更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい
他人から見ると取るに足らないようなことでも、1つ1つを気にしてくよくよしてしまう人がいます。また失敗する前から「失敗してしまうのではないか」「私は失敗するに決まっている」と考えて落ち込んでしまうこともあります。
何をするにつけても失敗という言葉がついて回るので、こうした人の多くは慢性的な生きにくさを抱えています。例えば自分の結婚式のような晴れの場でも「人前で失敗しないだろうか」「失礼がないだろうか」と不安になるため、心から楽しむことが出来ません。失敗に関する後悔や恐れに負けないようになるためにはどうしたらよいのでしょうか。失敗に取りつかれてしまう理由と、解決策の2面から考えて行きましょう。
「私は失敗ばかりする」という人の体験談を聞くと、発達障害や学習障害を抱えていない限り、他者から見ればさほど失敗だらけというようには見えないものです。大抵の人がきちんとした生活を送っているのですが、本人からみたらそうではなく「失敗ばかりのてんでダメな人生」に見えています。
こうした人は客観的な体験をそのまま受け入れることが出来ずにいます。例えば学力テストで国語で100点、算数で50点を取ったとします。第三者から見れば「国語は大変優秀で、算数は少々苦手」という判断がなされます。しかし本人は「私は算数で50点を取るような大バカ者」と判断します。国語で100点を取ったことに焦点を当てることが出来ません。このような認知の歪みが自分の心を追い詰めてしまいます。
心理学の世界には「学習性無力感」という言葉があります。かつて動物実験をしていた頃、犬に電気ショックを与える実験を行いました。犬は何とか電気ショックの痛みから逃れようと回避行動を起こしますが、どうしてもその痛みから逃れることが出来ません。
どうしても痛みから逃れられないと学習すると犬は回避行動をやめ、ただじっと痛みに耐えるのみになります。このように「自分の行動では何も成果が得られない」と学習することを「学習性無力感」と言います。
幼いころから良いパフォーマンスを褒められることが少なく叱られる経験が多いと、「自分は何をしても成果が出ない」という学習から、学習性無力感に陥ることになります。このため失敗を恐れて行動できなくなったり、失敗を前提に行動することになり、自分の一挙手一投足に失敗がついて回るようになっていきます。
実際は失敗ばかりではないのに失敗にばかり焦点化されてしまうときは、失敗も成功も見える化するのが有効です。方法はたくさんあります。冷蔵庫にマグネットを貼る方法をご紹介しましょう。
マグネットを貼る面を2つに分けます。一方のスペースは「未達」、もう1つのスペースは「達成」です。1日のタスク(掃除する、洗濯する、買い物に行く、十分睡眠をとる等)を1つ1つマグネットに書き「未達」のスペースに貼ります。そして1つやり遂げるごとにマグネットを「達成」のスペースへ移動させます。
こうすると1日のうちで自分が出来たことと出来なかったことが視覚的に見えます。たとえ未達の事柄があったとしても達成したことも同時に見えますから、これを繰り返していけば「1日が全て失敗だった」という認知を修正していくことにつながります。
「防衛的ネガティブ」とか「防衛的ペシミスト」という言葉をご存知でしょうか。失敗に敏感であるがゆえに失敗をしないように綿密な準備をする、という適応的な側面のことを言います。失敗を恐れるというのは性格の1つですから一朝一夕で変えるのは難しいものです。
しかし、一見短所に見えるその性格にも「準備を怠らない」という長所があります。これはいろいろな実験で証明されており、むしろ不安を感じる人の方が実験課題において良い成績を収めています。安心しきって課題に臨んだ人が準備不足のために低い成績を取ったことから「安心は諸刃の剣」という研究者もいるくらいです。失敗を恐れるが故の不安は立派な長所と言えるのです。
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