きょうだい喧嘩にはどう対処する?心理学が教える「きょうだい育児の3つのポイント」

更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

「下の子が生まれたら、上の子が赤ちゃん返りしてしまった…」 「きょうだい同士でいつも喧嘩をしていて、トラブルが絶えない!」 兄弟・姉妹のいるご家庭では、こんな悩みを抱えている人が少なくありません。

きょうだい間のトラブルは、小さな子供同士はもちろん、時には大人になってから噴出することもあるほどのもの。 親が「きょうだい」それぞれとの付き合いを考え、的確に対処していくことが大切になります。 今回はきょうだいを育てる際に知っておきたい3つのポイントについて解説していきましょう。

1. きょうだい喧嘩は「親の愛の取り合い」

『カイン・コンプレックス』という言葉を聞いたことがありますか? 旧約聖書の中では、弟・アベルの方が神(父)に認められたと感じた兄・カインが弟に嫉妬し、遂にはアベルを殺害するというエピソードがあります。

「親の愛情を奪われるのでは?」と感じる心が、兄弟やそれ以外の人間との関係にも影響をおよぼす--心理学者フロイトはこのように考え、兄弟間の葛藤や競争関係・軋轢を『カイン・コンプレックス』と名付けたのです。

人間は本来、愛する人から受ける愛情を独り占めしたいと欲するもの。 きょうだいはその親からの愛情や興味関心を奪ってしまう相手です。 その相手を「邪魔!」と思ってしまうのは、いわば必然…ということなのですね。

上の子の赤ちゃん返り、きょうだいゲンカ、また10代での非行等の原因には、いずれも「他のきょうだいよりも、自分を見ていて欲しい」という子供の心の訴えがあります。

トラブルが起こった時に、ただ「困った子だ」と考えるのではなく「愛情・興味が不足していたのかも…」と気づくこと。 まず大切なのは、この点になります。

2. 「つねに平等」ではなく「ときには特別」を

かつての日本では、特に男子は長子(第一子)が尊重され特別扱いをされる存在でした。 また女子の場合、幼い妹の方が愛玩的にチヤホヤされることも多かったようです。

しかし、最近では「きょうだいを平等に扱おう」と考える人が増え、きょうだい感の待遇に著しい格差を見せるケースは減る傾向にあります。

これはもちろん良いことなのですが、「いつも平等」では子供の「親を独占したい!」という欲求はなかなか充足されません。 例えば常にきょうだい二人を伴って行動している…という場合、親の子供への関心は基本的に「1/2(半分)」ということになってしまいますよね。

「全部が欲しいのに半分しか与えられない、足りない!」と感じた子供は、お互いにより多く親の興味を引こうと競争を始めてしまいます。

こんな時には、子供一人一人を時々「特別扱い」することを始めてみましょう。 子供の一人と出かけた時には、美味しいものを一緒に食べる。 面白いものを一緒に見て「これは他の家族にはナイショね!」と秘密を共有する。

こんなちょっとした「特別待遇」を受けるだけでも、子供は「親から愛された、愛情と興味を独占できた」と満足し、他の兄弟に対して優しく対処できるようになります。

特に下の子が幼い時、どちらかが受験や病気等で手がかかっている時などには、「手がかかっていない方」の特別ケアを忘れないようにしましょう。

3. 「いつも仲良く!」の押し付けはNG

きょうだい喧嘩等のトラブルで大切なのは、親がみだりに仲裁をしないことです。 「仲良くさせなくては」と思いどちらか一方の味方になってしまうと、叱られた側の心には大きな不満が残ります。 親から隠れた形できょうだいを虐めるといった、より陰湿な形での暴力となってしまうこともあるのです。

喧嘩が始まった時には、可能なかぎりその場を離れてしまいましょう。 子供同士に解決を任せることで、きょうだいゲンカは「親を味方につけるため」というものから「きょうだい同士のコミュニケーション」となっていきます。

多くの場合、子供同士は喧嘩を繰り返しながらお互いの距離感を掴んでいくもの。 もちろん、必ずしも「とても仲の良いきょうだい」となるとは限りません。 同じ親から生まれた子供でも、きょうだい同士は別々の人格を持ち、感じ方や考え方もそれぞれ異なります。 「口喧嘩をしながらも仲の良い関係」となるのか、「ちょっとクールな関係」になるのかは、子供同士が決めていくのです。

「仲良くしていなさい!」という押しつけを親がやめることで、きょうだい関係が変わってくるケースも多いんですよ。

おわりに

「きょうだいなのだから(助け合うべき)」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのだから)下の子に優しくすべき)」
「弟(妹)なのだから(上の子の言うことをきくべき)」
「家族なのだから(いつも仲良くしているべき)」
こんな「MUST(しなくてはいけないこと)」にとらわれていませんか?

親が自分自身の「家族の捉え方」を変えることで、家族関係がスムーズに流れるようになるケースは少なくありません。 「子供を変えよう!」と思うより、まず「自分の考え方を変える」というところからスタートしてみましょう。

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