更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分
うつ病になると、食事にも興味がなくなり、何を食べても美味しく感じなくなります。しかし、もちろん心の中では「何とかしたい」と多くの人が考えています。生きていくために、とても大切な食事。今回は、うつ病の改善につながる食事についてご紹介します。
現代の日本では、潜在的な人を含めると20人に1人がうつ病にかかっていると言われています。うつ病は特別な病気ではなく現代病の一つです。
主な治療法は、薬物療法や心理療法が中心に行われていますが、近年は、うつ病と食事には深い関係があることがわかってきました。では、どのような食事がうつ病に効果があるのでしょうか。また、どのような食事がうつ病の原因になるのでしょうか。
普段の食事は、うつ病と深い関係があります。例えば、低血糖状態になると集中力の低下や不眠、疲労感を感じてうつ状態になってしまいます。糖分の取り過ぎが低血糖状態を作り出すので、過剰な糖分の取り過ぎは注意が必要です。基本的には、清涼飲料水や甘いお菓子、炭水化物などを大量に摂取することや急激に摂取することは避けましょう。
では、うつ病になると食事にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
「何を食べても美味しく感じられない」「味がしない」「食べる気がしない」うつ病になると、何もかもが億劫になってしまいます。そのため、生きていく上で必要なものを少量食べる生活を過ごすようになります。もしくは、急に甘いものが食べたくなり、過食するような行動を取る場合もあります。いずれにしても、「食」に興味がなくなるのがうつ病です。
「生きていても仕方がない」そんな風に考えて、食べることを拒否する人もいます。また、食べようと思っても食べられなくなってしまう人もいます。食事拒否が続くと、しばらくして何か食べようとしても体が拒否してしまい嘔吐するなどの症状になることがあります。このように、うつ病は心だけでなく、「食事をする」と言う当たり前のことも困難になる場合があります。
最近では、うつ病の改善に食事がとても大切だと注目されるようになってきました。うつ病は心の病でもありますが、セロトニンやノルアドレナリンなど脳内に150種類以上ある「脳内伝達物質」のバランスが崩れることが、うつ病の原因であるという報告もされています。そのため、食事によって脳内伝達物質のバランスを上手にとれるようになるとうつ病は回復するという説があります。
脳内伝達物質の中でも、特に食事で簡単に摂取できる栄養素があります。どのようなものがあるのか理解して日々の食事に取り入れてみましょう。
エネルギー代謝に関わります。主に豚肉やウナギ、小麦粉、豆類に含まれています。
脂質、糖質、タンパク質をエネルギーに変える役割があります。レバー、うなぎ、納豆、卵などに多く含まれています。
気分を落ち着かせる、健康的な神経システムを保持する役割があります。B6は、主にビール酵母、ナッツ、アボガド、豆、トマトなどに多く含まれています。B12は、主に肉、魚、乳製品、卵などに多く含まれています。
うつ病との関連が特に示唆されており、気分を安定させて、神経システムを保持させます。主にレバー、モロヘイヤ、春菊、ほうれん草、オレンジなどに含まれています。
幸せホルモンのセロトニンや睡眠に必要なメラトニンを作るために必要な要素です。主に、アーモンド、ヒマワリの種、蕎麦などに多く含まれています。
即効性の抗うつ作用があります。主に豚ヒレ肉、鶏もも肉、シラス、紅鮭などに含まれています。
脳や神経の働きをサポートします。主にかつお節、高野豆腐、乳製品、アボガドなどに含まれています。
感情をコントロールするセロトニンを生成するために必要です。主に、マイワシ、ホンマグロ、鯖、真鯛などに含まれています。
酵素と結合して神経伝達物質を作り出すために必要です。主に、青のり、ひじき、レバー、鮎などに多く含まれています。
感情を安定させるミネラルとして知られています。主に、牡蠣、うなぎ、牛肉、チーズなどに含まれています。
このように、うつ病に効果がある栄養素は「ミネラル」「アミノ酸」「ビタミン」「葉酸」です。これらを含む食材をバランスよく食事に取り入れることは、うつ病の回復に繋がるでしょう。
少しずつでも必要な栄養を体に取り入れることが大切ですが、食事で摂取するのが難しい場合は、サプリメントを服用しても良いでしょう。
うつ病を克服するために、食事はとても大切です。では、うつ病を治すためにどのような食事方法を心掛ければよいのでしょうか。
うつ病の人は、「朝遅くまで寝ている」「夜活動する」など、生活習慣が乱れている場合が多く、食事のリズムもバラバラになっています。まずは、規則正しい生活をしてみましょう。しかし、すぐに全ての生活習慣を治すのは難しいので、できることを一つずつクリアしてはいかがでしょうか。
例えば、朝、起きたら必ずカーテンと窓を開けて空気を入れ替えるなど、できることからスタートしてみましょう。そして、食事は食べたくなくても時間を決めて3食、食べることを意識しましょう。食べたくなければジュースやフルーツだけでも構いません。決まった時間に食卓に着くことが大切です。
うつ病には、ミネラルなどうつ病に効果がある栄養素を含んだ食材を摂れば良いと言われています。では、どのような食材を意識して摂れば良いのでしょうか。
うつ病におすすめの野菜は、ビタミンB6が多く含まれているニンニクや生姜、豆類。鉄分を多く含んでいる海藻やほうれん草。緑黄色野菜は葉酸を多く含んでいます。アミノ酸を多く含んでいるナッツ類やヒマワリの種などを多く摂るようにしましょう。
バナナは、精神を安定させ、良質な睡眠に導くセロトニンが多く含まれているので、おすすめのフルーツです。気分が沈んでスッキリしない日は、バナナを食べると効果があります。
うつ病の人は炭水化物を好み、肉を食べることが少ないと言われています。うつ病は、肉を食べると改善されるので、肉も忘れずに食べましょう。特に、葉酸やビタミンB6、B12はレバーや赤身の肉、鶏肉に多く含まれているのでおすすめです。
うつ病対策に食事はとても大切な役割を持っていますが、「食べる気力もない」「料理を作るのが辛い」と食事をすることを諦めてしまっている人もいます。特に一人暮らしをしていると、料理を作ることは少なくなるでしょう。
逆に家族といると、作るのが辛くても「作らなくては」と無理をして具合が悪くなる場合もあります。そんな時は無理をせず、ネットでの注文やスーパーなどで総菜を買ってきても良いでしょう。
体調が優れずに、何も作りたくない時は手の込んだものを作ろうとせずに、簡単な献立にしてはいかがでしょうか。例えば焼き肉やキムチ鍋などはうつ病に効果のある食材が使われており、簡単で美味しく食べられます。
食欲がなく、固形物を食べたくない時は、栄養価の高い飲み物やスープを飲むと良いでしょう。バナナジュースは、うつ病に効果があります。他にも、具だくさんの冷凍スープをストックしておけば、食欲がなくても十分な栄養を手軽にとることができます。
温めることも面倒な時は、コンビニやスーパーで総菜を買ってきても良いでしょう。最近のコンビニメニューは栄養バランスも考えられており、美味しく食べることができます。「食事を作る」ことが大切なのではなく、「栄養のあるものを食べること」が大切です。食事の支度ができない時は無理をしないことが一番です。
うつ病を改善するには、食事もとても大切な要素の一つです。うつ病の症状が重い場合「何も食べたくない」「何を食べても美味しくない」と感じ、食事を摂らなくなります。しかし、食事を少しずつでも食べられると、うつ病も良くなっていきます。
うつ病が辛く、食事もできない時は、一人で悩まないでカウンセリングなどを受けてみてはいかがでしょうか。そして、少しずつでも食べられるようになることが大切です。外出が難しい状態であれば、cotreeのオンラインカウンセリングもあります。ぜひ、一度、辛い気持ちを話してみてください。きっと、解決策が見つかるはずです。
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