」です。また、咀嚼(ガムを噛む)などもセロトニン神経を活性化させる効果があります。

これらのリズム運動をするとセロトニン神経が活性化されて、前述した5つの機能が活性化することは、脳科学研究で証明されており、効果はお墨付きです。

−−ウォーキングや呼吸などをするときの注意点やポイントはありますか


はい、あります。セロトニンDojoでは、リズム運動がセロトニン神経の活性化に有効だというエビデンスを基に、ウォーキングや呼吸法などの各専門家が指導にあたっているので、正しい方法で実施されています。しかし、それらを理解せずに取り組むと効果が得られないので注意が必要です。

まず、ウォーキングに関してですが、脂肪燃焼や糖尿予防をはじめとする身体の健康促進を目的とした「ウォーキング」と、セロトニン神経の活性化を目的とした「ウォーキング」では大きな違いがあります。よく勘違いされやすいポイントなので、しっかりと理解をする必要があります。

セロトニン神経の活性化を目的とした「ウォーキング」は、「集中してウォーキングする」ことが大切です。具体的に説明しますと、まず「目や耳から入る情報を極力少なくする」ことです。つまり、人が少ない朝の静か公園や道路、川沿いなどの場所が適切だと言えます。朝早くウォーキングすることで太陽の光も浴びることができ、一石二鳥です。

ウォーキング時間は、おおよそ5分から長くて30分程度が目安で、「疲れない程度」に留めることが重要になります。疲れてしまうと、セロトニン神経の抑制機能が働いてしまい逆効果になってしまうためです。また、朝のウォーキングがどうしても難しい場合は、昼間や夜に同様の環境を探してウォーキングすることをオススメします。

次に、呼吸法ですが、座禅の呼吸・ヨガの呼吸法、歌を歌う、などいくつか種類が存在します。 「呼吸法」と「生きる呼吸(日常で無意識に行っている呼吸)」は全く別物です。「生きる呼吸」は横隔膜の収縮による「吸う」という運動で、呼吸中枢がその運動を司っています。これを24時間自律的にやっているのが生きるための呼吸で、60兆の細胞を生かし、酸素の供給を行っているんです。

しかし、 「呼吸法」は運動の方向が全く逆で、「吐く」ことを指令します。横隔膜ではなく腹筋を収縮させて、下腹部(丹田)を収縮させて吐くという運動で(丹田呼吸法)、その指令を出すのは呼吸中枢ではなく、大脳なのです。つまり、意識した吐く運動を一定時間やるのが「呼吸法」ということです。

呼吸法を行う時は、「ひとーつ、ふたーつ」と数を数えるように息を吐き出します。なるべくゆっくりと息を吐くことが大切です。その後、息を吸うときは身体に任せましょう。これは生理学的に正しいと証明されていることです。◯◯秒吸わなければならない、といった情報も発信されていますが、あれは間違いです。息を吐くときだけ「数を数えるように」吐き出すことが重要なんですね。

これをやると何が起こるかというと、セロトニン神経の活性化が起こります。そうすると、「うつ」という脳全体の状態に対して、良い方向に変化を働きかけるのです。また、呼吸法に関しても、ウォーキング同様、眼や耳からの情報が少ない環境で集中して行うことは必須条件となります。

−−座禅やヨガと聞くと、最近話題の「マインドフルネス」に類似しているように感じます


瞑想や呼吸法で構成されているという点で似ていますね。座禅やヨガ同様、マインドフルネスにもセロトニン神経の活性化の効果はあるでしょう。しかし「ウォーキング」や「呼吸法」に比べて、マントラを唱えながら瞑想する必要がある等、かなり高度な技術が必要ですし、いきなりマインドフルネスに取り組んでも、うまくいかない場合が多いです。取り組んだは良いけれど、効果が分からないうちにフェードアウトしてしまいます。「セロトニン神経の活性化」を目的とするなら、「ウォーキング」や「呼吸法」といった取り組みやすい方法をオススメしますね。

−−セロトニン神経が活性化されると、どのような変化があるのでしょうか。また、どれくらい続ければ良いのでしょう


セロトニン神経が活性化されると、心もポジティブになり、自律神経も整うことで、毎日の目覚めが快適になったり、頭がクリアな状態になります。また、姿勢や表情が綺麗になる等、良い変化が多々起きます。効果が持続するのは運動後30分から1時間程度ですが、毎日続けていくことが大切です。

続けていく事がなぜ大切かと言うと、だいたい3ヶ月継続すると、セロトニン神経が鍛えられて神経構造が変わるからですね。ボディビルのトレーニングで3ヶ月で身体が変わるように、セロトニン神経も変化するのです。

セロトニン神経は、セロトニンの分泌量を調節するための「自己点検回路」があって、その中に自己受容体という構造が備わっています。 自己受容体はセロトニン神経から分泌されたセロトニンの受け皿となっており、その分泌量を感知することで「セロトニンをもっと出そうかな」「ちょっと多すぎるかな」といった分泌量の調節(自己抑制)を行っているんですね。

うつ状態やうつ病の場合、この自己受容体の数が多くなっています。それはセロトニン分泌量がストレスや悪しき生活様式(身体を動かさない、太陽を浴びないない)のために、少なくなってしまったための適応変化です。分泌されるセロトニンの量が少ないために、受容体を増やして、代償しようとする変化です。

しかし、ウォーキングや呼吸法などで3ヶ月間セロトニン神経を活性化させ続けていると、「自己受容体の数が減少する」という変化が起こります。セロトニン分泌を抑制する「自己受容体」の数が減少し、自己抑制の少ないセロトニン神経に変化するのです。一旦そうなると、朝起きたときのセロトニン神経は、良い状態になっています。セロトニン神経の鍛えられた脳に変化することができます。また、うつ状態やうつ病が改善されても、この生活習慣は継続することが大切です。 つまり、うつ状態やうつ病は自分で治せます。それを私は「心のリハビリテーション」と呼んでいます。セルフケアで、セロトニンの分泌の高い脳を作るのです。

−−セロトニン神経の活性化の方法を指導していくうえで難しいことは何でしょうか


指導を始める時に、まずは面談を1時間して、どういう経過でどういう治療を受けているのか、仕事の状況はどうなのか、といった情報を把握したうえで、どのプログラムから始めるのかを決めます。とりあえず2週間やって、もう一回いらっしゃいと。そして、どこが良くなったのか、出来なかったのか、その理由はなんなのか、といった具合に改善を続けていく。それを3ヶ月間続けていくと回復までの道筋や目処が見えてくるんです。しかし、継続するのが難しいんですね。

セロトニンDojo自体は1箇所しかありませんし、「地理的な制約」や「仕事が忙しすぎる」といったことを背景に、断念してしまう方もいらっしゃいますね。 遠方の方の場合は、数回までは通えてもそれ以降は、距離的にも金銭的にも継続が難しいですし、仕事が多忙な方も通う時間が無かったり、生活習慣を変える余裕がなかったりと、なかなか難しいです。

従って、しっかりと休職されている方や無理なく通える距離にお住まいの方は、継続性が高いですね。

また、うつ病が「重症化」している方も継続が難しい傾向にあるので、そういった場合は投薬治療である程度回復してから、我々のプログラムへ参加することが望ましいと考えています。

もう一つは、薬の減薬や断薬を決断出来ない方の場合でしょうか。 投薬治療をしている方には、セロトニン神経の活性化の指導と並行して、減薬や断薬の提案も行うのですが、少なからず薬へ依存しています。それを減らそう、断とうといってもなかなか難しい。また、主治医である精神科の先生の影響力は大きく、上手に減薬・断薬が出来なかったり、一部の先生は意図的に減薬や断薬を回避するケースもあり、セロトニン神経の活性化のプログラムを止めて、薬飲みの治療に戻ってしまうことがありますね。

−−うつ病治療の主流である「投薬治療」だけではダメなのでしょうか


投薬治療だけで治るとも、セロトニン神経を鍛えただけで治るとも考えていません。人によってはどちらも必要な方法だと考えています。

昨今の精神科領域では「投薬治療」以外の治療方法を知らないがゆえに、「投薬治療」一辺倒になってしまっているのは事実です。こういった現状には、これまでの治療方法の経緯が関係しています。以前より、うつ病の原因として「セロトニン」という物質は注目されており、その分泌量や、受容体の働きを適切にコントロールできれば治るものと考えられていました。

その結果、「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」が1999年より使われ始めました。SSRIを用いることで、セロトニンの量を増やし完治を目指すといった方針です。有名な薬名では「ルボックス」や「パキシル」などですが、こられを使うことでうつ病が減ったわけではなく、むしろ増えています。それにより「このままSSRIを単純に投与しただけでいいのか?」という現場での混乱が起こっているのです。結果、うつ病の患者数やうつ病による自殺者の数は高止まりしている状態です。

このような状況を踏まえると、本当の治療はセロトニン神経の特性を理解してそれに対応した対処の仕方が求められていると考えています。

うつ病という病気は、セロトニン神経が弱り、セロトニンが適正量を下回っている事が原因です。うつ病初期や重症の方は「一時的に」投薬治療により「セロトニンの量」を増やし、精神を安定させることは必要な「対処」だと思います。

しかし、何年も続けるのは違うと考えています。心の怪我を回復させるリハビリをしないと完治はしないでしょうし、再発する可能性が高いです。 休職する、環境から離れるというのがあったとしても、ちゃんと手順を追って脳の状態(セロトニン神経)を戻してやらないとだめですから、その為のリズム運動なんです。 休職すればストレスがなくなるので一時的には良くなりますが、社会生活というのはストレスだらけですから、もう一度ストレスにさらされたら簡単に再発してしまいます。

従って、社会復帰した後の生活、具体的にはパソコンを日常的に使ったり、用事をこなしたりする生活の中で、いかにウォーキングや呼吸法などを無理なく生活習慣に取り入れるのかがポイントなんですね。 また、パソコンをよく使っている事は承知のうえで、朝のウォーキングに取り組む、難しければ夜ウォーキングする、という「意識」がとても大切で、うつ病が良くなるかならないかの決定的な違いと言えます。

そういった意識を持ち、上手に生活習慣に取り入れることができれば、弱ってしまったセロトニン神経を良い状態に戻し、うつ病を回復させることができます。 こういった手順を踏ずに投薬のみで治してもらえるかというと、そうではないと考えています。 でも、いまの精神科医・心療内科医は「こころのリハビリ」という発想を入れて、セロトニン神経を活性化させるというスタンスに基づいた治療が出来ないのが実情です。

−−精神科や心療内科では、なぜ「セロトニン神経の活性化」というスタンスに基づいた治療が出来ないのでしょうか?


精神科や心療内科の医師は、セロトニン神経の活性化の方法を習っていないからです。大学等でセロトニンの理論は学ばれていませんし、セロトニン神経の活性化については最新の研究領域でもあるため、情報も限定されており、一般的な医療をやっている人の中でセロトニン神経の活性化の方法を理解し、指導できる医師がとても少ないのです。

しかし、うつ病で苦しまれている方々が大勢いる中、悠長なことは言っていられないので、セロトニン神経の活性化の方法をうつ病の方に直接指導したり、マスコミで発信したりして、まず知ってもらうという工夫しています。

実際、そういった活動を通じてうつ病から立ち直る人たちが出てきています。

−−セロトニン神経の活性化の方法や重要性を普及させる中、懸念されている点はありますか


前述のとおり、指導内容が、呼吸法やヨガ、ウォーキングなので、各専門家の中から、自分の専門分野を活かして、例えば歩くことを積極的に自分のメンタルヘルスの対策として使おうという人もいますし、医療でないうつ病の治療として実技指導してるひとたちが増えてきています。

このような傾向はとても好ましいのですが、大切なのは理論があるかどうか。ただ単にやればいいわけではありません。 歩くだけではなく、セロトニン神経の活性化メカニズムを理解して指導してくれると効果があるのですが、単に歩きましょうと言って、モデルさんの様にきれいに歩く歩き方とか、そういう話ではないんだというこことです。 あまり難しいことは無いのですが、そこをちゃんと理解しないで歩くと同じ歩き方でも効果はありませんし。

また、適切な指導の基にウォーキングなどをやってみて、良い体験や体験談が増えていくことがとても大切だと考えています。正しい情報が拡散していくことが大切。この情報が教科書にのってないので、自分ではじめてみて薬が不要になったという例はたくさんある。正しい情報と、生活習慣としてやっていくことが大切です。

このように、私がセロトニン道場でやっているのは、確かなエビデンスを基に、うつで休職したり薬物治療を受けているひとたちに対して、セロトニン神経の側から活性化する生活習慣としてやることによって、うつをなんとか克服して社会復帰ができる手立てを指導しているのです。

生活習慣を変えられた人は、間違いなくうつ病を乗り越えることができます。段階的に減薬・断薬・社会復帰も、セロトニン神経の活性化の習慣を身につけてしまえば、様々なストレスに対応できるようになります。

−−セロトニン活性化のプログラムで成果が得られやすい人の特徴はありますか?


しいて言えば、家族や友人、職場などからしっかりとしたサポートをされている方でしょうか。うつ状態・うつ病にある方は、心身ともに衰弱している状態です。その中で、セロトニン神経の活性化のプログラムを継続するには、本人だけの意志ではなかなか難しい。中には、とてつもない覚悟をもって治るまで継続する方もいらっしゃいますが、稀です。これまでで一番長かったのは、1年半取り組んで完治したという方ですかね。

−−セロトニン神経の活性化以外で、先生が注目されている事はありますか?


「オキシトシン」という脳内物質に注目しています。「オキシトシン」が分泌されると「ストレス中枢」を抑制することが分かっています。「オキシトシン」は「お母さんのホルモン」として知られていて、授乳するときにオキシトシンが出ます。このホルモンは、お母さんの脳からのみ分泌されると考えられていました。

しかし、実は男性も子供も未婚の女性も、年齢・性別関係なく脳の中で作られる脳内物質であることが証明されたんですね。そのためのファクターは「スキンシップ」です。肌の触れ合い、心地よい触れ合い、マッサージとか、エステ、ペットと戯れる。この様な状況下でオキシトシンが分泌されることが最近の研究で判明しました。

脳がストレスを感じると、ストレス中枢が興奮し、その結果、副腎皮質を刺激し、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を促します。また、ストレス中枢からの司令は直接にセロトニン神経を弱らせてしまうので、なんとかこれらを防ぐ必要があります。そこで、「オキシトシン」の出番なわけですね。

従って、毎日の仕事終わり「アフター5」は、積極的に「オキシトシン」が分泌される行動をし、ストレスを積極的に解消することをオススメしています。

また、オキシトシンが分泌されるもうひとつのファクターは「グルーミング」です。よく知られているのは猿の毛繕い。そうするとオキシトシンが分泌されます。 人間でいうグルーミングはおしゃべりなんです。女性はおしゃべりがグルーミング行動で、オキシトシンがでる。男性は仕事帰りのちょっと一杯がグルーミングになっています。 家族の団欒も一種のグルーミング行動になります。夕方になって家族団欒、同僚と一杯、仲良しの女性とおしゃべり。そういう行動がオキシトシンの分泌を増やしてストレス中枢をおさえ、セロトニン神経を元気にしてくれるという流れになります。

スキンシップやグルーミングは、古来から人間が自然に獲得していた重要な癒し術なんですが、現代社会はそれが激減していますよね。家に帰ってもインターネットだけではオキシトシンの出ない生活なんです。そういう生活が日常化しちゃうと、せっかく私たちの脳が持っている癒しのシステムが機能しません。オキシトシンの不足が、うつ病の方を増やしている1つの要因でもあるでしょう。

夕食以降は、人とのスキンシップを優先する、など「生活習慣を変える」ための行動に移す必要があるんですね。

−−最後に、セロトニンDojoについて教えてください。


私は長年、脳神経系領域をベースに、セロトニン神経について研究してきました。主に、健康な人のセロトニン活性を研究して来ました。健康人で得られた研究成果を、次に、メンタルメンタルの問題を抱えた人に適用できれば、臨床的に役に立つだろう、と考えたためです。

この道場自体は、私が大学に勤務していた頃の5年程前に開設しました。2年半前に定年退職してから、本格的に臨床に携わっています。セロトニン活性化のための生活習慣指導やトレーニングなどを行っています。セロトニン・トレーナーの養成も行っていますので、Dojoという名称を使っています。

うつ状態や既にうつ病に罹っている方、日々の生活での心模様がスッキリしないと感じられている方、または強迫性障害や不安障害を患ってらっしゃる方もいらっしゃいますね。

自分が抱えている問題を、薬に頼らず改善したいと思われている方が足を運ばれます。こういった指導を行うのは、必ずしも医師である必要はありません。医療以外の場で、正しい「心のリハビリ」を行うことができる場が増えていくといいと思っています。

セロトニンDojo( http://www.serotonin-dojo.jp/ )

住所:〒110-0005 東京都台東区上野4-2-1 江戸っ子ビル6階
電話:03 - 5812 - 5363
FAX:03 - 6674 - 1812
電話応対時間:平日(月曜~土曜 日・祝日除く):10時~21時

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