更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 感情をコントロールしたい
愛情を注いで子どもを育てる親の姿はやさしさや慈愛の象徴として扱われ、そうした姿をテーマにした情報が世の中にあふれています。もちろん多くの親はそのように子どもを育てますので、ほとんどの人はそうした情報に触れても違和感を持ちません。
しかし、中には「うちの親はそうじゃなかった」という人もいます。
愛情あふれる親というテンプレートを見るたびに幼少期の記憶との違いをまざまざと見せつけられ、「どうしてそういう態度で育ててくれなかったのか」という怒りを少しずつ育てていきます。
幼い頃は自分の家庭が全てですから「こういうものだ」と思い込んで育ちますが、成長と共に他の家庭の状況を垣間見ることで「うちの親は普通じゃない」ということに気づくこともあります。
それに気づいたとしても、特に義務教育のうちは家庭から離れることが出来ません。親の態度に理不尽な思いを抱えたまま長期間家庭の中で過ごすことで、怒りを蓄積させたまま大人になってしまう人もいます。
親への怒りというのは瞬間的に生まれるものではなく、長い期間を通して作られていく強固な物です。そのためなかなか解消することが出来ないままに、1人で怒りを抱え込んでしまいます。
慢性的な怒りを持つのは辛いものです。親にとらわれずに生きるためには、この怒りをどのように扱っていけばよいのでしょうか。
もし今親と一緒に暮らしているのであれば、可能であれば1人暮らしをすることをお勧めします。
怒りや憎しみと言ったネガティブな気持ちを抑えるためには、その原因から距離を取るのが一番良いためです。
うつ病になった会社員がまず医師から指導されるのは休職です。ストレス源から離れることで心の健康を取り戻すのです。
親への怒りを抱えて辛いときも、同じようにストレス源から距離を取りましょう。
親への怒りで苦しむ人は「怒り」という感情の不快感のみならず、様々な判断に親の干渉を受けるというストレスを抱えていることも少なくありません。
進学、就職だけでなく休日の過ごし方など、本来自由であるべきはずの判断や選択にも親の顔色を窺わなくてはならなくなります。
心の中からだけでなく、現実の生活からもストレスを受ける状況にあり、気づかないうちに自分の力の及ぶ範囲を狭めてしまっているのです。
親から距離を取り1人暮らしをすると、少なくとも生活から受けるストレスからは解放されます。
その上で、心の中の怒りを扱う方法を考えて行くのが良いでしょう。
蓄積された頑固な怒りは、表出する場なくしては解消されません。その表出の1つの方法として「エンプティチェア」というものがあります。専門家と共に行う心理療法の1つで、「ゲシュタルト心理学」という心理学の分野で確立された方法です。
簡単に言えば、誰も座っていない椅子を1つ用意し、そこに親が座っていると仮定して言いたいことを言う、またその椅子に自分も座ってみて、親の気持ちになって話をしてみる、というものです。
辛かった過去を、椅子を相手に再現してみることもあります。これまでに思っていたこと、あの時本当はこうしてほしかったということ、こうされて嫌だった、ということ。心の中に溜まっていたものを話すのです。
またその椅子に自分が座り、役者になったつもりで当時の親の様子を演じます。これを繰り返して当時の思いを蘇らせます。
こうすることによって「私はこんな思いをしていた、本当はこうしてほしかった」という事がはっきりと見えてきて、本当に言いたかったことを思い切り言葉にすることが出来るようになり、すっきりとした気持ちを得ることが出来ます。
こうしたカウンセリングや心理療法は専門家のもとで安全を確保して行われて、初めて効果が得られるものです。相談機関に話をして、実施している施設を紹介してもらってみてはどうでしょうか。
直接親へその怒りをぶつければトラブルは避けられません。しかし、こうした心理療法の場でならその心配は皆無です。
「仕返しに親を苦しめてやろう」という考えでは、何も解決しません。自分の中に凝り固まった怒りや憎しみの感情を表現できる場所を探すこと。それが、親からの感情の呪縛から逃れる最善の方法と言えるでしょう。
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