更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 専門家インタビュー
うつ病で休職したけれど、復職は不安。再発したらどうしよう……と悩む方にとって強い味方となるのが復職支援施設です。 今回は、うつ病の再発予防や職場復帰、再就職ををサポートするためのトレーニング施設であるリヴァトレを運営している株式会社リヴァの伊藤崇さんにお話を伺いました。
うつや双極性障害などにより、休職している方が疾病への対処を身につけ社会復帰を目指す場が復職支援施設です。
私どもは、復職支援に加え、うつ病などにより退職された方向けの再就職支援も行っているため、総称して社会復帰支援施設としてサービス提供をしています。
うつや双極性障害だけでなく、不安障害や適応障害などで通院している方が対象となります。
通院をされていない方に関しても、施設体験を経て、利用の意思が固まった方は通院をしていただき、その上で利用をしていただいています。
タイミングとしては、疾病の症状が落ち着いて外出できるようになり、週2日午後から3時間程度の活動ができ、人とのコミュニケーションがある程度とれるようになった状態の時期となります。
ご自身で状態が分からないという方も、一度体験に来ていただくことでプログラム後の疲れ具合などから、利用に適している状態かをご本人に判断頂いています。
まずは無料体験にお越し頂き、プログラム内容や施設の雰囲気が合っているかを確認頂きます。利用申請の手続きは、行政への申請が必要でその後、正式に利用開始となります。 「生活リズムの改善」「自己理解/疾病理解」「認知行動療法などのストレス対処法の確立」「キャリア見直し」といったフローは、復職支援・再就職支援ともに同じです。
復職支援は、所属会社の基準やフローに従って復職時を利用されているご本人が決定していきます。 再就職支援は、就職に必要になる職務経歴書の作成の仕方や面接ロールプレイ、そしてビジネスインターンなどを通じて再就職の準備を進めていきます。
従来の、再び職場に戻る「リワーク(復職支援)」とは異なる、「リライフ(より自分らしい生き方に向けての支援)」という想いで取り組んでいます。(「リライフ」はリヴァの造語 )
リヴァのビジョン「自分らしく生きるためのインフラをつくる」にもとづき利用される方の自分らしい生き方を共に考えていきたいと考えています。
一番の違いは、「復職は一つの選択肢」という考えでご本人と関わっている点です。
冒頭にもお答えしたのですが、私どもは再就職支援も行っており、ご本人の意思を優先して、復職希望であればそれに向けての支援を、利用する中で転職や進学など、他の道が見えてきたらそこを一緒に考えて歩んでいきます。
そこは「復職支援」だけでなく「再就職支援」も行う、総合的な「社会復帰支援」をしている私どもの強みだと考えます。
また、利用されている方の声としては施設内の明るい雰囲気や利用している方同士の関わりが多くつながりやすいなどが、他施設との違いとしてよく上がってきます。
それはリヴァのプログラム開発や介入する上で大切にしている3つのスタンスが影響していると考えます。1点目は未来志向。
うつ病になった原因を分析するアプローチではなく、自分がどういう状態になって社会に戻りたいかの未来をイメージして、そのために必要なものを訓練していただいています。
2点目は体験学習。
知識として知っている事と、実際、行動にうつして出来ることとは違います。
知識からというよりは、まず体験から入りそこでの気づきを学びにつなげること、施設内での学びを日常へ繋げることを重視してプログラムを構成しています。
3点目はグループダイナミクス。
「集団のチカラ」という意味ですが、利用者さん同士が影響を与え気づき合うことが、何よりのトレーニングであり対処になっていくと考えているため、その交流の効果が最大になるようにスタッフは黒子のような存在として関わっています。
特徴的なプログラムで言えば、農家さんの協力のもと都内ではなかなか実践できない農作業プログラムも提供しています。
はい、基本的にみなさん服用されています。
疾病の治療がベースにあり、そのうえでの私たちのトレーニングと考えています。
人それぞれとなりますが、休職している人は平均で4か月、就職を目指す方で平均7か月くらいです。期間が長いように思うかもしれませんが、焦って復帰してもまた再発してしまう可能性が高くなります。考え・行動をストレスに対して、対処できるようにしていくために、自分と向き合い適応的な考え行動を身に着けていくにはどうしても時間が必要なようです。
復帰までが早いことが一概に良いとは考えておらず、復帰後も働き続けられるかどうか、納得した人生を過ごせているかどうかが大事だと考えています。
そのような復帰ができるかどうかは、自発的にプログラムをうけているかどうかが大きく影響してきます。
プログラムの内容は講義形式なく体験型のため、受け身で参加してしまうと、ほとんど気づきを得られません。「なぜ参加するか?」「これがどう社会復帰に結びつくか?」という視点で参加をするとそこから多くの気づきを得て、それが日々積み重なって行き、働き続ける自信につながっていっているのではと考えます。
利用される方はコミュニケーションを課題とされる方が多いため、他利用者やスタッフとの関わりからストレスを受けて立ち止まる方が多いと思います。
ただ、そこを回避しては以前と同じとなってしまうため、ストレスになる人がいることを逆にチャンスと捉え、どうやって向き合って対処していくかをスタッフと一緒に考えて行動につなげて頂いています。
働いている中での体調管理が一番ですね。
施設利用中は、仮想の職場と考えて頂いていますが、実際の職場とはストレス負荷の差がどうしてもあります。
実際の職場に戻りしばらくすれば周りも配慮を忘れ、本人も無理をしだしてしまう。
その時にどうやって自分のペースを守り、疾病をうまくコントロールしながら働けるか、そこを意識しながら働くスタイルを作っていけるかどうかが、大切であると感じています。
復帰後のサポートとしてはOBOGイベントという形で、復帰者同士が今の悩みとともに、どうしていきたいかを共有し、お互いに役立てて頂く場を設定しています。
また、6か月間は定着支援サービスでスタッフと面談することや、それ以降であっても有償にはなりますがスタッフと面談することが可能です。
うつになったからこそ、自分らしく納得した人生を送るキッカケになる。そんなサービスを目指しています。
メッセージを添えてカウンセリング体験を贈ることができるサービスです。
悩んでいる友人や家族に心のギフトを贈りませんか?
オンラインカウンセリングを受けてみたいけど、どのカウンセラーを選べばいいか分からない...
そんな時には、マッチング診断!
性格タイプ、相談内容やご希望に沿って、あなたにピッタリのカウンセラーをご紹介します。
えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
利用された方の多くが、カウンセリングの内容に満足、または継続したいとご回答されています。