【心理士監修】機能不全家族で育ったアダルトチルドレンとは?特徴と克服方法

更新日 2024年12月13日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

「アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ち、幼少期からの精神的外傷により、大人になってからも生きづらさを抱える人のことを言います。

「機能不全家族」とは、団欒し、語り合い、お互いが支え合う家族としての機能が十分に備わっていない家庭のことを指します。
しかし必ずしも、機能不全家族=外から見ても問題がある家族とは限らず、一見すると普通の家庭に見えるのに機能不全となっているケースも多々あるのです。そして機能不全家族で育ったと言える人も大人になるまでその問題に気づかないことがあります。

ここではアダルトチルドレンを生み出す機能不全家族の特徴と原因、アダルトチルドレンの克服方法について解説していきます。

>> 家族の悩みを相談できるカウンセラーの空き枠を確認

機能不全家族の特徴

1. 親が家庭に無関心/過干渉

機能不全家族に共通する最も顕著な特徴は、親が家庭(子ども)と適切な距離を保てないことです。距離感が極端である代表例が、子どもに悪影響を及ぼす親の存在です。
親は、子どもや家庭を自分の持ち物や私物のように捉えています。そのため子どもに対して徹底して無関心である場合も少なくありません。

一方、子どものすべてに干渉しようとする親も居ます。彼らは、自分の価値観や好みを押し付けることを当然だと考え、「親が叶えられなかった夢をかわりに叶えること」「親よりも優秀(もしくは同等)の成績を残すこと」など過剰な期待を子どもに寄せます。

2.親子が互いに依存し合う共依存関係

機能不全家族には、共依存が多く見られます。子どもは、親の過干渉により自分で判断せずすべて親の言う通りにし、親に依存するようになります。
親も子どもを自分に依存させることによって自分も子どもに依存し「あなたにはまだ早い」「あなたには無理」などと自立させないようになります。このようになると、親子が互いに依存しあう共依存の関係になります。

一見すると、子ども思いの親と素直で従順な子どもに見えますが、実際には子どもに過剰に執着する親と自分で判断できない子どもになっているのです。

3. 子どもへの愛情が条件付き

親から子どもへの愛情が「自分の期待に叶っている場合」「自分好みの子どもに育っている場合」などの条件付きであることも特徴です。

少しでも自分の気に入らない部分があったり子どもが自分で選んだ道を進もうとすると、親は一気に子どもに対する評価を下げ、冷淡な態度を取ったり様々な虐待を行います。 子どもは「親からの愛情を受けなくては」と親の顔色を常に伺うことになり、自分の価値観や好き嫌いがわからなくなっていくのです。

4. 父親もしくは母親が自分の役割を放棄している


家に居る時間が非常に短い、家族の語らいに参加しない、両親が不和である、浮気や不倫問題が生じているなどで、「父親(もしくは母親)」という役割が存在しない機能不全家族の場合、子どもが親の役割を担うことになるケースがあります。
例えば親が「長男なのだから将来は大黒柱としてしっかりしてほしい」と父親役を押し付けたり、「女なのだから弟妹の面倒を見るべきだ/家事をするべきだ」と母親役を押し付けるケースも珍しくありません。

5. 子どもへの賞賛が無い

機能不全家族は、親の子どもに対する賞賛(褒め言葉)が非常に少ないという傾向を見せます。 子ども達は親の期待に応えようと頑張り続けてストレスを溜めて燃料切れ(燃え尽き)を起こしたり、「期待に応えられないのだから」と勉強や運動等にまったくやる気を見せなくなっていきます。

6.きょうだい・同年代の子どもとの比較が多い

賞賛の言葉のかわりにあるのが、きょうだい間や同年齢の子どもとの比較です。
「妹はできるのに、なぜできない」、「××ちゃんみたいだったら良かったのに」などと比較によって子どもを貶めたり、きょうだい同士の競争心(不和)を煽ることで親自身の不安や不快感を解消しようとします。
また、兄弟姉妹のいずれか一人を優遇し、他のきょうだいをないがしろにするケースもよく見られるようです。

7. 物理的・精神的暴力や虐待がある

殴る・蹴るといった物理的暴力はもちろんですが、目の前で物を壊す、物を投げる、殴りつけるフリをするといった行為も物理的虐待に含まれます。
また、精神的暴力には、子どもの身体的特徴(背が低い、目が小さい等)をあげつらったり、「産まなければよかった」「出ていけばいいのに」といった悪口・暴言を浴びせるなどがあります。「気に入らないから」と存在を無視するといった対応も含まれます。


8. 親の機嫌を気にして家庭が緊張状態にある


一時的に親の機嫌が良い時があったり、和やかな時間があったとしても、機能不全家族では常に子どもたちは緊張しつづけることになります。いつ親が怒鳴りだす(無視をする)かがわからず、どの行動が親の気に入るものなのかもわからないからです。

親が設ける家庭内のルールは常に流動的で矛盾が多く、その時の気分によって話が大きく変わります。そのため子どもたちが良かれと思ってしたことも、翌日には制裁対象となることがあるのです。
このような経験の積み重ねによって、子どもたちは家庭内では常に緊張し親からの制裁を受けないことを重視するようになっていきます。

>>家族の悩みを相談できるカウンセラーの空き枠を確認

機能不全家族で育ったアダルトチルドレンの特徴

アダルトチルドレンの特徴としては、幼少期の状況によって6つのタイプに分けられると考えられています。


1.ヒーロー(英雄)

成績が良かったり、スポーツ万能など、賞賛されるために過度な努力をし続けるタイプです。

条件付きの愛情を与える親のもとで育った人に多く、「優秀でないと自分は価値がない」「努力し続けないと見捨てられる」と考えることもあります。


2.スケープゴート(生贄)

問題を起こしたり、「不出来な子」になることで、家庭が解決しなくてはならない問題を自分の問題にすり替える役割を担います。
「認めてほしい」「注目してほしい」という強い想いを持っています。


3.ロスト・ワン(存在しない子)

手がかからない子、目立たない子であることが多いタイプです。 自分の気持ちや意見を押し殺し、自己主張をせずに存在しないかのように振舞います。


4.プラケーター(なだめ役)

家族に気を配り、親を慰める役割を担うタイプです。 家族の愚痴や困りごとの聞き役に徹したり、慰め役になります。


5.ピエロ(道化師)

家庭の緊張を和らげる役割を担い、気を遣うタイプです。 第三者から見ると陽気に見えますが、本来の気質とかけ離れていることがストレスになる場合があります。


6.イネイブラー(世話焼き)

きょうだいや親の世話を担うタイプです。世話をすることで自分の存在価値を感じています。大人になってからも共依存関係を築きやすくなります。


アダルトチルドレンを克服する方法

1.抑圧していた感情や自分の存在価値を認める

まずは自分の子ども時代を振り返り、客観的に見つめ直すことが必要です。子どもの頃に抑圧していた感情や自分の存在価値を認めてあげましょう。「本当はどうしたかったのか?」に気づくことが大切です。
感情や存在価値を自分で認めることにより、「これから変えていこう」という意思を持ちやすくなるでしょう。

2.カウンセリングを活用する

とはいえ、自分自身で子ども時代のトラウマや当時の感情を認めることはなかなか難しく辛いもの。カウンセラーなどの専門家と一緒に進めれば、過去を客観的に見つめやすくなります。認知行動療法などを活用し、問題を整理するのもおすすめです。

辛い過去から一歩踏み出すために


機能不全家族によるアダルトチルドレンの克服には、自分を客観的に見たり、心の奥に溜めた感情を解放することが大切です。自分の家庭事情を話すことに抵抗がある場合もあるでしょう。
専門家であるカウンセラーに話すことによって、自分が抱える問題を客観視でき、アダルトチルドレンの克服に向けて問題の整理ができることもあります。

cotreeでは、気軽にカウンセラーに相談できる、オンラインカウンセリングサービスを提供しており、機能不全家族やアダルトチルドレンについての相談をすることができます。

>>家族の悩みを相談できるカウンセラーの空き枠を確認



カウンセリングギフト
大切な人に心をケアする時間をプレゼント

メッセージを添えてカウンセリング体験を贈ることができるサービスです。
悩んでいる友人や家族に心のギフトを贈りませんか?

経験豊富なカウンセラーを診断でマッチング!「cotree」

オンラインカウンセリングを受けてみたいけど、どのカウンセラーを選べばいいか分からない...
そんな時には、マッチング診断!
性格タイプ、相談内容やご希望に沿って、あなたにピッタリのカウンセラーをご紹介します。

自分にマッチするカウンセラーを探す

利用された方の93%※が満足のオンラインカウンセリング

えらべる:2つのカウンセリング方法「話すカウンセリング」「書くカウンセリング」
みつかる:220名以上の経験豊富なカウンセラー
利用された方の多くが、カウンセリングの内容に満足、または継続したいとご回答されています。

cotreeのサービスを見る※2022年2月時点の過去1年稼働1件以上をベースにして、現在非表示を含む