更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい
心理学者アドラーは、人間の思い込みを「色眼鏡」に例えました。 赤い色眼鏡をかけている人には世界は赤く見えますし、青い色眼鏡をかけている人には何もかもが青く見えますね。
「自分は不幸だ」「自分はダメだ」「何をやってもうまくいかない」 何を見ても聞いても「ダメだ」と感じてしまう…それは無意識のうちに「ネガティブな色の色眼鏡」をかけてしまっているのかもしれません。 今回は「思い込み」から抜け出すためのポイントについて解説していきます。
「あなたは幸福ですか?不幸ですか?」
いきなりこんな風に尋ねられると、「う~ん、どうかな」と悩む人が多いはず。 幸せの定義なんてとても曖昧なものですから、解答傾向もバラバラになりがちです。
でもこんな風にひとつ質問が上に加わると、解答率が大きく変わってきます。
「あなたの年収、いくらですか?」
「あなたは幸福ですか?不幸ですか?」
設問が上に加わっただけで、収入に不満がある人の場合、一気に「不幸だ」という解答に傾いてしまうのです。 ここで気をつけて欲しいのが、「それぞれの質問は独立している」という点。
設問では年収と幸福度合いを結びつけているわけではないのに、読んでいる側は第一問目の存在によって、幸福/不幸の尺度が「収入」という一点に集中してしまうのです。
上記の質問では、わざと回答者を「収入」へと関心を集中させています。 「思い込み」とは、まさにこれと同じ状態。 ネガティブな思い込みを持っている人は、常に「何か」に無意識のうちに関心が集中してしまっている状態なんです。
自分の理想通りにいかない時、現実から逃げたくなってしまう時、自分を責めたくなる時。 いつも上記のような「何か一つ」を理由や基準にしていませんか? それこそが、いま現実を暗く辛いものに見せている「不幸色の色眼鏡」かもしれません。
もうひとつの例えとして、「自分の身長」に劣等感を持っている人が居たとしましょう。 その人は、自分の人生が理想的にいかない理由を以下のように判断しています。
・自分に恋人が居ないのは、身長が低いから。
・会社で年下に軽んじられるのは、身長が低いから。
・学生時代にスポーツで活躍できなかったのは、身長が低かったから…
何か「うまくいかない」となった時に一番最初にその理由を考えついて「そうに決っている!」と思い込んでしまうのです。 これはなぜなのでしょうか?
その理由には、私達が生きている現代の情報の多さ、スピードの速さ、価値観のあやふやさ等も影響を与えていると考えられています。 複雑で混乱しがちだからこそ「早く理解できる、わかりやすい法則」に思考が飛びついてしまうのですね。 このように問題解決を短絡化しカンタンにしようとする脳の働きは「ヒューリスティック」と呼ばれています。
ところが、問題解決をカンタンにした分、その解答の精度はググッと下がってしまうことに。 「他の可能性があるかも」と考えたり、客観的な判断を下すことができず「○○だから自分はうまくいかないんだ!」と、いつも同じ答えを選び出してしまうのです。
まず「1. 思い込みってなんだろう?」で紹介した「集中」をしてしまうポイントを変えてみましょう。
「恋人が居ない。だから自分は不幸だ」
→「信頼のできる友だちがいる」
→「打ち込める仕事がある」
→「楽しめる趣味がある」あれ?意外とシアワセかも?
人はどうしても「現在自分が既に持っている点」は軽く見て、集中ポイントから外してしまいがち。 様々な基準を集中ポイントにしてみると、まったく違った世界が見えてきます。
思い込みから抜け出すために、今までとはまったく反対の考え方をしてみるのも手です。
「背が低い。だから恋人ができない。」
→「背が高い人間にはみんな恋人ができる?」
→「背が高い人間はみんな尊敬される?」
自分で自分に反論をしてみて「そうとは限らないな」と思ったら、思い込みから抜け出すチャンス。 ひとつの解答に縛られず「様々な可能性」を考えてみましょう。
今度は自分が「ダメだ」と思った点を、真逆にひっくり返してみましょう。
・丁寧に作業ができない、雑だ→ スピーディに作業を進められる
・飽きっぽい → 様々なことに興味を持てる
人間の長所短所は、多くの場合表裏一体です。 自分が持っている「悪い点」と思っているところ、実は「良い点」であることも多いんですよ。 言い換えをしてみることで、自分の隠された長所に気づけるはずです。
自分に対する思い込みは、長年蓄積されて大きく偏っていることもあるものです。 そのため「今日からいきなり色眼鏡を外そう」と思っても、なかなかうまくいかないこともあるかもしれません。 しかし「この解答だけではない」という様々な選択肢に気づくことが、ネガティブな思い込みから抜け出す最初の一歩となります。
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