うつ病の再発を防ごう!知っておきたい6つのポイント

更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

日本人の15人~18人にひとりは羅患する病気である「うつ病」。 ところが、その病気に対する一般認識は未だ不足している状態です。 特に問題となっているのが、うつ病が寛解(症状が収まったこと)した後の「再発」に対する認識の欠如となっています。

実は、うつ病は非常に再発しやすい病気。 寛解から2年~3年以内に患者全体の60%~65%が再発しているとの報告も行われています。 うつ病で重要なのは、適切な治療を受けることはもちろん、「寛解後の対応」にも本人や周囲が気を配ることなのです。 ここではうつ病を再発させないために知っておきたい6つのポイントについてご紹介していきましょう。

1. 毎日の睡眠状態をよくチェックしよう

就寝時間・起床時間はできるだけ一定にすることが大切。 夜更かしや徹夜等の無理をするのは避け、早寝・早起きを心がけます。 同時に、睡眠の状態をよくチェックして記録しておくようにしましょう。

布団に入ってもなかなか寝付けない、眠ってもすぐに目が覚めてしまう、悪夢を見続ける、眠れないなどの睡眠障害が一週間以上続く場合、うつ病が再発する可能性も高いので早めに医師に相談します。

2. 食事・運動等の生活リズムは規則正しく

睡眠時間だけでなく、食事や作業、運動等の日常生活のリズムもできるだけ毎日規則正しいものにするように心がけましょう。 起床時間や食事時間を一定にすることで自律神経が安定し、体と心のバランスが取りやすくなります。

特に寛解直後等には「もう大丈夫」という開放感があるため、プライベート等で活発な活動を急に行ってしまうというケースが少なくありません。 「病み上がりなのだ」という意識を持って、日々心と体を適切に休めることが大切です。

3. 復学・復職などは医師の判断を仰ぐ

うつ病の重い症状に緩和が見られた時、「もう治った」と復職や復学を急いでしまい、医師に無断で職場や学校に戻って症状を悪化させるというケースは非常に多いと言われています。 特に真面目な人、会社や学校に対する責任感が強い人ほど「早く戻らなくては」という焦りを持ってしまうのですが、このような焦りは長い目で見て遠回りになるばかりです。

復学や復職については事前に必ず医師に相談し、OKが出てから手続きを行うようにしましょう。 アルバイトの開始、転居、結婚等、生活パターンが大きく変わるような事柄についても同様です。

4. 「無理」をするのは絶対禁物

復学・復職にOKが出た場合でも、「無理」をするのは禁物。 「休んでいたのだから、それまで以上に頑張らなくては!」といった気負いを捨てましょう。 特にビジネス面では、寛解から数年間は「発病以前の50%程度ができればOK」という気持ちを忘れず、受動的な態度を意識した方が良いと言われているのです。

人事課や上司とよく相談をし、無理な残業や早出、休日出勤、遠方への出張というような心身に負担のかかりやすい面は避けられるように調整を行います。

またプライベート面の「家族に迷惑をかけたから」と家族サービスを頑張ろうとする、「今まで遊べなかった分を取り戻そう」と旅行等のアクティブな活動を頻繁に行うといったものも「無理」の範疇に入りますので注意しましょう。

5. 1日の中で「ほっとできる時間」を作ろう

うつ病にかかったことがある人は、「自分の知らないうちにストレスを貯めやすい」という傾向を持っていることを意識してみましょう。 1日の中で散歩や入浴、音楽を聴く、好きな本を読むなど、心からリラックスできる時間を必ず作り、その日のうちにストレスを早め早めに解消していく習慣づけを行います。

どの方法がストレス解消になるかは個人差がありますから、いろいろ試してみて「これが良さそう」と思えるものを続けていくことが重要です。

6. 必要に応じてカウンセラーとの認知療法・解決策相談を継続しよう

医師による薬物療法等が終了しても、カウンセラーとの話し合いが引き続き必要となる場合もあります。

<<継続したカウンセリングが必要となりやすいケース>>

・ネガティブな考えに引き寄せられやすい
・「しなくてはならない」という「must」な観念に縛られてしまう
・うつ病の引き金となった人間関係・環境の問題が改善されていない

カウンセラーはその人が抱える「問題に対する考え方」をポジティブな方向へと向かわせる認知療法を行ったり、場合によってはその他専門家と協力して人間関係の諸問題に患者と一緒に取り組むこともあります。 「寛解はしたけれど不安がある」「人間関係の問題が解決されず、また気持ちが沈む」と言ったことがある場合には、早めにカウンセラーに相談をしてみましょう。

おわりに

うつ病は寛解までにも時間がかかりやすく、また再発をしやすい病気です。 薬物療法の薬物投与期間だけでも平均1年~2年以上、症状が重い場合には5年以上を要することもあります。 あわせてカウンセラーによる認知療法を受けることも大切です。 「もう治った」と自己判断したり、「寛解したから」と無理をすることで、また辛い気持ちへと逆戻りさせてしまうことになりかねません。 無理をせずにゆっくりと心と体を癒やすことに努め、また何らかの問題が生じた場合にはカウンセリングを頼ってみてください。

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