更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 自分を変えたい
ネットから発祥したスラング(俗語)のひとつである「意識高い系」。
自分の経歴や人脈、努力等を周囲に過剰にアピールする割に中身が伴っていない人を指す言葉で、2010年代に入りFacebook・Twitter等のSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)が一般普及してから爆発的に増えたとも言われています。
20代前半~30代に多いと言われる「意識高い系」。 でも「自分はそうじゃない」と思っていても実は「意識高い系に近いことをやっていた」なんてこと、意外と多いんですよ。 今回は「意識高い系」になってしまう心理を探りながら、その対策についてもご紹介していきましょう。
「意識高い系」が「系」と揶揄されてしまう最も大きな理由が、「努力の結果」ではなく「過程」を披露したがるという一面です。
例えば「何かの資格を取る」という目標を立てた場合、もしも資格が取れたら「資格が取れた!」と自慢したくなるのは誰もが同じこと。 しかし「意識高い系」の場合、「自分は資格を取るために現在頑張っている」という状況をSNS等でアピールするのです。
これには「他者承認」を強く求める心理が影響を及ぼしています。 簡単にいえば「常に他人から褒められていたい」という心理です。 自分で自分のことをうまく褒められず、心の拠り所として「他者からの賞賛」を求めます。
また賞賛の声を一度受けても満足できず、賞賛を求めるアピールをより強く繰り返し行うようになる傾向も見られています。
「意識高い系」と言われる人の文章に共通して見られるのが、カタカナ用語・専門用語の頻出です。 また服装や持ち物なども一見すると個性的と見られますが、そこには共通するパターン(嗜好性)が見られます。
彼らが考える理想形(成功している人)のマネ(模倣)をしているわけですね。 これは心理学で言うところの「モデリング」という行為です。
外見や使う言葉などを「それらしいもの」にすることで、人はその姿や言葉に合った考え方・振る舞い方をしようというペルソナ(外敵側面)を身につけていきます。 例えばきちんとしたスーツを身に付ければ、無意識のうちに「大人らしい振る舞い」になる…というわけです。
ですから、なんらかのモデルを作ってそのマネをする(形から入る)というやり方は、けして悪いものとは言い切れません。 しかしアイデンティティ(自己同一性)が確立していない人が、模倣で何らかの賞賛を受け、それに満足をしてしまう、というのは問題です。
「自分は何者で、何をしたいのか」という部分がハッキリしておらず不安を強く感じている人ほど、仮のペルソナ(形から入った部分)で強い安心感を感じ、それだけで充足をしてしまいます。 何ひとつ「結果」を出していなくても「成功者(成功途上者)」であるという偽の安心感を得てしまうのです。
友達・知人の多さ、有名人・著名人と知り合いであること…このような「集団や人との繋がり」を過剰に重視するのも「意識高い系」の特徴のひとつ。 これには「集団」に仮想的にでも属することで、安心感が獲得できるという点がひとつの理由として挙げられるでしょう。
そしてもうひとつが「栄光欲」です。 「自分は価値のある人間である」ということを常に示すため、その「価値」を知り合いの多さ、有名人との繋がり等に見出しているというわけですね。 現在の自分の地位や社会的評価等に満足しておらず、「もっと価値のある人間だ」と評価されたいという気持ちばかりが先行してしまっている状態とも言えます。
自分を「努力している側(意識を高く持っている側)」だと認識した人は、「そうではない人達」のことを見下したり、批判をする発言が増えていきます。 これは自分(もしくは自分が属する集団)以外を貶めることで、相対的に自分の価値を高めようとする心理です。
また「失敗」を恐れるあまり実質的な挑戦と失敗の繰り返し(体験による学習)を行わなかった人ほど、「優越の錯覚」という認知バイアスに陥りやすくなります。 「自分はやればできるのだ」という机上の空論的な優越性があり、失敗をする人達に対して「ダメな人」という目線を持ちやすいのです。 批判をするたびに自己の優位性を感じられることから、批判はより先鋭的・暴力的なものとなっていきます。
独立や企業、世界進出等、大きな目標ばかりを立てていませんか? まずは1ヶ月・3ヶ月程度でクリアできる「身近な目標」を立て、そこをクリアするところから始めてみましょう。 「小さな目標」を立てて失敗と挑戦を繰り返し、自分の体験から「成功」を得ることが本来の自信に繋がります。
かつての日本では「無言実行(何も言わずに行動を完了させること)」が尊ばれてきましたが、心理学の面から言うと「有言実行」にも良い点は様々にあります。
とは言え、「意識高い系」の状態は「有言不実行」と言ってもよいものです。 周囲に対して「やる」と言ったこと(有言)1回に対しては、確実な結果を出せるまでは一人で頑張る(実行する)という習慣づくりを始めてみましょう。
1ヶ月・3ヶ月・半年・1年…といったタームでの現実的な目標を作り、1ヶ月毎、3ヶ月毎に「着実な結果を出せているかどうか」という達成度を振り返ってみましょう。結果を出すためには地道な努力が必要ですが、一度「努力による結果」を得たことで、次の「努力」へのモチベーションが生まれます。
「がんばろう、もっと上へ行こう」と考える意識を持つこと自体は、けして悪いものとは言えません。しかし不安が強い人・自分の価値を自分で認められない人ほど、「意識を持っている」という状態に満足し、現実的な行動に移れないままになってしまいます。まずは自分自身が本来の「自信」を持てるための行動を開始してみましょう!
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