キラキラネームはなぜ「不利」と言われるの?心理学的に観た「不評」の理由

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

昨今、話題になることが増えた子供達のいわゆる「キラキラネーム」。 難読漢字や通常の読み方をしない名前に対しては反発も強く、「受験や就職・結婚等で不利になる」と言った問題も散見されるようになっています。

「個性的な名前なだけなのに、どうして?」と感じられる人もいるかもしれませんね。 しかしキラキラネームについては、その名前を選んだ「親」に対する周囲の心理学的な印象付けが非常に大きいのです。 ここでは名付けから受け取られる心理学的な印象についてご紹介をしていきます。

1. 子供と周囲の負担軽視の「自己主張の強さ」

今まで自分が名乗った回数、名前を書いた回数を正確に覚えているという人はいませんよね。 では日本で暮らしている人の場合、平均寿命80歳と換算した時、人間は一体何人の人と知り合うのか、というところから考えてみましょう。 友人・恋人といった親しい関係となるのが通算平均で300人~400人、同僚・同級生と言った関係性が3,000人~4,000人、「知り合い」や「顧客と店員」程度の関係性になると通算3万人を突破すると考えられています。

つまり人間は「生きているうちに3万回近くは自己紹介や名前を書く機会がある」というわけです。 名乗りの際に相手に伝わりにくい名前の場合、必ず聞き返しや確認が行われることが予測されます。 この確認時間が1回ではたった1分だとしても、まとめてしまえば通算500時間以上。読みづらい名前である人は、一生のうちの「まる20日間以上」を「名前の訂正や確認」に費やし、また周囲にもその手間をかけていることになるわけです。

ここまでハッキリと数値で認識はしていなくても、多くの人は難読の名前本人に対して「訂正が面倒な人生だろう」という印象を強く持ちます。 そして「その名付けを行った人」に対しては、子供本人や周囲の人の時間や手間、情報齟齬等よりも「自分の主張を優先させる」という心理傾向があると感じるのです。

2. 子供に対する「高い期待」と「条件付けされた期待」

子供への名付けには、概して「こんな子になってほしい」という希望や期待が込められるものです。 しかしそこに「絶対的なオリジナリティ」を入れたいという欲求は、「子供が特別なものであって欲しい」だけではなく「その子供の親である自分(親)が特別でありたい」という自己愛(ナルシシズム)のあらわれでもあります。

そして自己愛の強い親ほど、その自己愛を満足させるために子供に対して「高いハードル」を課しがちな傾向を持つのです。 高いハードルとは、例えば「容姿が美しく、運動も勉強もできて…」というものですね。 また親の趣味性が強く反映された名前には、「子供の志向の範囲を強く限定させようとする」という心理傾向も見て取れます。 つまり「こういう子であって欲しい」という思いが強すぎ、「それ以外を認められない」可能性が高くなるのです。 ちなみに、子供に高いハードルを課す親の教育指針は以下のいずれかに偏りがちです。

・子供を期待通りに向かわせようとする、いわゆる「スパルタ教育」
・「期待が外れた」と育児・子育てへの熱情を失うネグレクト傾向
・期待どおりにならないのは環境・学校・教師等に問題があると考える外因性志向(他罰的思考)

いずれの方向性にしても周囲から見れば「理想的な親である」とは捉えられにくい印象付けとなります。

3. 子供を囲い込む「子離れができない親」

少々極端な例になりますが、「オタマジャクシちゃん」という名前がつけられたカエルを見たら、だれもが「成長することを予測できなかったのだろうか??」という印象を持ちますよね。 キラキラネームの中には「幼年~10代向け」と言った名前もあり、中には「30代・40代となった時にそぐわないのではないか」と言われるものもあるようです。

これには「子供が大きくなった時のことを予測・想定できない」というよりも「想定したくない」という忌避感が大きく影響を及ぼしていると考えられます。 「子供がいずれ成長して自立し、自分の手元を離れる存在である」という未来予測を強く拒否する心や、「いつまでも幼い子供で居て欲しい(自分の領域の中に囲い込みたい)」という欲求、これが「幼い名前」を付けるという行動になってあらわれてくるわけです。

このような心理的な動きが周囲にも感じ取れるため、「子供の成長を喜ばない親/子離れができない親である確率が高い」という印象付けを行うことになります。

まとめ

「名前」とは単なる記号ではなく、心理学的には「親(家庭環境)の期待・嗜好・趣味」等が透けて見えるものでもあります。 単なる友人関係等であれば名前の弊害が現れることは殆どありませんが、これは「家庭環境」が重視されない関係性だからです。

ところが例えば受験、就職試験、結婚等となると、周囲は「どんな家で育ち、親はどんな人間であるか」も選定要素のひとつとします。 これは万一のトラブル等が起こった場合、必ず「親」も関係することになるからというのがひとつの理由。 そして道徳観念・モラル・生活マナー・コミュニケーション等「学校で教われない点」について、子供は親から多くの影響を受けることになるというのも関係しています。

「自己主張が著しく強く、子供に対する期待が非常に高く、子離れができない(という可能性の高い)親」と「その親に育てられた子供である」という印象付けは、ゆっくりとした情報開示ができない面接等の場において不利な要素となる可能性は確かに否定できないところと言えるでしょう。

カウンセリングギフト
大切な人に心をケアする時間をプレゼント

メッセージを添えてカウンセリング体験を贈ることができるサービスです。
悩んでいる友人や家族に心のギフトを贈りませんか?

経験豊富なカウンセラーを診断でマッチング!「cotree」

オンラインカウンセリングを受けてみたいけど、どのカウンセラーを選べばいいか分からない...
そんな時には、マッチング診断!
性格タイプ、相談内容やご希望に沿って、あなたにピッタリのカウンセラーをご紹介します。

自分にマッチするカウンセラーを探す

利用された方の93%※が満足のオンラインカウンセリング

えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
利用された方の多くが、カウンセリングの内容に満足、または継続したいとご回答されています。

cotreeのサービスを見る※2022年2月時点の過去1年稼働1件以上をベースにして、現在非表示を含む