内部統制とは?その目的は?ビギナー向けQ&A

更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス

2006年に施行された会社法では内部統制システムの整備・運用が大企業や関連企業に義務付けられ、またその他企業に対しても「業務の適性を確保するための体制」を整える旨が追記されました。 しかし法改正が行われて10年以上が経過する現在においても、内部統制について「実はよくわかっていない…」という人は少なくないようです。 ここでは内部統制の意味や目的について、基礎的な情報を解説していきます。

1. 内部統制とは?

内部統制とは、ごくカンタンに言えば「社員それぞれが守る規則、業務上のプロセス」のこと。 またそれらを守るために構築されたシステムについても「内部統制」と呼称します。 企業それぞれの事業目標の達成をより効率的に、より適正に行うことが最終的な目標です。

2. 内部統制の目的とは?

内部統制には大きく分けて4つの目的があります。

1 )業務の有効性の向上、効率性の向上

仕事をよりスピーディに、より適格に行うためのシステムの構築を行います。 例えば書類ベースであった情報をデジタル化して情報共有できるようにする、作業工程を可能な限り省略する、コストパフォーマンスの向上を図るのも効率性・有効性に含まれる取組みです。

2 )財務報告の信頼性

貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書等のいわゆる「決算書」、またその決算に関わる重要な情報について、不正・虚偽の事実がないことを証明できるシステムを確立します。

3 )法令の遵守

内部統制における法令遵守とは、「コンプライアンス」とほぼ同じ意味で捉えられます。 法律を守ることはもちろん、一般的モラル、社会常識、企業倫理、企業内のルール等を社員一人一人がきちんと守ることが必要になります。 コンプライアンス徹底のためには、社員の研修時間、新人教育等の時間を企業側が確保することも大切です。

4 )資産保全

資産の取得・使用・処分が正当な手続及び承認の下に行なわれるよう、資産の保全を図ります。 間違って資産を処分してしまったり、誰かが不正に資産を取得することのないよう体制を整え、管理を行わなくてはなりません。 ちなみにこの「資産」とは、不動産・資金といった有形資産だけでなく、顧客の個人情報、知的財産権といった無形資産も含まれます。 例えば顧客のデータが入ったPC等も「資産」にあたるわけです。

3. 内部統制のアサーションとは?

アサーションとは、カンタンに言えば「内部統制システムが有効であるかどうかの判断基準/実施基準」であり、基準における正しさを示す要素です。 監査においては「監査要点」と呼ばれることもあります。 アサーションには何種類かの項目があり、判断基準ではその項目全てをパスする必要があります。

実在性:架空取引・虚偽の処理が無いか、実際の注文に基づいた計上がされているか
網羅性:処理された取引内容に漏れが無いか
評価/配分:資産や収入といった項目内容に適切な記録が行われているか
完全性:売上に漏れや重複がないか
表示/開示:決算表の項目分類は適切か、開示すべき情報は適切に記述・開示されているか

上記の各項目基準を満たしていない場合、内部統制システムには不備があると見なされます。

4. 内部統制監査と内部監査の違いとは?

「内部統制監査」と「内部監査」は名称が似通っているので混同されがちです。 しかしその内容・監査を行う機関については大きな違いがあります。

「内部監査」とは、主に企業内の事業についての効率状況、違法性が無いかといった調査を「組織体の内部の者」によって監査するものです。

例えば企業内の「内部監査室」であったり、監査役を任された社員が他部署などからは独立した体制を取って調査・確認を行います。 対して「内部統制監査」は、前述した内部統制システムが全て有効であるか、基準をクリアしたものであるかを企業の外部機関がチェックするものです。

内部統制監査を行うのは、公認会計士や財務諸表監査を担当する監査法人ということになります。 企業が設置している「内部監査」も内部統制システムの一つですから、内部統制監査においては「内部調査」の有効性も監査されるわけですね。

おわりに

内部統制及びアサーションについては概念的・専門的な表記も多く、その仕組みを理解するにあたって戸惑ってしまう初心者の人も少なくありません。 内部統制については教育・研修セミナーも数多く開催されていますので、更に専門的な知識を抑えておきたい場合には研修を受講してみるのも手です。

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